高橋一生「僕らは奇跡でできている」消えたときにこそ存在感を発揮するのはコンニャクだけではない4話

エキレビ!

2018/11/6 09:45

「土はな、同じように見えても、毎日違うんだ。気温や湿度のせいでな」
「わぁ、森も毎日違う! 空も!」

高橋一生主演のドラマ「僕らは奇跡でできている」。変わり者でマイペースな動物行動学者・相河一輝(高橋一生)と彼をとりまく人々の姿を描く。脚本は『ピュア』や『僕の生きる道』シリーズの橋部敦子。

冒頭の会話は幼い頃の一輝(岩田琉聖)と陶芸家の祖父・義高(田中泯)とのもの。輝くような笑顔の一輝は「違うことは楽しい!」と高らかに宣言しているようだ。土や森や空だけではなく、人だってみんな違う。違うことを考えたり、認め合ったりするのもいいけど、まるごと「楽しい!」って肯定してしまうのがこのドラマのメッセージなのかもしれない。


高橋一生、コンニャク作りに目を輝かせる
先週放送された第4話の視聴率は7.0%。またジワッと上がっている。第4話のサブタイトルは「星降る夜のコンニャク!?」。物語のテーマは「コンニャク」だった。

家政婦の山田さん(戸田恵子)に頼まれておでんに入れるコンニャクをスーパーに買いに来た一輝は、色も形も原材料も違う多種多様なコンニャクに魅了される。

その翌日、一輝は授業を休講にして群馬に向かっていた。群馬といえばコンニャクの産地。途中、イノシシがコンニャクイモを掘り起こしているところを目撃して興奮して畑に一目散に駆け寄るが、そこでコンニャクイモ泥棒と間違えられる。一輝に声をかけたのは、一輝の授業を受けている学生、新庄龍太郎(西畑大吾)の父(高橋洋)だった。

龍太郎はいつもダルそうな顔をして、一輝のおかしな行動に小声でツッコミを入れている学生。楽しそうにしている顔を見たことがない。親の歯科医院を継いだ育実(榮倉奈々)には「親が歯医者だから歯医者になったんですか?」と尋ねていた。どうやら実家を継ぐことに鬱屈を抱えているらしい。

龍太郎の実家でコンニャクづくりに目を輝かせる一輝。一方、知らせを聞いた龍太郎は友人の琴音(矢作穂香)、桜(北香那)、巧(広田亮平)とともに実家に向かう。実家に帰る龍太郎は「うちはダセーことやってるから」といつも以上に浮かない顔だ。

コンニャクの魅力って何?
「コンニャクってすごいんですね!」

コンニャクづくりを見学し、すき焼きのほか、コンニャクづくしの食卓を囲んで一輝が熱弁する。ちょっと長いが思わず書き起こしてしまった。

「コンニャクはコンニャクイモからできています。そのイモは3年もかけて育てるんです。種イモを植えっぱなしじゃなくて、土の中で凍らないように秋には種イモを掘り起こして、ひとつひとつ新聞紙でくるんで13度以下にならないように倉庫で保管する。それを繰り返してやっと大きくなったそのイモにはシュウ酸カルシウムという強烈なエグみが含まれているのでそのままでは食べられません。石灰を混ぜることでエグみを取り除き、そのイモからは想像できないようなコンニャクという食べ物になるんです。そうですよね?」

「コンニャクだけを見ているとその偉大さには気づきませんが、コンニャクのいないおでんはおでんとは言えませんし、シラタキのいないすき焼きはすき焼きとは言えません」

「存在をなくしたときにこそその存在感を発揮する。本当に偉大な食べ物です。ありがとうございます」

コンニャクイモは育てるのに手がかかる。やっと育てたと思ったら、強烈なエグみがあって食べられない。さらに手をかけてやると食べられるようになるが、強く主張をするわけではない。でも、料理全体の中でなくてはならない存在になる。

これってつまり一輝のような人のことを言っているのだろう。育てるのにも手間がかかるし、大人になっても社会が求めるような人材にはならない。だけど、それでも周囲が手をさしのべて支えることによって、社会全体の中で欠かせない存在になる。

なお、シラタキと糸コンニャクは、かつては関東と関西で製法が違ったので関東=シラタキ、関西=糸コンニャクと呼んでいたらしいが、現在は関西も関東と同じ製法でつくっており、昔のなごりで糸コンニャクと呼んでいるそうだ(日本こんにゃく協会サイトより)。

また、日本コンニャク協会は昨年、「『しらたき(糸こんにゃく)がすき焼きの肉を硬くする』は誤解だった」と題した分析機関での試験結果を記者発表している。さすがコンニャク産地の人はよく知っているんだね。興味のある方はご一読を。

コンニャクの存在意義とは?
コンニャクのことを褒めちぎられた龍太郎は、相変わらず斜に構えてはいるが悪い気はしていない。彼のコンニャクコンプレックスも少し和らいだようだ。

一方、育実は相変わらず恋人の雅也(和田琢磨)とうまくいっていない。雅也のスマホに届いた女性からのメッセージも見てしまった。ついに「雅也にはもっと合う人がいるんじゃない?」と言ってしまい、衝撃を受けた雅也も「育実は俺がいなくてもやっていけるし」「育実にとって俺って何だったんだろうな」と言い捨てて出て行ってしまう。

(山田さんの強いプッシュによって)育実にコンニャクをおすそわけしようとした一輝は、まったくコンニャクに興味を示さない育実にコンニャクの魅力を熱弁する。

「コンニャクを味も素っ気もないものだと思ってみると、そうでしかないんです。でも、その奥に隠れた見えないものをしっかり見れば、その素晴らしさを感じることができるんです。それを僕たちに見せるためにコンニャクは存在してるんです」

一輝はなぜこんなに手のかかるコンニャクが1000年以上も絶滅しなかったのか不思議がっていたが、奥ゆかしいコンニャクの存在が他のものを輝かせるからだという仮説にたどり着いたようだ。

一輝の話を聞いて「つくづく自分がイヤになります」と落ち込む育実。雅也は育実の知り合いに育実の素晴らしさを嬉しそうに語っていた。自分自身にイラつくこともあったが、雅也の育実への愛情は変わっていないようだ。人は表面を見るだけではわからない。常識やルールや効率やスピードを重視するばかりでは大事なことを見落としてしまう。

雅也役を演じる和田琢磨はミュージカル『テニスの王子様』や舞台『刀剣乱舞』など2.5次元舞台で活躍を積んできた俳優。ナイーブな感情をさりげなく演じるのがとても上手い。今後、ドラマや映画などでも存在感を増していきそうだ。なお、『プリティが多すぎる』の黒羽麻璃央とは映画『SeaOpening』で共演している。

本日放送の第5話では、育実が一輝の前で涙を流す。今夜9時から。
(大山くまお)

「僕らは奇跡でできている」
火曜21:00~21:54 カンテレ・フジテレビ
キャスト:高橋一生、榮倉奈々、要潤、児嶋一哉、田中泯、戸田恵子、小林薫
脚本:橋部敦子
音楽:兼松衆、田渕夏海、中村巴奈重、櫻井美希
演出:河野圭太(共同テレビ)、星野和成(メディアミックス・ジャパン)
主題歌:SUPER BEVER「予感」
プロデューサー:豊福陽子(カンテレ)、千葉行利(ケイファクトリー)、宮川晶(ケイファクトリー)
制作協力:ケイファクトリー
制作著作:カンテレ

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