遠藤憲一「まだ伸びしろがあった」と実感 俳優の魅力を引き出す宮藤官九郎の脚本とは

クランクイン!

2018/11/6 12:00

 名バイプレイヤーの遠藤憲一と、さまざまな映画・ドラマ・舞台の脚本を手掛けてきた宮藤官九郎。唯一無二の存在の二人が、連続ドラマ『遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます』でWOWOWオリジナルドラマの初主演と初脚本を飾る。「まだ伸びしろがあったんだと驚いている」と笑う遠藤と、それを引き出した宮藤に話を聞いた。

【動画】『遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます』予告編&2ショットインタビューの様子

主人公の刑事・諸井情(遠藤)が連続殺人犯を追うサスペンスドラマの撮影現場で、共演者が帰った後にトラブルが発覚。たまたま現場の近くにいた俳優たち(本人役で登場)に遠藤(本人役)が急遽代役をお願いし、引き受けた俳優たちとテイク2を撮り直していく。毎話、通常のサスペンスドラマが描かれるテイク1と、ゲスト俳優が個性を爆発させるテイク2とで構成。「同じ物語の同じ役を、違う役者が演じたらどう変わるのか?」から企画がスタートしたワンシチュエーションコメディだ。

「脚本を読んでゲラゲラ笑いましたよ。脚本の段階で腹を抱えて笑うってあまりないんです。原型がおもしろいからこそ、これを落としちゃいけないというプレッシャーにはなりましたね」と遠藤。

宮藤は「どんなバカなことを書いても、遠藤さんは全力でやってくれると思っていました。ただ今回は“受け”のお芝居をやっていただくので、書いていて新鮮でした。刑事ドラマで情に脆い主人公を演じていただこうと決まったときに、全体が見えたというか。そういう設定があれば、どんなゲストが来て何をやっても、遠藤さんなら受けてくれるだろうと思いました」と信頼を寄せる。

全7話のゲストには、それぞれ小栗旬、仲里依紗、加藤諒(仲と同一回)、高畑淳子、野村周平、水野美紀、高嶋政伸、桃井かおりが出演。いわゆるパブリックイメージをさらに誇張したキャラクターで登場する、かなりやりたい放題の脚本になっている。

「あまり一緒にお仕事したことのない方が多かったんです」と宮藤。続けて「高畑さんとか、怒るんじゃないかな…とか、本当に桃井さんが出てくれるの?とか、不安もありました。でもあまり接点のない方々だったから、逆に振り切って書けたのかもしれません。なあなあにならなかったというか。イメージのほうでの当て書きなので」と撮影に至るまでの心境を振り返った。

長回しの撮影に、遠藤は笑いを堪えられなかったという。「僕はもともと“ゲラ”なのに、脚本のセリフが音になると余計におかしくなるし、さらに脚本に刺激されたゲストが突発的にもやってくるから、ぐ~っと耐えたところもありますけど、ほとんど無理でした(笑)」。

同時に役者として、タイトル通り、“勉強させていただいた”と遠藤が振り返った。

「僕にしか分からないことだけれど、ほかの現場でも芝居が変わり始めています。この作品の影響だと思いますね。これまでは“受け”だとしても、相手が来たら、そこにちゃんと噛んで行っていた。来たものに返すというか。それが、今回は受けっぱなしですから。難しかったけど、すごく楽しかったし、勉強になった。まだ伸びしろがあったなと思って(笑)」。

各回、遠藤と宮藤にゲストを交えてのアフタートークを収録しており、撮影現場には毎回宮藤も参加した。「遠藤さん、本当に『・・・(てんてんてん)』のときに、『・・・』になられてるんですよ。おもしろかったですね。それにテイク1のほうも遠藤さんは全力で演じてくださるんです。僕も本当に勉強になりました」という宮藤に、遠藤が返した。「脚本の段階から、テイク1をリアルにやればやるほど、テイク2のぶっ飛び具合が生きるのは分かっていました。というか、始めからそういう脚本になってましたよ」。(取材・文:望月ふみ/写真:高野広美)

WOWOWオリジナルドラマ『遠藤憲一と宮藤官九郎の勉強させていただきます』は、WOWOWプライムにて11月12日(月)より毎週月曜24時放送(第1話無料放送)。

ヘアメイク:南里真衣
遠藤憲一スタイリスト:伊藤美恵子
宮藤官九郎スタイリスト:ChiyO(CORAZON)

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