青春に学校内裁判!? いろいろあるぞ!学校が舞台の映画5選

11月は多くの学校が学園祭で盛り上がる時期だ。数ある学校行事の中でも、特に学園祭はテンションの上がるイベントといえよう。学校で生活していると、部活にサークル、学級会や恋愛、いろいろな出来事が起こる。ところで、学校を舞台にした映画といえば、みなさんは何を思い浮かべるだろうか。今回は弁護士であり映画評論家でもある坂和総合法律事務所の所長、坂和章平さんに、学校が舞台のさまざまなテーマの映画を紹介してもらった。

■『サマータイムマシーン・ブルース』

最初に紹介してもらったのは『踊る大捜査線』シリーズで有名な、本広克行監督の作品だ。

「この映画は劇団『ヨーロッパ企画』の演劇として2001年8月に初演された作品を、本広監督が観て気に入り映画化したものです。ミュージカルが映画化されたものには、『サウンド・オブ・ミュージック』や『マイ・フェア・レディ』などがありますが、この作品はちょっと変わった『演劇風映画』です。SF研究会の個性的な5人の男子学生とカメラクラブの2人の女子学生が昨日と今日の間のタイムトラベルをひたすら繰り広げます。ストーリー中にたくさんの伏線が敷かれており、『パズル解きの楽しさ』や『辻褄合わせの妙』が詰まった作品となっています」(坂和さん)

テンポのよいストーリー展開と複雑なタイムパラドックス理論が混然一体となっているところが面白い。

■『九月に降る風』

次は、約20年前の台湾を舞台とした青春群像劇だ。

「1996年の夏、台湾郊外の街新竹市で多感な高校時代を過ごす7人の男の子と2人の女の子の織りなす物語です。プロ野球選手の追っかけをしたり、夜中にプールに飛び込んだり、まさに青春といった描写が随所に見られます。作品の中には面白いエピソードがテンコ盛りなのですが、特にストーリーの核となるイェンとタンの確執に注目です。また、この時代を象徴するアイテムとして『ポケベル』が登場、主人公グループが連絡しあう姿を見ていると、タイムスリップしたような感覚さえあります」(坂和さん)

ポケベル世代には懐かしい。当時の思い出がフラッシュバックしてくることだろう。

■『コッホ先生と僕らの革命』

海外版『3年B組金八先生』ともいえる作品だ。

「1870年代帝政ドイツの時代に、仮想敵国イギリスのスポーツであるサッカーをドイツ名門校の生徒たちに導入したコンラート・コッホの実録ドラマ映画です。秩序、規律、服従の反対語である『自由』の導入によって、帝政ドイツの教育界に激震が走ることになります。『3年B組金八先生』に代表される学園ドラマのような展開の中、クライマックスでの感動をぜひ体感してもらいたいです」(坂和さん)

サッカーを通じて形成される先生と生徒たちとの信頼関係や、生徒たち相互の団結、絆の強まりは学園ものの醍醐味である。

■『ぼくたちのムッシュ・ラザール』

次の作品は、なんと小学校の担任教師が教室で首つり自殺をするという事件にまつわる作品だ。

「担任教師の自殺というショッキングな出来事の中で揺れ動く生徒たちと、ムッシュ・ラザールとの心の交流が描かれています。中盤に登場する一枚の写真をきっかけに、物語は急加速していきます。担任教師の死について生徒たちが重い口を開いていくにつれ、静かにクライマックスが訪れます。死んだ教師と生徒の関係やムッシュ・ラザールの素性、学校側の対応といったさまざまな要素が絡み合い、見る人に大きな感動を呼ぶことでしょう」(坂和さん)

クラスで発言するのも勇気がいることだが、担任の自殺について話すのはなおさらだろう。

■『ソロモンの偽証 前篇・事件』

最後は、宮部みゆきの集大成とも名高い長編小説『ソロモンの偽証』を成島出監督が映画化したものだ。

「14歳の少年少女たちによる『学校内裁判』がテーマの作品です。1990年のクリスマス未明、中学校の校内で生徒が屋上から転落死亡する事件が発生。動揺が収まらない中、『柏木卓也は自殺ではない。2年A組の大出俊次(清水尋也)たち3人組に屋上から突き落とされた』と書かれた『告発状』が届いたところから事態は大きく動いていくことになります。学校側は及び腰でなかなか動こうとしないため、第一発見者のクラス委員が学校内裁判を決意。仲間とともに自分たちだけで、真実をつかもうというわけです」(坂和さん)

前編は裁判の準備に終始しているので、後編では裁判の結末を見てもらいたい。

学校を舞台にした作品でも、青春や影の部分などさまざまなテーマの作品が揃っており、それだけ学校は私たちにとって身近で、多くのテーマや物語があふれている場所である。学生時代を思い出しながら、今回紹介した作品を楽しんではいかがか。

●専門家プロフィール:坂和 章平(さかわ しょうへい)
坂和総合法律事務所の所長。弁護士としての活躍だけでなく、映画評論家との2足のわらじを履く経歴を持つ。著書に、『実況中継 まちづくりの法と政策』(日本評論社)、SHOW-HEYシネマルーム1~41』など多数。

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