はあちゅう事実婚、“夫婦インスタ”で「エゴサーチがかなり減りました」

女子SPA!

2018/11/8 08:46



【はあちゅうインタビュー 後編】

作家のはあちゅうさんが、夫であるAV男優のしみけんさんとの日々を可愛い猿のイラストで綴るインスタアカウント「旦那観察日記」が多くの女性から共感を集めています。

インスタを始めたきっかけについて語ったインタビューの前編に続き、後編となる今回は、事実婚、そしてインスタを機に、はあちゅうさんとしみけんさんに起きている変化について聞きました。

◆熱量を注いだものは、必ず人の目に止まる

――noteの「月刊はあちゅう」では、「1カ月で人生はガラッと変わってしまうことがある」と発信されていましたが、「旦那観察日記」は開始から1カ月で書籍のオファーが殺到し、インスタを転載しているアメブロでも総合10位内に入るなど、まさにそれを体現していますね。

はあちゅう:そうですね。だって、今までの人生で「絵がうまいね」なんて言われたことはなかったんですよ。それがこうやってさらけ出したことで、会う人会う人みんな褒めてくれて。どんなことでも堂々と情熱を見せつければ、「この人は今これに打ち込んでいるんだ」と人が認識してくれる。そうするといい循環が生まれると思います。

――はあちゅうさんはこれまでブログの有料化やサロンの運営などコンテンツをマネタイズしてこられたと思うんですが、「旦那観察日記」についてもそれを想定していましたか?

はあちゅうさん(以下、はあちゅう):私は自身が発信するコンテンツのマネタイズについて、すごく誤解されていると思うんです。というのは、私は最初からお金を儲けようとしていろいろな活動をしているわけではなく、毎回「やりたいこと」が先にあって、そこに労力を注いでいるうちに最終的にお金に結びついているんです。

でも、みんなの目に届くときにはすでにお金になっている状態なことがほとんどなので、「またはあちゅうがお金儲けのコンテンツはじめたみたいだぞ」みたいに炎上したりするんですけど……。

――はあちゅうさんの名が世に知れるきっかけになった大学時代のブログも、まさに「やりたいこと」が先にありましたよね。

はあちゅう:そうですね。ただ今回の「旦那観察日記」については、これまでとちょっと違った道を進んでいるなという感覚があります。まず、インスタグラムというプラットフォーム自体が、想像以上にクリーンな場所であることが一つ。だってこんなにのろけた内容なのに、Twitterみたいに嫌なコメントがほとんどつかないんですもん(笑)。

もう一つが、「好きなことがお金になっていく過程」をすごく短期間で、しかもリアルタイムでみんなに見てもらえたことですね。「コツコツ投稿していたら、出版社から出版オファーが来たんだよ!」っていう段階から報告できているので。

――確かに、そういう点ではこれまでのはあちゅうさんのコンテンツとは毛色が違う気がします。

はあちゅう:熱量を注ぎ込んで夢中になってアウトプットしたものは、最終的にマネタイズできる可能性があると思うんです。今回の場合、最初にイラストを出してみた。褒められた。嬉しくなってもっと出してみた。そうしたらドカッと反響がきた。だから死ぬほどやり込んだ。他の活動の時間を食っても、寝不足でも、描きまくった。それが結実して、出版社からのオファーがきたり、アメブロの公式になったり、取材の依頼をいただけたりしたわけです。

世の中には実績を出す前の段階からお金を求めようとする人が結構多いな、と感じるんですけど、それはすごく会社員的な発想だなと思います。やっぱり先行投資って絶対必要だと思う。

◆結婚は価値観をアップデートしてくれるもの

――「旦那観察日記」で、はあちゅうさんがしみけんさんによって“価値観が崩壊する”場面がいくつも描かれていますが、それがお二人の距離を近づけていますよね。結婚というものも、二人の人間がこれまでの価値観を壊し合う儀式みたいなものかもしれないな、と思ったり……。

