SKE48須田亜香里が総選挙で2位になった理由 コンプレックスがあるから「ファンとひとつになれた」<インタビュー>

モデルプレス

2018/11/8 21:30

【須田亜香里/モデルプレス】2018年6月に行われた世界選抜総選挙で2位の座を獲得し話題となったSKE48の須田亜香里。しかし彼女は一度SKE48の卒業を考えるまで、どん底に落ちた経験がある。それは2015年の選抜入りを逃した総選挙の時のこと。それでも諦めず自分の欠点と向き合いながら、今の地位に返り咲いた。奇しくも須田が生まれた1991年に亡くなった伝説のバンド<クイーン>のメイン・ヴォーカルであるフレディ・マーキュリーも、どん底を経験しながら再び舞い戻ってきた。「クイーン世代ではない」と語る須田だが、映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観て、フレディがコンプレックスを克服し、ファンと音楽で一つになろうとする生き様に胸を熱くさせられた。

■伝説のバンド<クイーン>とは



クイーン(Queen)はフレディ・マーキュリー(Vocal)、ブライアン・メイ(Guitar)、ロジャー・テイラー(Drums)、ジョン・ディーコン(Bass)からなる4人組のロックバンド。“世界で最も売れたアーティスト”にも選ばれ、「We Will Rock You」や「伝説のチャンピオン」は誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。

革新的な音楽を次々に生み出し世界を魅了したクイーンだが、メンバー同士の衝突やスキャンダルでバンドは崩壊寸前にまで追い込まれた。それでも20世紀最大と言われるチャリティ音楽イベント“ライブ・エイド”で見せた出演アーティストで最長21分に及ぶパフォーマンスは、伝説のライブとして語り継がれている。

エイズに苦しむフレディは、このライブのわずか6年後に亡くなる。フレディが手に入れた本当に大切なものとは?そして今の時代だからこそ描けた、クイーンの真実とは?フレディの生き様を映画『ボヘミアン・ラプソディ』が熱くも繊細に描く。

27年経っても色褪せないフレディの生き様は、「潔くてかっこいい」と語る須田の心も揺さぶった。

■須田亜香里が仮面を脱ぎ気付いたこと



― 今回『ボヘミアン・ラプソディ』をご覧になっていただきましたが、率直な感想はいかがでしたか?

須田:クイーンというバンド名を聞いたことはあったんですけど、いつの時代のバンドなのかも知らなかったんです。でもCMにも使われるほど有名な曲ばかりだから、「この曲はクイーンだったんだ!」って映画を観て繋がりました。

― フレディ・マーキュリーはご存知でしたか?

須田:見たことはあったけど「クイーンの人だったんだ」ってこれも映画を観て結びつきました。歴史に残るすごい人達だから断片的に私も知ってはいたけど、“ビジュアル”と“グループ名”と“曲”が映画を観てようやく私の中で繋がった感じがしました!

― 須田さんが生まれた年とフレディが亡くなった年は同じ1991年。リアルタイムで見たことがないから、どこか遠い存在だったのかもしれないですね。

須田:そうですね。でも世界的なスターなのに、すごく悩んだり迷ったりしていて。今はアイドルも裏側をさらけ出して、共感を得る方も多くいます。私も裏側を見せて応援してもらい、ここまで来れました。あの当時のスターは自分の苦悩は、ほぼ理解されなかったんだろうなと感じます。この映画をきっかけに、やっとみんなに理解されるんだなって。

― 須田さん自身も「アイドル・須田亜香里」を頑張ろうと苦労されていましたね。

須田:そうですね。私はファンの方にガッカリされるのが怖かったんです。フレディは今までみんながしてこなかったことに挑戦して、周りが反対しても自分が信じた理想を追い続けていた。私はアイドルの理想像を作って、そこからはみ出してガッカリされないようにって思っていたんです。フレディとは違うかもしれないけど、自分の理想に近づけるようにすごく意識していましたね。

― しかし2015年の総選挙で選抜落ちし「人間宣言」をしました。「人間・須田亜香里」になってからは、気持ちも変わりましたか?

須田:先が見えるようにはなりました。本当の自分と付き合っていくのは、仮面を被っていないからこそ、すごく傷付くこともあります。自分の悪いところと向き合わなきゃいけないのは、やっぱり辛い。でもそれも受け入れることで楽になりましたね。

― 自分を認めてあげるような?

