介護しやすい二世帯住宅とは?リビング隣を親の部屋に!

日刊Sumai

2018/11/6 17:50

二世帯住宅には分離型と融合(共用)型がありますが、親世帯のどちらかが亡くなり、残された親も介護が必要となったら、融合型のほうが暮らしやすいようです。
共用部が多い融合型の二世帯住宅における介護しやすい空間づくりについて紹介します。
リビングの隣に母の自立した空間を配置
親世帯の父のほうが亡くなり、残された母と子世帯とが暮らす二世帯住宅の例を考えてみましょう。
二世帯住宅
千和 / PIXTA(ピクスタ)
介護が必要といっても、ある程度のことは自分でできる軽度の認知症を発症し、デイサービスにも通う母とその息子夫婦というケースです。
1階は共用のLDKと共用の浴室、そしてリビングの隣に母の部屋を、2階は子世帯の寝室と孫の個室を配置しています。
LDK
maruco / PIXTA(ピクスタ)
母の部屋には、トイレ、洗面所、洗濯室、納戸を設け、庭に面したところを縁側とし、洗濯物の干場にします。
トイレ
miya227 / PIXTA(ピクスタ)
洗濯や掃除はこれまで毎日のように行ってきた母に、できるだけ自分の身の回りのことはひとりでやってもらうような環境としています。

「引き戸」を使ってゆるやかに閉じる
母の部屋はリビングの隣にあることで、話し声や物音が伝わってきて人の気配が感じられるようになります。
一緒に過ごしたいと思えばすぐに行けるし、休みたいと思えばすぐに部屋に戻ることができます。両方の間仕切りには引き戸を採用しています。
引き戸
pu- / PIXTA(ピクスタ)
引き戸は開き戸に比べて、急に開いても人にぶつかることもなく、余計なスペースも必要ないので気軽に開け閉めできるのが特徴です。
病気などで寝込んでしまっても、少しだけ隙間を開けておくと、母の呼ぶ声や行動がわかりやすくなります。
完全に閉じるのではなく、ゆるやかに閉じることで人の気配が伝わるようになり、母のほうも不安なく過ごせるのです。

高齢者のための配慮と工夫
母の部屋とリビングの床はできるだけ近い色調にしています。
床の色
freeangle / PIXTA(ピクスタ)
視力が衰えると、床の色が急に濃くなると、そこが段差だと勘違いしてしまうからです。
ダイニングテーブルの定位置は母の部屋に近い位置にしています。
リビングには母がくつろげるソファがあり、テレビを観ながら傾眠することもよくあります。
リビングの外には庭があり、ソファに座ってゆっくり外を眺めています。
介護
polkadot / PIXTA(ピクスタ)
キッチンは調理しながら母を見守ることができるよう、対面式キッチンにしています。

将来の「車椅子」利用も考慮しておくこと
もしリビングと母の部屋が少し離れた距離にある場合、歩きやすい幅や車椅子が直角に曲がるための有効開口は廊下・入口ともに80㎝以上となり、幅の広い建具にしておく必要があります。
車椅子
kou / PIXTA(ピクスタ)
廊下を歩くということになれば手すりを設置することも想定し、あらかじめ下地を施しておくと良いでしょう。
手すり
ヨシヒロ / PIXTA(ピクスタ)
高齢になると人との付き合いも煩わしくなり、ひとりで過ごすことが多くなります。
そのため家族が集まるリビング・ダイニングと母の部屋との距離は近いほうが良いように思われます。
その場合、子世帯との距離を考え、孤立しない場所と閉じ込めない工夫が必要です。
リビングや浴室など共有できるよう工夫し、空間を完全に分離せず、ほどよい世帯間の距離を保つことが大切だと考えられます。

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