【新連載】ロンドンへのひとり旅。いちばんの大親友が住む街。NOWHERE BUT HERE

Glitty

2018/11/9 20:30


今回から、菊乃さんの新連載「NOWHERE BUT HERE」がスタートします。

世界を旅する菊乃さん。

行った場所、聴いた音楽、はじめての光景、あのとき出会ったあの人…。ふとした瞬間に思い出す旅の欠片を、菊乃さんの言葉で記していきます。

そこへ行かなくても、また思い出せるように。

Nowhere but here. ここではないどこかへ。

ロンドンへくるのは約1年半ぶりだ。

前回も、今回と同様、ひとり旅だった。

ロンドン、いちばんの大親友であるカザミが住む街


とはいえ、会いたい人に会いにきているようなものなので、ひとり旅といっても丸1日ひとりになることはない。

ハタチくらいのとき、半年ほど住んでいたことがある。

いまは私のいちばんの大親友、カザミが住む街。

私は彼女に会いにロンドンへやってきた。もう10年の付き合いになる。

彼女がスタイリストとしてロンドンに住むようになってからすでに2年ほど経った。

一緒に過ごせる時間がたくさんあると考えるだけで気分が上がる。

彼女と私は大親友とはいえ、かなりサッパリとしていて、別れ際なんかとくにすごい。

それまで何かについてアツく話していたとは思えないほどあっさりと「じゃ」と去り際にひと言。

お互い手を振ることもなければ振り返ることもなく、その場を離れる。私はそれが好きだった。

連絡を頻繁にとるなどということもあまりない。お互いがお互いにかなり塩対応である。

どうでもいい久しぶりの会話。質素な店内が心地よかった


カザミが連れて行ってくれたカフェで、かわいい朝ごはんを一緒に食べた。

「ヴァイオレット」という店で、ウィリアム王子とキャサリン妃のロイヤルウエディングがおこなわれた際、ケーキを作った店なのだそう。

そんな大きなできごとがあったとは思わせない、とても質素な店内が逆に心地よかった。店員も気取っていなくていい。

ロンドンはすでに10℃を下回っていて、軽めの上着では寒いほどだったが、外の席に座りコーヒーを飲む。

ここ最近で何があったとか、誰が結婚して子どもを産んだだとか、どうでもいいようでどうでもよくない、でもやっぱりどうでもいい久しぶりの会話。

いつの間にかバスの達人になっていた大親友


カザミは少し会わない間にバスの達人になっていた。チューブ(地下鉄)は鼻のなかが黒くなるから乗りたくないのだそう。

旅の間、ふたりで何度もバスに乗った。

バスはあいかわらず読み終えた新聞やお菓子の包み紙がそこらじゅうに捨ててあって汚いが、外よりも暖かくて、時差ボケのせいもあり眠気に襲われる。

外はもう暗く、車内は帰宅ラッシュの人々が乗ったり降りたり。

隣の女子たちがイヤホンをふたつにわけて大音量で聴いている曲がかすかに聞こえる。

うとうとしながらも途切れることのないカザミとの会話。宿の近くにバスが到着し、また素っ気ないバイバイをする。

ロンドンに住んでいたころは、家にこもってカレーばかり食べていた


冷たすぎる乾いた空気、甘ったるいケーキの匂い、信号無視。

ひとりで宿までの道を歩いていると、ここに住んでいたころの感覚がだんだんと体へ戻ってくるのを感じた。

ハタチそこそこで、ろくに学校へも行かずに毎日家にこもってカレーばっかり食べていたことを思い出す。

たまに友だちとクラブへ行ったりするんだけど、慣れないヒールに疲れ、バスに揺られてすぐ帰るのがオチだった。

ロンドンは、仲良くしなければならない街だ


ロンドンはなんでもかんでも高いし、冬は長いし、東京と同じく冷たい街だと思う。

それでも私は何度でも、カザミに会いにくる。仲良くしなければならない街だ。

彼女と私は女友だち特有の、良くも悪くもねちっこい感じもなければ、お互い「好き」や「会いたい」などと口に出すこともあまりない。

けど、「やっぱりいちばんだな」なんて感じたり、「次はいつ会えるかなぁ」とすでに考えたりしている。

基本塩対応なんで、カザミには言わないけどね。

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