誰が作ったかわからないがアート! 150点展示の「民藝」展

ananweb

2018/11/9 18:30

作者不詳、いつ、どこで作られたかもおおよそでしかわからない。生活の中で使われてきた素朴な日用品なのに、見る者の心を動かす“何か”がある。1925年、柳宗悦(やなぎむねよし)が“発見”して以来、「民藝」は多くの人をひきつけてきた。
国際的に活躍するプロダクトデザイナー、深澤直人氏もその一人。「民藝 MINGEI-Another Kind of Art展」では日本民藝館館長を務める氏がディレクションを担当。同館の所蔵品を中心に焼き物、漆器、仏像など、全国から収集した新旧150点あまりを紹介する。

「『民藝』とはカテゴリーではなく、生き方そのものを指すのではないか」と氏。副題の「Another Kind of Art」は96歳の現役染色家・柚木沙弥郎(ゆのきさみろう)の言葉だという。歴史をたどれば「民藝」は、風土や風習に根ざしたものづくりが、世代を超えて受け継がれる中で、独自性を持つにいたったもの。美術や工芸という枠組みを軽々と飛び越えていく。会場ではそうした自由で無垢な精神を目の当たりにできそうだ。

メインの展示に加えて深澤氏の私蔵品にも注目。自身のインスピレーションの源である名品が揃うとのこと。また制作現場やインタビューを撮り下ろしたドキュメンタリー映像など、現代のつくり手に迫る企画も興味深い。日本を代表するデザイナーのナビゲートで、「民藝」を再発見してみてはいかが。

火鉢 出雲大津(島根県) 昭和時代 1940年代 〈日本民藝館蔵〉

羅漢像 朝鮮半島 朝鮮時代 〈日本民藝館蔵〉

白磁燭台 薩摩 平佐(鹿児島県) 江戸時代 19世紀〈日本民藝館蔵〉

※冒頭の写真朱漆酒器 琉球王朝時代 19世紀 〈日本民藝館蔵〉

「民藝」21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2 東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウンミッドタウン・ガーデン内 開催中~2019年2月24日(日) 10:00~19:00(入場は18:30まで) 火曜(12/25は開館)、12/26~1/3休 一般1100円ほか TEL03・3475・2121

ふかさわ・なおと プロダクトデザイナー、多摩美術大学教授、日本民藝館館長。国内外のメーカーの製品デザインやコンサルティングを手がける。2018年、イサム・ノグチ賞受賞ほか受賞歴多数。(撮影:岡本憲昭)

※『anan』2018年11月14日号より。文・松本あかね

(by anan編集部)

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