須田:はい。自分のダメな部分も認めてあげないと前に進めないと思ったら、なんとかしていこうという思いになりました。

■フレディ・マーキュリーの父との関係性に共感



― 『ボヘミアン・ラプソディ』で須田さんが一番ぐっときたシーンをおしえてください。

須田:フレディとお父さんの関係性ですね。最初は反抗してお父さんが「善き思い、善き言葉、善き行いを心がけろ」と言っても、フレディは「それを守って良いことあった?」って。それでもお父さんの言葉がフレディの中にはしっかり残っているのを知ってぐっときました。

― 須田さんにとっても、お父さんの存在は大きい?

須田:大きいですね。父も母もそれぞれ違う形で私を支えてくれているけど、つまずいた時にさり気なく救ってくれるのはお父さんの言葉だったりするんです。夢がないことに悩んでいた時も「夢は明日変わってもいいんだからね」って言われて。そんな気軽なものでいいんだって思えてから、気分が楽になりました。やっぱり、小さい頃から当たり前のように「将来の夢は?」って聞かれますから。

― アイドルであれば尚更かもしれませんね。

須田:今後の展望を求められても言えない自分に劣等感を持っていたんです。それが言えないから自分はダメなんだって。でもお父さんの言葉で「なんでもいいから、とりあえずやりたいこと言おう」と。自分でも不安な夢を語るより、叶えたいって思ったことを素直に言えば良いんだって思えるようになりました。父の言葉は私の芯の部分になっています。人生のモットーですね。

― ちなみにフレディのように家族へ反抗した経験は?

須田:基本的に仲良いんですけど、「早くやりなさい」とか言われると「嫌だ」って思っちゃう。言われる前にやりたかったのにって(笑)。

― わかります(笑)。

須田:今でもよくあって、「早くお風呂に入りなさい」って言われて、「あと1分」「もう1分経ったぞ」みたいな(笑)。この前誕生日だったんですけど、父から届いたメールの文章に「今年は生活面をちゃんとしよう」ってわざわざ書いてあったんです。

― すごく仲良しなのが伝わってきます(笑)。須田さんのように人生のヒントになるような言葉が、映画から見つかる方もいるかもしれませんね。

須田:それぞれ色んなところで刺さる言葉がありそうですよね。私の場合は家族の愛が刺さったけど、恋人との関係に刺さる人もいれば、バンド仲間との関係性に刺さる人もいると思います。色んな側面からクイーンを描いているので、私のように遠い存在だと思っている方も必ず感銘を受けるシーンがあるはずです。

■須田亜香里、ソロ活動に前向き?



― バンドメンバーの衝突も描かれていましたが、SKE48として活動する上で共感する部分はありましたか?

須田:女の子同士だから自分がさらけ出しても向こうが閉ざしていることがあって、やっぱり難しいですよね。私は結構思ったことを言っちゃうタイプなので、はっきり言ってくれる人と昔から気が合います。

― SKE48チームEのリーダーとして、はっきり言わないといけない立場にもいらっしゃいますしね。

須田:そうですね。みんながチームを良くしていこうって思っているから、衝突したりメンバー1人が突っ走っちゃったりすることは無いと思います。…でも、フレディがクイーンから抜けてソロ活動を始めるシーンは、その魅力がなんとなくわかりました(笑)。

― やっぱりソロは憧れますか?

須田:大人数だと楽屋も狭いんです(笑)。楽屋に入る順番によっては、座りたかった場所に座れなかったりとか。人と人の間に座るのが嫌なんですよ。

― 端っこが好き(笑)?

須田:端っこに行きたいんです。楽屋に入る順番によっては角の席が埋まっていて「もう嫌だ」って思う(笑)。やっぱり角が人気なので。空気もキレイなんです、角のほうが。

― (笑)。最近ソロの活動も多くなっていますね。

須田:そうですね。ソロでお仕事させてもらうと楽屋が広いなって思うし、お弁当も一番に取れる。でも両方を同時に味わっているからこそ、両方の魅力がわかるんだと思うんです。

― ソロでの活動だけだと感じられないことも?

須田:ライバル関係になれる人がいないんじゃないかなって。燃えるきっかけは自分から作らないと見つからないと思います。グループなら「あの子があんなに頑張っているなら私も頑張ろう」って自然に周りと自分を比べながら向上していける。そういう部分は良いと思いますね。

― ソロばかりだと今の須田さんはいなかったかもしれないですね。

須田:ソロだけだと周りの人に甘え過ぎちゃったりするかもしれないですね。女王様みたいになっちゃうかも。色々な人と関わっていないと新しい観点は生まれないから、できるだけ多くの人と関わったほうがいいと思う。でもソロでそれが出来る人は、すごい才能ですよね。自分のあるべき場所はソロなのか、グループなのか。フレディがクイーンに戻ったのは、彼にとっての居場所はクイーンだったんだと感じました。

■須田亜香里「コンプレックスがあってよかった」



― 2018年の総選挙で2位になった時に「弱いところを恐れずに頑張っていけたら」というスピーチは自分のコンプレックスを受け入れたフレディともリンクしているように感じました。

須田:フレディは歯がすごく出てて、それがコンプレックスだったんですよね。でもそのおかげで口の中の空間が広くなって、上手に歌えるんだと知ったら明るい気持ちで彼を見ることができました。

― 須田さん自身、コンプレックスがあってよかったと思えることはありましたか?

