吉岡里帆への執拗なバッシングと、11歳から水着グラビアをしてきた紗綾の告白がリンクする

wezzy

2018/11/8 06:15


 元グラビアタレントの紗綾(24)が、今年9月に水着グラビアから引退した。今後はかねてより希望していた女優の道に進むという。わずか11歳でジュニアアイドルとしてビキニを身につけ「奇跡のFカップ巨乳小学生」として売り出された紗綾は、思春期を通してグラビア活動を続け、これまで数多の週刊誌で表紙を飾り、水着のイメージビデオをリリースしてきた。

紗綾は、14年間もその身を置いたグラビアを引退する心境について、「FLASH」(光文社)ウェブ媒体のインタビューで次のように語っていた。<各作品は私の心と体の成長記録のようで、とても感慨深いです。(略)グラビアのお仕事も楽しいのですが、私には「役者としてもっと映画やドラマのお仕事をしたい」という夢があり、今もその夢に向かって走り続けています。>(「smart FLASH」より引用)

しかし、11月4日に放送された『二軒目どうする?~ツマミのハナシ~』(テレビ東京系)では、ゲスト出演した紗綾がかつてのグラビア仕事について率直な本音を漏らす一幕があった。

都内の居酒屋でお酒をたしなみつつトークを展開する同番組で、MCの博多大吉(47)が、「紗綾ちゃんて、小さいころからグラビアやってない?」と話を振った。紗綾は「当時はジュニアアイドルブームがあって。今は法律に引っかかっちゃうんですけど」と、説明。TOKIOの松岡昌宏(41)が、「俗にいう児童ポルノだね?」と切り返すと、紗綾は「その当時はまだ法律がしっかりなかったので」と答えた。

松岡が「昔(ジュニアアイドル当時)を振り返ってどうだった? 楽しかった?」と聞いたところ、紗綾は「全然楽しくなかったですね。嫌でしたね」とキッパリ。また、「東京に来てお仕事するたびに、なんか、大人の人たちに言われるがままに仕事してたみたいな」と、当時の状況を振り返った。松岡が「よくちゃんと育ったね。汚いところいっぱい見たね」と慰めると、紗綾は「見ました」と肯定し、苦笑いを浮かべるようだった。

紗綾の当時の状況を鑑みるに、まだ物事の分別もつかない子どもが、多数の大人の前で肌をさらし、肢体を撮影されるというのは、恐怖にも似た状況ではないか。まだ子どもだった紗綾が自らの意思でグラビア仕事に臨んでいたわけではないことは明白で、仕事を断れる立場にあったはずもない。その一方で、自分の身体が性的な用途に使われるというのは、察しがつくだろう。複雑な思いを抱えていたであろうことは想像に難くない。
吉岡里帆の「脱ぎたくなかった」には執拗なバッシング
 女優・吉岡里帆(25)も、かつて受けていたグラビア仕事を「選んだものではなかった」と、告白している。

吉岡里帆は2017年10月、女性向けウェブサイト『She is』における対談記事のなかで、グラビアで着用していた水着の「紐の細さがすばらしい」という話を振られ、<私は水着姿なんて絶対出したくなかったし、両親からも、「本当に結婚するような人にしか見せちゃだめ」という教育を受けてきたから>と、当時の気持ちを赤裸々に語った。

また、<人は、脱いだ人を「脱いでる人が芝居している」って見るんですよ。脱がない人のことは、はじめから「この人は芝居する人なんだ」という目で見ます>と、グラビアから女優に転向したことへの葛藤も吐露した。

吉岡の発言は女性の意見としてじつに率直なものだが、ネットでは「グラビアが嫌だった」という一部が切り取られて拡散されてしまい、「吉岡里帆がグラビアを馬鹿にしている」「女優として成功したからって調子に乗るな」などと、理不尽なバッシングが巻き起こってしまった。

この騒動のあと、吉岡里帆は『文春オンライン』のインタビューで、<初めは戸惑いもあったけれど、グラビアの仕事ができて、今思うとすごく感謝してて、この仕事をしてる人たちにリスペクトがあるという話をしたのに、『嫌だった』ということばっかりバーッと書かれてしまって。こうやって知らない間に違う情報が流れてくんだと、ほんとにショックでした>と、フォローしている。

また、2017年に発売された『吉岡里帆コンセプトフォトブック 13notes#』(東京ニュース通信社)では、グラビア時代を<お仕事を選り好みする立場になかったですし、何か結果を出さないと、という気持ちがあったんですけど、グラビアで評価されるほど、お芝居から離れていってしまうのではないか>と、振り返っている。

そもそも元の記事をきちんと読めば、吉岡がグラビアの仕事を馬鹿にするような意図を含んでいたと解釈することはできない。彼女の<水着姿なんて絶対出したくなかった>という言葉は、水着姿のグラビアが世間にリリースされた結果、どうなるか予想していたからこそだ。結果、上記のようにバッシングされ、「また脱げよ」「身体だけはいいのに」といった誹謗中傷が日々ネットに書き込まれている。彼女をそういう目で見る人たちがいることこそ問題なのに、彼らは彼女の側に問題があるかのように叩き続けている。

売れるための「我慢」として性的存在になる慣習
 吉岡里帆の<仕事を選べる立場になかった>という発言を汲めば、芸能界で立場の弱い駆け出しのタレントは、嫌な仕事も引き受けなければ<結果を出せない>ということだろう。女性タレントの売り出し計画で、“女性の肉体”を武器にして男性ファンを獲得するやり方は、今でも芸能界の王道だ。「可愛くてエロいから好きになる」という心理は確かに存在する。

もちろん、自らの希望でグラビア仕事に就くタレントもいるだろう。水着で肉体を誇示したい、セクシービデオをリリースしたい、エッチな仕事がしたいという女性もいるし、それは何ら謗りを受けることではない。

しかし他方で、自らの意思は関係なく夢のために我慢して肌を晒すタレントも、どれほど大勢いるのだろう。ほとんどの女優が、若い時分に水着や下着のセクシーグラビアを撮影している。

吉岡の発言からは、芸能界で「売れるため」に強いられる犠牲の実態を伺い知れる。これは、冒頭で紹介した紗綾の例にも通じることだろう。犠牲になったのは彼女たちの尊厳だ。そのうえ、いつまでも「脱いでたくせに」「脱がなきゃ価値なし」等と貶められるのだから、理不尽このうえない。

夢を実現させるためならば、嫌なことも我慢してやらなければならない、という根性論は芸能界のみならず、世に溢れるものだ。しかし、タレント本人の意思にかかわらず、あからさまに性的な存在として肌を晒すことが「芸能界では当然の慣習」でいいのだろうか。

(今いくわ)

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