「まんぷく」34話。朝ドラにもグループ男子の波。塩づくりメンバー14人、全員10代20代

エキレビ!

2018/11/9 08:30

第6週「お塩を作るんですか!?」 第34回 11月8日(木)放送より
脚本:福田 靖 
演出:渡邉良雄
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
     桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎


34話のあらすじ
泉大津で、塩を作ることにした萬平(長谷川博己)。
だが家族でほそぼそやるような仕事ではなく、本格的な事業を目指しているため、神部(瀬戸康史)が14人もの男たちを連れて来た。
彼らの食事などの世話は、福子(安藤サクラ)と鈴(松坂慶子)が担当することになって、てんてこまい。
鈴は「寮母みたい」なことを嘆く。
福子はさらに借金を重ねるが、生き生き働く萬平を見ると嬉しくてたまらない。

福子は専業主婦願望をくすぐるキャラ
ビーチボーイズか。
冒頭、またしてもドローンで海辺すれすれに浜辺へとすいーっとカメラが。
そこには男たちがいっぱい(全員10代から20代の設定)。さすがに裸の人はいない。
「神部くんは人集めの才能があるのかもしれないな」(萬平)って、褒めてるのかなんなのか。

人手が足りないと言っても14人も集まるとは想像してなかったが、せっかく来てくれたのだからむげに帰せない。
ご飯やお風呂が大変だと現実的なことを問題視して(ごもっとも)鈴はおかんむりだが、帰ってもらうのに、土下座するかと言われたら“武士の娘”としてはプライドが許さない。
結局、14人はそのまま働くことになった。
最初は、戦争で職がない彼らは住み込みで働けることのありがたさを口にしていたが、食事の量が足りなくて文句が出はじめたところ、清香軒からラーメンの出前を取って、みんな大満足。
でも塩気が足りない。がんばって塩を作ろう! というよくできた流れの34話であった。

15人の男たち
エンタメには「グループ男子もの」というジャンルがあり、00年の「池袋ウエストゲートパーク」や、映画「ウォーターボーイズ」のヒットから03年に生まれたドラマ「WATER BOYS 」、大ヒットした「花より男子」「ルーキーズ」など若い男子を集め、彼らが切磋琢磨する勢いを求心力にするドラマが00年代以降の流行のひとつになっている。舞台で盛り上がってる「テニスの王子様」や「刀剣乱舞」などもそのジャンルである。
朝ドラでも、平成が終わる今、まさかのグループ男子投入。
瀬戸康史を筆頭に、15人もの若い男子が登場することに。

14人のあらくれ男たちが自己紹介をはじめるシーンでは、最初、メインどころの中尾明慶(岡幸助役)が生い立ちまで語るが、そんなに長い自己紹介は要らないと以降の人たちは徐々に短くなっていく。

鈴いわく「むさ苦しい兵隊帰り」の14人の中、埋没しないように、中尾明慶があらくれかんをプンプン出していた。

33話のレビューにも書いたが、この塩作り要員の方々には全員フルネームで名前がついている。
NHKドラマ・ガイド「まんぷく」には、彼らの一言コメント付きで紹介しているページがあった(P61)。
すばらしい企画。編集には「花子とアン」の制作統括した加賀田透も参加しているから、ドラマガイドも今後、企画が手厚くなっていくのではないかと期待する。

ではここで、14人の名前を列挙しておこう。年齢は役の設定。
神部茂(瀬戸康史) 24歳
岡幸助(中尾明慶) 22歳
小松原完二(前原滉)18歳
森本元(毎熊克哉)23歳
赤津裕次郎(永沼伊久也)25歳
堺俊一(関健介)20歳
増田誠一(辻岡甚佐)18歳
高木一夫(中村大輝)23歳
長久保陽介(スチール哲平)24歳
野村泰造(南川泰規)21歳
堀和則(原雄次郎)19歳
佐久間春男(川並淳一)26歳
倉永浩(榎田貴斗)20歳
大和田英二(梅林亮太)24歳
峰岸政利(三好大貴) 22歳

リアルとは何か
奥様の福子、大奥様の鈴、では萬平さんをなんと呼ぶかコントのコーナー。
旦那様、社長、親方と来て、
「ふっ 萬平でいい」。
「親方」と呼ばれることには違和感があったようだが、のちに、ラーメンをふるまいながら(実際ふるまってるのは鈴)「人間食うことが一番大事なんだ」と「社長の顔に」なってるときの話しっぷりは、大きくたくましげな言い方で「親方」感もあった。

食料が足りなくておかわりができない時、萬平は十分だと言うが、福子に「辛抱してる」と言ってくれと請われて「辛抱してる」とインチキ大阪弁を久々に使うところは芸が細かい。渋々言っている感じが、ネイティブではない大阪弁で言うことで伝わってくる。

ドラマや映画の台詞や演技や演出がリアルかリアルじゃないかということがよく語られるが、ドラマや映画はそもそも作りものなので、問われるのはリアリティーのほうだろう。
リアリティーとは、真に迫っているか、本物に見えるか、ということだ。
舞台演技のように身振り手振りが大きく、言葉もハキハキしゃべるとリアリティーがない、声のトーンをおとして、抑揚も少なく、動作もほとんどしないとリアリティーがある、というわけでは決してない。
例えば、今回の、萬平のこういう工夫・・・自分は食が足りているが、ほかの人の不満を払拭するために、自分も辛抱していると無理に言わなくてはいけない気持ちを、使い慣れない大阪弁で表現する。こういうことにこそリアリティーを追求しているといえるだろう。

ひとり朝ドラ国防婦人会(朝ドラ愛が強いあまり細かいところをチェックしたいコーナー)
◯15人+3人の食事を作るのに鍋が小さ過ぎて効率悪そう。

◯萬平さんが風呂で浮かれて歌(しかも下手)を歌う場面。もうこれ以上キャラを立たせなくても・・・。

◯端役にもフルネームつける気遣いには感心するが、岡幸助、野呂幸吉(藤山扇治郎)、神宮幸之助(麿赤兒)、藤幸吉(酒田かおる)と「幸」がついた人がすでに4人も。しかもなんとなく似た名前。
世間に幸子という名が多いというようなものかもしれないが、ドラマでそこまでリアリティーを追求しなくてもいいと思う。
(イラストと文/木俣冬)

連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~

朝夕、本放送も再放送も オールBK制作朝ドラ
「べっぴんさん」 BS プレミアムで月~土、朝7時15分から再放送中。 
34話

「あさが来た」 月~金 総合夕方4時20分~2話ずつ再放送

あさの姉・はつの旦那様は、安藤サクラの旦那様
7話

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