カスピ海ヨーグルト、タピオカ、紅茶キノコ…なぜ今?平成の終わりに“再ブーム”中の食品

Walkerplus

2018/11/7 17:00

時代を振り返る時、さまざまな出来事とともに思い出されるのが、その年ごとのブーム。中でも食品は、思い出の味として特に印象深く残っているものだ。今回は、平成という元号が終わりに近づく中、“再ブーム”を迎えている食品をクローズアップ。一世を風靡したヒット食品がなぜ今改めて注目されているのか、その理由を追った。

■ “手軽に手作り”で大ブームとなった「カスピ海ヨーグルト」

2002年頃に第1次ブームを迎えた「カスピ海ヨーグルト」。武庫川女子大学国際健康開発研究所所長の家森幸男博士が、長寿地域として知られるコーカサス地方のジョージアから持ち帰ったヨーグルトが起源で、ねばり気があり、酸味が少なくまろやかな味わいが特徴だ。このヨーグルトから作り上げたカスピ海ヨーグルト種菌が、手軽にヨーグルトを手作りできるとクチコミで広まり、大きな話題を呼んだ。

その後、全国のスーパーで手に入るようになったカスピ海ヨーグルトだが、2012年頃より再び売り上げが右肩上がりに。カスピ海ヨーグルトではトップシェアを誇るフジッコでは、カスピ海ヨーグルト事業の売り上げが2012年から2017年の間に売り上げが約2.4倍にアップするなど、第2次カスピ海ヨーグルトブームと呼ぶべき好調を示している。

フジッコのカスピ海ヨーグルトブランドマネージャーの田口氏は、再ブームの要因に近年の健康志向を受け機能性ヨーグルトの市場が大きく伸長したことを挙げる。

「2012年ごろよりメディアで機能性ヨーグルトが紹介されたことで注目を集め、その影響でヨーグルトの種類も増え、お客様もヨーグルトの特長、菌や機能で選ぶようになりました。弊社のカスピ海ヨーグルトについては、一般的なヨーグルトにはない独自のねばりと、酸味の少ない味わいが改めてお客様に評価されていると考えています」(田口氏)

フジッコでは、味わい以外の部分にも着目し、2015年に健康を意識するお客様をターゲットに脂肪ゼロタイプのカスピ海ヨーグルトを発売するほか、牛乳を加えるだけで家庭で簡単に手作りできる種菌セットも引き続き販売。こちらも好評を博しているという。

■ 台湾の茶専門店が続々来日で再ブーム到来の「タピオカ」

タピオカとは、芋の一種であるキャッサバの根茎から製造したでんぷんのことだが、日本では一般的にそのタピオカを小さな球状に丸めた「タピオカパール」が主にタピオカと呼ばれている。そのタピオカパール入りのドリンクが1990年代に日本で一大ブームを迎えた。

そのタピオカが日本で再ブームの兆しを見せたのは2013年頃。同年に台湾のティースタンド「春水堂」が代官山に日本初出店を果たしたのがきっかけだ。その春水堂の看板メニューが、台湾でも国民的な支持を受ける「タピオカミルクティー」。もちもちのタピオカの食感と香り高い紅茶をブレンドしたタピオカミルクティーが女性を中心に支持を集め、日本でもタピオカが再び脚光を浴びることとなった。

再ブームの要因について、春水堂を運営するオアシスティーラウンジの本田氏は「中国茶などを提供する茶専門店が日本進出し、ハイレベルな市場となったからではないか」と話す。

「台湾において、“コーヒーのカフェ”と“お茶のカフェ”は明確に位置づけが異なります。これはお茶の文化が台湾では非常に深く根付いているためです。春水堂をはじめ、ゴンチャ、ジ・アレイ、一芳といったタピオカドリンクを提供する中国茶専門店が日本に相次いで出店し、国内でもレベルの高い競争が起きています。その結果、お客様が各ブランドを飲み比べ、それぞれの特徴を楽しめるようになりました」(本田氏)

成熟した茶専門店市場に注目が集まることが、各ブランドが押し出すタピオカドリンクが愛飲されることに繋がっていると分析している。

最近では、台湾の茶文化と日本の食文化が融合したメニューも展開されている。春水堂が秋季限定で販売している「タピオカほうじ茶ミルク」は、日本のお茶文化の中で生まれたほうじ茶を取り入れたティードリンクで、日本オリジナルのメニュー。「秋の定番となったほうじ茶とタピオカの組み合わせはどうなんだろうと、好奇心をもってトライしていただいています」と好評で、1日に150杯販売するほど人気のある商品だという。

■ 1970年に流行した紅茶キノコが「コンブチャ」として再注目

紅茶キノコは、1970年代に健康食品として一世を風靡した発酵飲料。紅茶や緑茶に砂糖を加え、その中に酢酸菌や酵母由来から生まれた「スコビー」と呼ばれる菌株を漬け込むことで作り、フルーティーな酸味と爽やかな微炭酸が感じられる独特の味が特徴だ。乳酸菌や酵素による整腸作用により免疫力アップ、肌荒れなど効果が期待されるとして人気を集めたが、自家製の紅茶キノコにはカビが生えるなど衛生管理に問題が多く発生し、やがてブームは衰退していった。

一方、アメリカをはじめとする欧米諸国では、この紅茶キノコが「KOMBUCHA(コンブチャ)」と名を変え、モデルや女優が愛飲するなど美容・健康飲料として定着。2010年代初頭から日本でも“逆輸入”の形で再注目されるようになった。現在、国内でコンブチャを製造・販売している大泉工場も、同社の大泉寛太郎社長がロサンゼルスのグローサリーストアで販売されているコンブチャに目をつけたことが事業展開のきっかけだった。

大泉工場の広報担当を務める林氏は「発酵、腸活、菌活など、様々なワードが健康ブームの後押しをしています」と、再ブームは年々高まる健康志向が鍵となっていると見ている。

「健康に対しての感度の高い消費者、美容に関心のある消費者などが関心を持っていて、スポーツ、特にヨガをされている方への認知度は高いです。昔の紅茶キノコは『美味しくない』『スコビーの形が気持ち悪い』というイメージが先行していましたが、現在は、発酵飲料で乳酸菌や酢酸菌など整腸作用があり、健康によいというイメージが先行している流れがあります」と林氏は話す。同社店舗では、30代男女を中心に20~60代と幅広い層がリピーターとして定着しているという。

大泉工場のコンブチャ専門店「大泉工場NISHIAZABU」では、オリジナルのコンブチャをはじめフレーバーつきのコンブチャを展開するなど味の面でも進化を遂げている。

「京都府宇治市の有機茶葉を使用し、全てオーガニックにこだわっています。また、弊社のコンブチャは、洋梨のような味わいのあるフルーティーで飲みやすいのが特徴です」(林氏)

さらには「KOMBUCHA SHIP」というブランド名で、都内の飲食店を中心にコンブチャの展開もスタートしている。

健康への意識の高まりや味の多様性が広がることで再び注目を集めることとなった再ブーム食品。次の時代には、ブームではなく“不動の定番食品”になっているかもしれない。(東京ウォーカー(全国版)・国分洋平)

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