高杉真宙にインタビュー! 新感線☆RS『メタルマクベス』disc3 「劇団☆新感線の舞台は台詞一つに込める熱量が違うんです」

SPICE

2018/11/8 14:00



2018年11月9日(金)より本年の大晦日まで上演するONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc3 Produced by TBSが、まもなく産声を上げる。disc3ではランダムスター役を浦井健治が、ランダムスター夫人役を長澤まさみが演じる。そして新感線初参加となる高杉真宙が、物語の流れを変えるキーパーソン・レスポールJr.役を務めることとなった。

レスポールJr.役を高杉はどう作り上げようとしているのか。現在の稽古の様子などを存分に語ってもらった。

ーー高杉さんにとっての初・新感線はどの作品でしたか? また、その時受けた印象は?

小栗旬さんが捨之介を演じた『髑髏城の七人』(2011)(通称:ワカドクロ)を観たのが初めてです。観ていてこんなにも自分がのめり込んで観る舞台はなかったと思います。舞台のストーリーを観ているのではなく、その舞台の世界にいるような感覚に陥り、登場人物と一緒に「生きている」ようでした。もちろん他の舞台でもそういう感覚になることはありますが、他の舞台は「客観的に舞台を観ている」、新感線の舞台は「その世界の中で自分が生きている」という感じを受けたんです。
高杉真宙
高杉真宙

ーーそんな強烈な刺激を受けた劇団☆新感線の舞台『メタルマクベス』に出演する事になりましたが、最初にオファーを受けた時のお気持ちは?

想像ができなかった、というのが正直な感想ですね。これまでは趣味で新感線の舞台を観劇してきたので「観客の一人が新感線に入る」という感覚に近いかもしれないです。新感線の舞台に出演した方とお会いした時、「どうでしたか?」と聞いても皆さん「大変だよ~」としか言わないんですよ。どう大変かが聞きたいのに(笑)。その言葉のせいで、ただでさえ緊張しているのに稽古が始まる前から相当ビビッてました。

ーー今、絶賛稽古中ですが、出演者として高杉さんが感じている本作の魅力、また稽古をしていて楽しくて仕方がない事はなんですか?

元々はちゃんとした(笑)シェイクスピアの作品なのに、そこに宮藤官九郎さんといのうえひでのりさんのメタルとスパイスが足されることでこんなに面白くなるんだ! と日々感じています。僕が演じるレスポールJr.も殺人疑惑をかけられる前半と、復讐に燃える後半で大きく変化する、そこが楽しいですね。
芝居の中で「キメ」をやるのも楽しいです。ここでキメて、次はここでまたキメて……「かぶく」という表現が近いかも。アクションも久しぶりにものすごい汗をかきながらやっています。

高杉真宙
高杉真宙

アクション監督の川原正嗣さんは、立ち振る舞いがキレイなんです。それこそ先ほど言った「キメ」が美しいんです。見せ方、歩き方、その一つひとつ踏みしめる足がそもそも違うんですよ。殺陣に関しては滞空時間が他の人と違うんじゃないかって(笑)。今、必死に学んでいるところです。

ーーいのうえひでのりさんの演出を受けてみた感想は?

“あの”いのうえさんの演出を受けられるんだ、という喜びでいっぱいです。僕は「もう一回(やってみて)」って演出家の方に言われるのが好きなんです。もちろん大変な時もあるけれど、もう一回出来るんだという気持ちになれる。それは舞台に限らず映像の仕事でも同じように感じます。稽古では、いのうえさんが僕の動きを付けてくださるんですが、その動きがどういう心の動きを伴っているのか、それを考えるのが面白くもあり難しくもあり。ここに階段があってそこに片方の足をかけると、自分が不安定に見えないから、とか。自分でも考えて稽古に臨んでいますが、いのうえさんから声をかけられる内容は「確かに!」と思うことばかり。自分が舞台に立った時に自然とレスポールJr.としての動きができてそこにいられるようにしていただいていますし、会得したいです。

あと、過去の出演者の方々が口にしていた「大変だよ~」の意味も、少しずつ分かってきました。広い円形の客席の周りを囲うステージを使った舞台というだけじゃないんです。台詞一言一言の「熱量」が違うなって。新感線の稽古場で、たった一言台詞を吐くだけでなんだかものすごく汗をかくんです。僕だけじゃなく、出演者も、スタッフさんも皆がひとシーン、ひと台詞に、その一瞬に何かを賭けているんです。


ーー同じレスポールJr.を演じたdisc1の松下優也さん、disc2の原嘉孝さん(宇宙Six/ジャニーズJr.)は、共に普段から歌って踊っているお二人です。お二人とは異なるキャリアで本作に臨む高杉さんは、今どのように役を作っていこうとしていますか?

disc2は劇場で、disc1は生で観ることができなかったので、資料映像を観ました。お二人の演技と歌とダンス、素晴らしいと思いました。原さんが演じるレスポールJr.は本当に華やかで、自分も演じる役なんですが僕はこんな風にはできないと感じました。だから自分の想像を膨らまし、稽古を重ねてレスポールJr.を作っていきたい、と思っています。ただ、disc3はこれまでのものとはまた異なるそうですし、いのうえさんも僕の個性を見ながら役をつけてくださっているから、全然違うレスポールJr.になるようです。僕自身はもちろん他のレスポールJr.と比べられるので緊張はしていますが、あまり深く考えず、今のレスポールJr.を見つめながらやっていきたいと思います。

ちなみにもう一つの役、1980年代の元きよしは、disc1でもdisc2でも、初演でもない新しい元きよしになります(笑)。あの場面の稽古で喉が枯れてしまいました。その理由は是非本番を楽しみにしてください!
高杉真宙
高杉真宙

ーー何故元きよし役で高杉さんの喉が枯れてしまうんですか!?(笑)。何をしてるのか、本当に気になります! さて、高杉さんから見たランダムスター夫妻、浦井健治さんと長澤まさみさんはいかがでしょうか?

浦井さんは初めてお仕事をするんですが、長澤さんはこれが3回目。お二人がdisc3を引っ張ってくださっています。浦井さんはいつも何時に稽古場に入られているんだろう、って思うくらい誰よりも早く来ていますし、長澤さんもしっかり発声練習をされています。言葉で表現するのが難しいんですが、disc1、disc2の夫妻の関係性とはまた違う夫婦が作られているように思います。

僕、浦井さんが歌う楽曲の中で特に「自問・シャウト・自答」が大好きで、ずっと聴いているんです。以前、「浦井さんはその役によって歌い方が変わり、別人のようになる」と聞いた事があるんですが、今それを間近で見る事が出来ているんです! 普段の浦井さんともまた違うし、浦井さんが軽く口ずさんでいる歌を聴いているだけでも僕は幸せになれるんです。長澤まさみさんと二人で歌う曲もあるんですが、それも素敵なんですよ。稽古中の歌声は僕にとって「癒し」のような存在になっています。

ーー最後に、楽しみにしているお客様に一言お願いします。

純粋に観て楽しめる作品だと思います。そのなかにランダムスターの裏切りや復讐といった否が応でも盛り上がる展開があり、それでいてものすごくド派手。照明も音響も! 舞台上で生バンドが演奏してくださるんですよ。それを観て、聴いて……身体ごと楽しめる作品だと思うので、是非劇場で僕らの熱量を感じてほしいです。僕個人としては、disc1、2からバトンを受け取って、僕らしい何かを表現できたらと思います。
高杉真宙
高杉真宙

取材・文=こむらさき 撮影=福岡諒祠

あなたにおすすめ