田崎史郎にも“国会通行証”疑惑が浮上!? 時事通信やめたのに今も記者記章を所持し国会に出入り

リテラ

2018/11/7 14:58


 秋の臨時国会が始まって、テレビではまたぞろ、元時事通信社特別解説委員の政治ジャーナリスト・田崎史郎氏が、“安倍官邸PR”のようなコメントを展開している。

たとえば昨日6日の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)では、安倍政権が進める出入国管理及び難民認定法改正案をめぐる国会紛糾を解説。国会では、野党の追及に担当大臣が具体的な定義や条件をまったく示さないという、誰が見てもあきらかに拙速な状況にもかかわらず、田崎氏は「今苦しんでいる人がいる。人手不足や働いている人の待遇の問題も多々起きているわけですね」「移民という言葉に定義はない」などと、安倍首相と同じような言葉を並べ、この臨時国会での大枠成立を正当化していた。

「安倍政権の代弁者」との異名で呼ばれるだけあって“平常運転”としか言いようがないが、そんな田崎氏について、ちょっと気になることがあった。

それは昨日、『モーニングショー』の後に出演した『ひるおび!』(TBS)でのこと。番組では、片山さつき地方創生担当相の「100万円口利き疑惑」をめぐり、例の私設秘書の“国会通行証”問題が取り上げられた。国会のセキュリティは厳重で、通行証(記章)は誰でも入手できるものではないというスタジオトークのなか、司会の恵俊彰から「田崎さんに今日持ってきてもらってるんですよ。田崎さん(国会に)出入りしてますから」と振られた田崎氏は、自分の記者用の議院記章(ピンバッジ)と帯用証(カード)とを披露。帯用証には田崎氏の顔写真とともに「時事通信社 田崎史郎」「2011/12/01」の文字があった。

これをセットで携帯していることで国会やその関連施設の内部での取材が許可されるのだが……って、いや、ちょっと待ってほしい。田崎サンってもう時事通信社を辞めてるんじゃなかったっけ?

実際、本サイトでも以前お伝えしたが、田崎氏は今年6月末をもって時事通信社の「特別解説委員」の肩書きを外し、以降はこの日も含めて「政治ジャーナリスト」を名乗っている。そう考えると、田崎氏は『ひるおび!』で「時事通信社」と記載された帯用証と記者記章をご自慢げに見せびらかしていたが、もしかして、特別解説委員じゃなくなった後も会社に返却せずに、勝手に所持しているということなのだろうか?

疑問に思って調べてみた。まず、国会の警務部に問い合わせたところ、帯用証は各社が加盟する国会記者会(記者クラブ)が管理し、社が記者会を脱退した場合は返却が求められるとのこと。また、記章は国会記者会が加盟各社に配分し、各社のなかで記者らに渡されるもので「取材人数を制限する目的」(記章担当者)もあるという。この二つが揃っていなければ、取材で国会を出入りすることはできない。

ようは、記者記章や帯用証は、限られた者だけが携帯できる特別な“通行証”なわけだが、それにしてもなぜ、時事通信を辞めたはずの田崎氏が「時事通信社」名義のシロモノを持っているのか。ここは時事通信に直接確認するしかない。

本サイトが6日午後、事実確認のため、時事通信社に田崎氏への記者記章や帯用証等を持たせていることについて質問したところ、同社社長室はこのようにコメントした。

「田崎氏は6月末で『時事通信社特別解説委員』の肩書きをやめられて以降も、国会帯用証を使用されていることにつきましては、社として返却を求めておりません。長年、政治関係の報道で当社に貢献されてきたことを勘案してのことです」

●田崎史郎の“記者証”使用は「便宜供与」と時事通信内部で問題になっていた

つまり、時事通信社は田崎氏のこれまでの功績を評価して、自社名義の記者記章や帯用証の使用を事実上認められているということらしいのだ。

たしかに、複数のマスコミ関係者に話を聞いたところ、記者記章や帯用証の扱いについては記者会に加盟する各社の裁量によって、フリーのジャーナリストや評論家等に対して貸与・提供することもあるようだ。しかしその場合、“通行証”を貸し出す報道機関のスタンスが問われるのは間違いない。

しかも、とりわけ田崎氏に関しては、露骨な“安倍政権寄り”のトークや、会社との関係が問題視されており、時事通信社の内部からも“記者証”の使用について「便宜供与」との指摘を受けていた。

事実、労組のひとつである「時事通信労働者委員会」がホームページで報告しているところによれば、労働者委は時事通信社に対して〈田崎氏に社の正式ポストである「解説委員」を上回るかのような「特別解説委員」なるポストを与え、国会記者会館での記者室の使用などの便宜供与をしてきた社の対応を問題視〉してきた(2018年7月5日団体交渉の報告より)。

また、労働者委は昨年7月19日の団体交渉でも、〈最近のテレビでの言論活動などを具体的に紹介し、目に余る田崎氏の権力べったりの姿勢は「時事通信の恥」だと批判〉し、〈国会記者会館のスペース使用や記者証などの便宜供与〉についても問題視。報告では「マスコミの役割は権力のチェックであり、政権にあまりにも近い会社だと言われることは報道機関として致命的だ」と強調している。

しかし、同労働者委によると、今年7月の団交で、大室真生社長は田崎氏との契約の打ち切り理由について「内規で定める満68歳に達したため」としたという。ようは「定年」という説明であり、各方面からの批判を重く受け止めて契約解除ではないというのだ。しかも、労働者委側から田崎氏のテレビなどでの言論についての考えを問われた大室社長は、「私が見ている時は問題なかった」などと釈明までしたらしい。

だいたい、今年6月まで田崎氏が名乗っていた「時事通信社特別解説委員」なる肩書きについても、報酬等はないが「会社が認めた者」に限って与えられるもので、田崎氏はその「第一号」だという。ようは、時事通信社が田崎氏を評価して与えた特別なイスだったとしか考えられないのだ。

そして今回、明らかになったように、時事通信社は労組から抗議を受けていたにも関わらず、あいかわらず田崎氏に国会の記者記章と帯用証を使用を許可していたわけである。

本サイトでは以前から田崎氏の“安倍政権PR”のごとき姿勢を批判するとともに、時事通信社の報道倫理を繰り返し問うてきたが、やはり、“政権とのパイプ役”である田崎氏を簡単に手放すつもりはないらしい。

いずれにしても、今後も時事通信社との関係も含めて、田崎氏の言動を注視し続ける必要がありそうだ。
(編集部)

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