マッチングアプリで交際・結婚を決めた人たちへの偏見。上司は失笑、母には泣かれ…

日刊SPA!

2018/11/7 15:54



「マッチングアプリ」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。現代の若者たちにとっては、もはや“普通”の出会い方。交際につながり、結婚する人も増えてきた。とはいえ、30代以上にとっては、出会い系、不倫の温床などと考える人も多いかもしれない。

そんな世代間の感覚差から、たとえ真剣に付き合っていても社内や家族に相手を紹介する際、嫌な思いをしてしまうこともある。

◆マッチングアプリで彼女と知り合い結婚を決めたが…

都内在住の会社員男性・鈴木潤一郎さん(20代・仮名)は、社内の同期が次々と結婚していく中、唯一の独身だったが、この秋ついに結婚を決めることができた。

「うちは小さな会社ですので結婚披露宴には社長や専務も呼ぶことになります。まず先輩や上司に報告しました。すると、式の前に盛大に祝ってやると言われ。そこまではよかったのですが……」

お祝いの飲み会で、鈴木さんの上司が言い放った言葉に、それまでの和やかな雰囲気は一気に吹き飛んだ。

「婚約者とは、マッチングアプリで知り合いました。30代以上の方に言うとけっこう驚かれるのですが、僕のまわりではマッチングアプリがきっかけで付き合ったり結婚したりするのは、そんなに珍しいことじゃないんです。なのに……」

鈴木さんと婚約者の馴れ初めを聞いた上司は「なんだそりゃ? 出会い系で結婚したのか?」とすっとんきょうな声を上げると、大笑いした。それに釣られるように、30代後半以上の上司たちからは失笑が漏れだしたのである。

「出会い系の女と結婚したのか?と言われて、悲しいというか腹立つというか、そんなにダメなことなのかと悲しい気持ちになりました。30代の上司からは『ナンパのほうが健全』と言われ、50代の上司などは『やはりお見合いを復活させるべき』などと言い出す。もう僕を祝ってくれるような感じじゃなくなりました。結婚式にこういう人たちを呼びたくない、と思いました」

結局、鈴木さんは予定していた披露宴は取りやめにし、飲食店を貸し切って仲間内だけでパーティーをやることにしたそうだ。

◆中高年に根強く残る負の“出会い系”イメージ

都内在住の派遣社員女性・美麗さん(20代・仮名)も、結婚を考えている彼氏を親に紹介しようとした際、出会いが「マッチングアプリ」だと話したところ、両親から猛反対を受けたという。

「親に『アプリで知り合った』と言ってもピンとこないようだったので『ネットで知り合った』と説明すると、父親は怒りだし、母親は泣きだしました。『そんな出会い方があるか!』と怒鳴られ、親族にまで話が伝わり『あの子は気の毒』とか『ネット中毒』なんて言われて。年配世代と私たちの感覚がここまで違うのかと驚きました」

たしかに、30代の筆者からしても「マッチングアプリ」と聞けば、思い起こすのは「出会い系サイト」だ。援助交際や不倫の温床と呼ばれ、女性にメッセージを送る場合には一通につき何百円もかかり、その女性がサクラの可能性も大いにある。そんなインチキで怪しい場所で知り合える異性など、まともであるはずがない……。こう思う中高年はいるだろうし、理解してもらうのは難しいのかもしれない。

美麗さんは、現在も彼氏と交際こそ続けているが、両親や親族の反応から「結婚は無理なのではないか……」と悩んでいる最中とのことだ。

◆若者たちにとっては“普通”の出会いツール

現代の10代、20代にとってマッチングアプリの存在とは。何も男女の仲となるべき異性との出会いを求めるだけのツールではないらしい。現役の慶應義塾大2年生・優里亜さん(仮名・20代)がこう話す。

「自分がいるエリアに近い人を探せるマッチングアプリの機能を使って、大学内で知り合いになった異性の友達、同性の友達は少なくないですよ。ぜんぜん普通のことです。慶應だけじゃなく、青学(青山学院)や上智の友達も、同じようにしてマッチングアプリを使って友達を探してます。いやらしい気持ち? そんなのあるわけないです(笑)。むしろ、初対面の時に相手の趣味などを知っていれば、会話も弾むじゃないですか。ナンパやお見合いのほうがよっぽどムリ!」

若者の間にマッチングアプリが浸透し、今では中高年の利用者も年々増えているというが、やはり目立つのは「不倫」など、秘めた感情を発散させたいという人々だ。この件についても、優里亜さんは辛らつに分析する。

「マッチングアプリがいやらしい、って思うほうがいやらしくないですか(笑)。うちらはそういう使い方はしていないのに。そういう使い方しか思い浮かばないということは、あなたたちがそういう使い方をしようとしていることの裏返し。実際に、最近はヘンなおじさんから“ライク”つけられることが多くて、前より使い心地が悪くなったりしてるんですよ。中には『非日常的な恋をしたい』とか書いてる痛いおばさんもいる」

ともあれ、こうしたマッチングアプリに対する世代間ギャップが、真面目に交際している男女にも悲劇を生み出しつつあることは事実のようだ。<取材・文/森原ドンタコス>

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