女子中高生の神・池田エライザは「実は暗い」? 等身大演技に注目『ルームロンダリング』

wezzy

2018/11/7 02:15


 11月6日深夜25:28から放送を開始する池田エライザ主演の連続ドラマ『ルームロンダリング』(TBS系列)は、ひそかな注目作だ。このドラマは今夏公開され話題をよんだ映画『ルームロンダリング』の続編となる作品。深夜ドラマの後で映画化するパターンは数多いが、映画が先というパターンは珍しい。

『ルームロンダリング』では、女子中高生から「自撮りの神」と崇められ、圧倒的な人気を誇るカリスマモデル・池田エライザが、オーラを消し去って「こじらせ女子」に挑んでいる。

いわくつきの部屋から部屋へと引っ越しを繰り返す八雲御子(池田エライザ)の仕事は、叔父・雷士悟郎(オダギリジョー)が探してくるワケあり物件に住み込んで事故の履歴を帳消しにし、次の住人を迎えるまでにクリーンな空き部屋へと浄化(ロンダリング)すること。

それゆえか、彼女が行く先々で待ち受けていたのは、幽霊となって部屋に居座るこの世に未練たらたらな元住人たち。なぜか彼らの姿が見えてしまう御子は、そのお悩み相談に振り回されていく。そして、昔住み込んだ部屋のお隣りさんだった虹川亜樹人(伊藤健太郎)とのこじらせ同士の恋にもついに進展が…?
池田エライザはオーディションで監督の作品を「嫌い」と言った
 『ルームロンダリング』は、TSUTAYAが新たなクリエイターの発掘を目指してオリジナル企画を募集した、「TSUTAYA CREATORS PROGRAM FILM2015」で準グランプリのFilmarks賞を受賞した企画の映画化作品。ドラマ版はこの続編となり、監督は引き続き片桐健滋が務める。

片桐監督は、親しくしている廣木隆一監督より、池田が「世間のイメージと違って実は暗い」「雑誌で書評を書いている」という情報を入手していたそうで、性格が暗くてこじらせた御子役にピッタリだと安心感を抱いたようだ。実際に会う前から「暗いにちがいない」と考えオファーをしたという。

池田エライザは、2009年ファッション誌「ニコラ」の第13回ニコラモデルオーディションでグランプリを獲得、同年10月からモデルとしてデビューを果たした。2015年に園子温監督の映画『みんな!エスパーだよ!』のヒロインに抜擢され、体当たりの演技が注目を浴びる。

同映画への出演はオーディション採用だったが、園監督の過去作品の映画の感想を求められた時、素直に「嫌いです。血みどろだったりセックスだったり、でも最終的には家族の愛なんて、どんだけシャイなんだ」と回答したところ合格したという。この作品で大きな飛躍を遂げた彼女は、その後も『オオカミ少女と黒王子』(2016年5月公開)『ReLIFE リライフ』(2017年4月公開)など話題作の出演が続き、存在感の強い役柄を演じるようになる。

そして2017年、押見修造の漫画を実写化したドラマ『僕は麻里のなか』で複雑なトラウマを抱えるヒロイン・吉崎麻理役を熱演し、女優としてのキャリアを着実に積んでいく。同年11月には自身初の主演映画『一礼して、キス』が公開された。

「こじらせ女子」として挑んだ初の地味キャラ
 華やかな外見の影響からか、池田の過去の役柄はヤンキーやギャル、クラスの中心人物といった目立つ人物が多かった。だが今回の『ルームロンダリング』では今まで彼女が演じてきたキャラクターからほど遠い、友達も彼氏もいない「こじらせ女子」を演じている。

『ルームロンダリング』を紹介しているメディアの記事に、「正反対の御子を演じるのにかなりのギャップを感じたのではないか?」というような内容の質問が掲載されているのを目にするが、それはただの杞憂にすぎないだろう。片桐監督が「暗いに違いない」と確信したとおり、本来の池田は明るく活発ではなく、御子よりの性格なのだろうと思う。

モデルとしての活動が目立っていた数年前、朝の情報番組で池田エライザの特集コーナーが組まれたことがあった。キャスターに可愛い写真を撮るコツを伝授し、加えてコーディネートのプロデュースをするという内容だったのだが、キャスターからコーディネートの依頼をされた時、池田は「え?」というような不穏な表情を見せ、困惑を隠そうとしなかった。おそらく事前に聞いていなかったのだろう。だがキャスターも番組の指示で依頼したのだろうし、思いつきで言ったわけではない。

「そんな顔しなくてもいいのに」と思ったことを覚えている。しかし、その後コーディネートのポイントや着用の仕方を丁寧に指導していたので、真面目な性格なのだろうとも感じた。もし彼女が屈託のない明朗快活な性格であれば、朝の情報番組であの不穏な表情は見せず元気に振る舞えたはずだろう。正直というか不器用さが感じ取れた一幕だった。

池田は、御子について「素のままの自分で演じることができた」と語っており、何が起きるかわからない撮影現場だったので、「素直であろう」と固く決めて演じたそうだ。共演のオダギリジョー、伊藤健太郎たちから「池田さんは暗い」とお墨付きをもらっている池田だが、自身を投影した等身大の演技で新境地を開くかもしれない。
池田エライザの脇を固める個性派俳優陣
 池田の新境地で話題になっている『ルームロンダリング』だが、この作品で注目すべきは彼女だけではない。オダギリジョー、伊藤健太郎など脇を固める俳優陣も絶妙な味でドラマを盛り上げている。

最近海外作品の出演が多いオダギリは、アート思考かと思いきや今夏公開したスタジオポノックのアニメ映画『ちいさな英雄』に声優として参加、ドラマ『チア・ダン』(TBS系)では熱血教師を演じ、幅広い役柄に挑戦し続けている。『ルームロンダリング』では、幼くして両親と別れた御子を気遣い、ルームロンダリングのアルバイトを紹介する叔父の悟郎を演じる。御子を温かく見守る抑えた演技にも注目したい。

一方、御子の元隣人でこじらせ不器用男子・亜樹人を演じた伊藤は、現在放送中のドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)の伊藤役でもおなじみの若手実力派俳優。14歳から雑誌、広告を中心にモデルとして活動し、2014年のドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系)で役者デビューした。

伊藤は演じた亜樹人を「自分とは真逆」と語り、「陰が強い役柄だと思ったので、自分の陽の部分を出さないように努めた」と今までにない役柄への挑戦を語っている。亜樹人が一生懸命に自分自身の後悔と対峙し、立ち向かっていく姿に共感を覚えたという。不器用男子からツッパリまでオールマイティな伊藤がカメレオン俳優になる日も遠くはないかもしれない。

計4話から成るこのドラマは、2話ごとに前後編のストーリー構成となっており、1・2話には『半分、青い』の幼なじみ役と『今日から俺は!!』での活躍が記憶に新しい矢本悠馬が、3・4話では元乃木坂46の生駒里奈がゲスト出演する。2人は同じく「幽霊」として登場、御子を振り回す役どころだ。若手が主演を張るドラマが少ない昨今のテレビ業界。果たして新しい風は吹くだろうか? 活躍に大いに期待したい。

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