はあちゅう:崩壊まではいかないですけど、やっぱり結婚って価値観をアップデートしてくれるものだなあと日々感じています。赤の他人と暮らしていくことは、それまで自分が飲み込まずに来た嫌なことも、ぐっと飲み込まなくちゃいけないことがある。でもそういう時に人って大きく成長できるから。

もちろんそれがないと成長できないわけではないけれど、強制的に相手に向き合わなきゃいけない状況は、今までになかった自分を発見するチャンスにはなるかなと。

――結婚を機に、しみけんさんにも変化はありましたか?

はあちゅう:内面についてではないんですけど、事実婚を発表した時、「anan」のインタビューに芸能人に混ざって夫婦で登場したり、朝の情報番組で事実婚について大きく特集を組んでもらったりしたんですが、それってすごい変化だなと思ったんです。これまで彼の出る雑誌は裏モノみたいなのばっかりだったのに、一気に「anan」、ましてや朝のキー局の情報番組で「AV男優」として取り上げられるなんて、すごいことだなって。

――しみけんさんのメディアでの取り上げられ方、世間の見方が変わった、と。

はあちゅう:そうですね。彼は「AV男優」という側面の他にも、クイズ、筋トレ、ダンスとか、いろんな引き出しを持っているんです。そういう面も、私の発信では届けていきたいなーと思っています。彼は「地下クイズ王」の称号を持っているんですが、ある時ふと、「お前は地上で、俺は地下だなあ」とこぼしたことがあります。

確かに、お互いに出るメディアの属性が今までは違ったので……。結婚を機に少しずつ地下と地上が混じり合うような活動ができていったら面白いと思っています。私はどちらの世界も好きなので。

◆結婚で呪縛から解き放たれた

――理解が深まりつつある一方で、心ない誹謗中傷もたまに目にします。それに対して、お二人はどんな風に対処されていますか?

はあちゅう:彼は批判されるのも当たり前だと諦めています。「わからない奴とは付き合わなくていい」って。でも私は諦められないんです。彼のいる世界を遠くに感じている人たちにも届いて欲しいという未練があって。じわじわとでも、職業としての彼だけではなく、人としての彼を知ってもらえるチャンスをつくって、その未練を成仏させていきたいです。

あと、結婚してから過剰なエゴサーチをして自ら傷つきに行くことが少なくなりました(笑)。事実婚を発表した時、いくつものお祝いコメントをいただいたんですけど、なかにはネガティブなコメントもあって。そういうものを見て暗い気持ちになって、追い詰められたあげく炎上するようなことをツイートしてしまったこともありました。でもそれって、祝福してくれた人に対してすごく失礼だし申し訳なかったな、と後で気づいたんです。そもそも、「嫌なものに対して過剰に反応してしまう」という自分の性質は変えられないから、それなら見るのをやめよう、と。14年間続けてきたエゴサーチをかなり減らしました。

――それは、はあちゅうさんにとってかなり大きな変化なのでは?

はあちゅう:そうですね。それに、フォロワー数に対しての、アンチの数も実はそんなに多くないな、ということに最近気づきました。おそらく数100人くらいのアンチのためにずっと振り回されてきたんだな、って。常に自分の周りは敵ばかりだと思ってきたけど、現実をちゃんと見てみればそんなことはなかった。最近ずいぶん楽になりました。気づくのが遅すぎるんですけどね(苦笑)。

【はあちゅう プロフィール】

ブロガー・作家。「ネット時代の新たな作家」をスローガンに読者と直接つながって言葉を届ける未来の作家の形を摸索中。著書に『とにかくウツなOLの、人生を変える1か月』『半径5メートルの野望』『婚活っていうこの無理ゲーよ』など。インスタグラム・ツイッター:@ha_chu 旦那観察日記:@mofu_everyday

<文/波多野友子 写真/山田耕司>

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