須田:自分に欠点があって「ブス」って言われることもあるけど、だからこそファンの方は近くにいてくれたんだと思います。私がコンプレックスを認める姿を見て、「私も頑張ろう」と共感してくれる方もいました。私はコンプレックスがあってよかったなって思うし、誰かと繋がるためにコンプレックスはあるんだと思っています。弱い部分や欠点があっても、それを補い合うことでファンとひとつになれたような気がします。

― 素敵な言葉ですね。コンプレックスがあるからこそ、クイーンも世界中の人たちと繋がっていたのかもしれないですね。

須田:そうですね。すべてうまく行っているなら出てこない歌詞だと思うし、説得力もないですよね。その言葉を聞いて「私も頑張ろう」って思ってもらえるのは、歌っている人の生き方が伝わったからなんだろうなって思います。

― 劇中では歌詞の和訳も出てくるので新しい発見がありそうですね。

須田:ちゃんと和訳を見ながら、もう一回色んな曲を聴いてみたいなってすごく思いました!「We Will Rock You」が一番お気に入りなんですけど、これもクイーンの曲だって知らなくて。お客さんも「ズンズンチャ」のリズムに合わせてライブに参加してもらうという発想は、そんなに簡単に生まれないですよね。そういう発想は、遠くて顔が見えないお客さんも楽しませようと思う秘訣なんだろうなって感じました。

※「We Will Rock You」を使用したTVスポット

■クイーンの偉業が須田亜香里の悩みを増やした?



― 先程、お父さんとの関係性にグッときたと語っていただきましたが、他に須田さんの心に残ったシーンはありますか?

須田:フレディが彼女のメアリーと電話越しで「乾杯しよう」っていうシーンあるじゃないですか。あのシーンはめちゃくちゃ切なかったです。どんどん自分がしたいことだけにフレディが溺れて行っちゃってる感じがして。元のフレディに戻ってって思いながら観ていました。最初は破天荒だとしても、彼の才能に周りが納得してついてくるじゃないですか。

― 確かにもどかしいシーンでしたね。

須田:そうですね。あとレコード会社の偉い人とお話しているシーンも好きです。自分の音楽を否定されても、一歩も引かなくて。それどころか外から石投げて、オフィスのガラス割ってましたよね?

― 今じゃありえないですよね。

須田:あの自由な感じは、周りの人の顔色を伺ってちゃ出来ないだろうなって思う。すごいロックだなって感じました。あんなことして嫌われたらどうしようとか、業界で生きていけなくなったらどうしようとか、リスクを考えちゃうじゃないですか。そんなことは一切気にしないで、自分の音楽を信じている姿が潔くてかっこいい。

― あのシーンで貫き通さなかったら今のクイーンは無かったかもしれないですね。

須田:ですよね。思い返すとどのシーンも印象的で、初めてステージに立ったシーンも好きです。スタンドマイクの高さが合わなくてがちゃがちゃやって、ステッキ状態になるじゃないですか。それで歌い続けるから「これ、正解なの?」って(笑)。でも最後のライブ・エイドのシーンを観てるとステッキ状態だし、「あれ?もしかして」って思って。

― あのスタイルになったのも実話のようですね。

須田:そうなんだ!あんな歌い方する人いないですよね。真似している人はいるとしても。

― 唯一無二という感じですよね。MVを初めて作ったのもクイーンと言われています。

須田:え!そうなんですか?

― テレビで複雑な演奏をしなくて済むように、使いまわせる宣伝用の映像を作ったそうです。

須田:へえ!すごい。私はMVに映るか映らないかで悩んでるのに(笑)。この悩みもいいのか悪いのかわからないけど、色んな人に音楽を楽しんでもらえるきっかけを作ったのはすごいですね!

■須田亜香里「まだまだ出来ることはある」



― 『ボヘミアン・ラプソディ』はどんな方におすすめの映画ですか?

