積水ハウス側が関与の疑惑も……メディアの”忖度”で報じられない「地面師事件」の真相

日刊サイゾー

2018/11/6 17:00


 住宅大手の積水ハウス(大阪市)が東京都品川区の土地をめぐり、約55億円をだまし取られた事件。「地面師」という、どこか昭和臭の漂うなりわいが世間の耳目を集め、なりすまし役まで登場して相手をだますという劇場型事件の異様さも相まって、連日、メディアで大きく報じられた。

警視庁は11月初めまでに地面師グループの11人を偽造有印私文書行使などの容疑で逮捕し、事件の全容が徐々に明らかになってきている。

「グループの『黒幕』は、別の地面師事件で収監されている60代のUとみられています。彼を中心に計画され、フィリピンに逃亡したカミンスカス(旧姓・小山)操(みさお)容疑者ら“シャバ”にいる仲間が実行に移したというのが捜査サイドの見立てです」(全国紙社会部記者)

ただ、どうにもすっきりしないのが、そもそもなぜ、積水ハウスほどの大企業がやすやすとだまされてしまったのか、という素朴な疑問だ。

「この詐欺話は複数の不動産業者にも持ち込まれ、その都度“あやしい”と契約を見送られている。なりすましの女性が本物かどうか、ちょっと調べればわかることなのに、基本的な身元調査すらした形跡がない。積水ハウス側にも落ち度がないとは言い切れない案件で、一時は、積水ハウスの関係者の事件への関与さえ疑われたほどです」(同)

それでも、メディアからの積水ハウスに対する「突っ込み」は、驚くほど少ない。その背景に、2兆円超(2017年1月期)の売り上げを誇る巨大企業への“忖度”が働いている可能性があるという。

ある民放の警視庁担当記者は、こう声を潜める。

「積水ハウスは、民放各社や新聞に大量の広告を出稿する大広告主。それだけに、今回の事件で大々的に積水ハウス側の失態を報じにくいという事情があるのです」

実際、「家に~帰れば~せきす~いハウス~」のフレーズでおなじみのテレビCMを目にする機会は多い。大スポンサーへの配慮が働いてもおかしくはないが、今回の事件では、取材現場に強烈な圧力がかかった場面もあったという。

「事件に絡んで、積水ハウス内部では、会長が交代するクーデター騒動まで勃発しました。事件処理の対応をめぐる対立が原因といわれていますが、この件を取り上げようとしたある民放局の記者が、急きょ取材をストップさせられたというのです。ほとんどの新聞もこの騒動をスルーしており、同じような圧力が各社の取材記者にかかっていた可能性は否定できません」(同)

今後、警察の捜査が進めば、思いがけない事件の真相が明らかになることも考えられる。その時、メディアは、すべてをつまびらかに報じることができるのか?

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