須田:とにかくライブの再現がすごいので、ライブを観たいと思っている人におすすめ。1人だとライブへ行くのに気が引けたり、友達とスケジュールが合わないなんてこともあるじゃないですか。最後のシーンは本当にすごいので、スクリーンであのライブ感を味わってほしいです。

― 最後のライブシーンで、「もし自分が立ったら」とか、想像できますか?

須田:全然出来ないです!あれ原寸大ですよね?声には出してないけど、口パクで「うわ、すげえ」って言っちゃいましたもん。

― (笑)。

須田:大きなステージで何回かライブをやらせてもらっていますけど、規模が全然違いますね。だって、みんなスタンディングですよね。あの規模にスタンディングで入るって相当だと思います。私達がスタジアムでライブをやる時も、椅子を敷き詰めてるので人と人の間は見えるんです。異次元ですね。

― 観客は人なのかも分からないような光景でしたね。

須田:豆粒みたいですよね。私達はライブが終わった後に握手会をすることもあるんですけど、「遠くから観ててもあかりんってわかったよ」とか「遠くから観てても楽しかった」って言われるとすごく嬉しいんです。でも、あの規模は楽しませる自信ないですね。

― クイーンだからこそ?

須田:歌やライブパフォーマンスはもちろん、生き方のカッコいいクイーンだからこそ、ライブにいる人みんなを楽しませて、テレビの前の人も楽しませえることができたんだと思うんです。「こんなことを自分はできるのか」って気が遠くなる気持ちもあるけど、「まだまだ出来ることがあるんだ」っていう気持ちにもなりました。

― 病気に苦しみながら最高のパフォーマンスを見せることができるのは、なんだか勇気をもらえますね。

須田:無限大にやれることはあるんだなって希望をもらいました。ブランクもあって声も出てなかったけど、本番までに仕上げてくるのは「人のため」という想いがあったからなんじゃないかって思うんです。フレディの"声を出せない人たちのために自分が歌う”という想いは、自分が好き勝手にやってきた経験を経たからこそなんじゃないかなって。誰かに歌を届けたいって思えたからこそ、あのパフォーマンスができたんだと感じました

― 自分ではなく誰かのために。

須田:そうですね。あと「自分はついてない」と思っている方は結構多いと思うんです。握手会の時にも「本当についてないんだよね」って言う方もいます。でも「私と話している今も楽しくない?」って聞くと「今は楽しい」って言ってくれて。そんな些細なことかもしれないけど、周りの人の温かさとか、自分を理解してもらえるありがたさを感じられる映画なんじゃないかなと思いました。「なんでこんなに嫌なことばかりなんだろう」ってネガティブな方にこそ観てほしいです。

― 素敵なお話ありがとうございました!

2015年の総選挙で選抜入りを逃し、一時は卒業も考えた須田。しかし、その経験があったからこそ自分のコンプレックスと向き合うことができ、2018年の総選挙では2位という順位にまで上り詰めた。心無い言葉でバッシングを受けることもある彼女だが、数百人いるAKBグループで2位になった事実が変わることは決してない。自分の弱さを受け入れて這い上がってきた人にしか出せない魅力が、フレディや須田にはあるのかもしれない。(modelpress編集部)[PR]提供元:FOX

■映画『ボヘミアン・ラプソディ』(11月9日公開)



ワンフレーズを耳にすれば思わず心が踊りだす名曲で、世界中を魅了する伝説のバンド<クイーン>。そのリード・ヴォーカルにして、史上最高のエンターテイナーと讃えられたフレディ・マーキュリーの生き様を映し出すミュージックエンターテイメントが誕生。

世間の常識を打ち破る革新的な音楽を次々と生み出し、スターダムを一気に駆け上がったフレディと仲間たち。今なお語り継がれる劇的なパフォーマンスを披露した彼らの華やかな活躍の裏には、誰も知らないストーリーがあった。

「これは伝記映画ではなく、硬い岩から掘り出されたような純粋なアートだ。家族や人間関係、希望に夢、悲嘆や失望、そして最後には勝利と達成感が、誰にでも共感できるように物語として描かれている」と語るのは、クイーンの現メンバーで、本作の音楽プロデューサーを務めるブライアン・メイ。同じくメンバーのロジャー・テイラーも音楽プロデューサーを務め、劇中では、フレディ自身の歌声を使用した28もの不屈の名曲が鮮やかに蘇る。

崩壊寸前だったバンドが挑む20世紀最大の音楽イベント"ライブ・エイド”。永遠に語り継がれるラスト21分のパフォーマンスに込められたフレディとメンバーの想いと秘められた真実が観る者の魂を熱く震わせる。

■11月8日(木)前夜特別上映(IMAX・ドルビーアトモス)
■11月9日(金)全国ロードショー

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