Rude-α「俺の夢は人の夢になることです」 ーーエネルギーと愛情に溢れた大阪初ワンマンライブ

SPICE

2018/11/5 18:00

『1st ONE MAN LIVE“21”』2018.10.26(FRI)心斎橋CONPASS


沖縄市出身のラッパーRude-α。高2の時に始めたラップをキッカケに音楽活動をスタートさせた。第6回全国高校生ラップ選手権に出場し準優勝。2015年6月、沖縄限定で1st EP「098 ORCHESTRA」をリリースした2000枚を完売。翌年から拠点を東京に移し、2017年からはバンド編成でのライブ活動を開始した。今年2月にリリースしたEP「20」は、iTunesヒップホップアルバムチャートで初登場1位を獲得。SXSWにも出演し、初の海外ライブを敢行。幅広いジャンルのアーティストとも共演するなど、今注目の21歳である。そんな彼が10月24日、初ワンマンライブ『1st ONE MAN LIVE“21”』を渋谷WWWで大成功させた。そして10月26日、心斎橋CONPASSにて大阪公演が行われた。もちろん大阪でのワンマンライブは初めて。この記念すべきライブの模様をお届けしよう。

定刻を少し過ぎた19:07、ステージにバンドメンバーとDJ ISSEIが登場。この日はフューチャリングゲストとして、R'KUMAとISSEIがアナウンスされていた。跳ねるビートとISSEIの見事なボイスパーカッションが会場をあたためる。「Rude-αを呼び込む準備はできてますか!」というISSEIに応えるオーディエンス。「I say Rude!」「You say α!」というコール&レスポンスで、Rude-αが呼び込まれ本人が登場。会場は大きな歓声に包まれる。
Rude-α 撮影=森好弘
Rude-α 撮影=森好弘

1曲目は「Mirror Ball」。「踊ろうぜ~!」と煽るISSEIにオーディエンスも「イェーイ!」と応え、Rude-αバンドのグルーヴィなビートでフロアがぐんぐん揺れ、サビでは大きく手が挙がる。示し合わせたかのように向かい合って歌うRude-αとISSEIの姿に引き込まれてゆく。Rude-αの「俺の音楽はお前らのためにあるんだぜ!」との言葉にフロアは興奮の嵐が巻き起こる。その勢いに続いてドロップされたのは「Wake up」。「遊ぼうぜー!」と無邪気な笑顔で客席に呼びかけるRude-α。ISSEIのDJとバンドのビートに自然と体が揺れる。ステージ上をくるくると、右へ左へと動き回る2人。さすが盟友、息がぴったりで本当に楽しそうだ。「この瞬間を止めないでくれ」というラインを体現するかのように、“今”を全力で楽しもうとする姿に引っ張られ、全員でプチョヘンザ!
Rude-α 撮影=森好弘
Rude-α 撮影=森好弘

熱が上がったフロアに連続して投下したのは「この夜を超えて」。「もっと声聴かせて! この夜を超える準備はできてんのか!?」との煽りに、客席から大きな声があがる。サビ前では、「俺がカウントしたら全員跳んで!」と、ペットボトルを手にしたRude-α。「1.2.3.4!」で、ペットボトルの水をオーディエンスにぶっかけた! これで客席は一気にヒートアップ!!  会場中がジャンプ!!  大阪を完全にホームにしたと感じた。「東京に負けないくらい大きな声で、お前らの声を聴かせてくれよ!」と「ウォーオー」のコール&レスポンス。曲が終わると、大歓声が沸き上がった。
Rude-α 撮影=森好弘
Rude-α 撮影=森好弘

バンドメンバーが一旦はけ、ステージはRude-αとISSEIの2人に。ムーディーなピンク色の照明が印象的な中、切ないラブソング「Take Me Back」を披露。眉間に力を入れて懸命にリリックを紡ぐ様子から、とにかく全身で伝えようとしているのが感じ取れる。ISSEIのコーラスとビートボックス、Rude-αの歌声が心地良く会場に満ちていった。
Rude-α 撮影=森好弘
Rude-α 撮影=森好弘

バンドメンバーが戻り、ここでMCタイム。「何か喋ってー!」という、大阪のお客さんならではの人懐っこさも。「心斎橋CONPASSにお集まりのみなさん! どうぞよろしくお願いします! Rude-αです!」と改めて挨拶。そして「知ってのとおり俺は今バンドで音楽活動をしてるわけですよ。もうRude-αは、俺1人の存在じゃなくて、バンド全員でRude-αだと思ってるんさ」と、親交の深いバンドメンバーを紹介。ドラム、ベース、ギター、キーボードと順に入り、セッションの流れへ。そこにRude-αがフリースタイルラップを乗せる。ISSEIのボイスパーカッションが加わり、会場のテンションは最高潮に!  やがて少しずつテンポがダウンし、そのまま『夜道を走る』へ。片想いの恋愛ソングだ。切なくも逞しい眼差しを浮かべ、真剣な表情で一言ずつ丁寧に届ける。歌い終わると、こぶしを高く突き上げた。
R’KUMA 撮影=森好弘
R’KUMA 撮影=森好弘

ここで「俺の家族であり仲間である、兄弟を紹介しよう」と、R’KUMAが登場。叫びにも似た歓声が巻き起こる。歌うのはもちろん「Co co ga Okinawa」。2人が18歳の時に沖縄で作った曲だ。「久しぶりだなレオ」と、がっちりと挨拶をした2人。「あの時はさ、誰も俺たちのこと知らなかったのに、今こんなに人が見てくれてるなんて嬉しいことだよ!」と嬉しそうに笑顔を見せる。そして、「ここがどこか思った場所の名前言ってくれ! ここどこだー!」「沖縄ー!」と答えたオーディエンスに、「お前ら、この街で生まれたんだろ?じゃあ聞くよ、ここどこだー!?」「大阪ー!」「バーカ、沖縄だぜ」とイタズラっぽい笑みを浮かべる、というやり取りもありながら、ラップへ。とにかくあたたかさが溢れるステージだった。全員がRude-αを見守っている、そんな空気がありありと感じられた。サビでは全員がプチョヘンザ! 手で大きな輪を作り、最後は全員でピースサインを掲げる。1曲を歌い終えたR’KUMAはステージを去り、大きな拍手で見送られた。軽快なギターサウンドから始まったのは「Summer melody」。客席はクラップの嵐! エレキギターが心地よくうねり声をあげる。もう冬が近づいているけれど、この空間は夏だ。元気にステージを動き回るRude-α。
Rude-α 撮影=森好弘
Rude-α 撮影=森好弘

MCでは、感謝の言葉と共に上京して3年が経ち、東京という街に慣れず沖縄に帰ろうと思ったこと、祖父に相談したら「やり遂げるまで帰ってくるな」と言われたこと。その言葉を胸に音楽を続けていること。その祖父が末期ガンで亡くなり、その後、友達の子供が生まれたことを述べたあと、「出会いも別れもあるけど、こんなことがあるんだったら、人生って素敵だなって思ったわけ。この先の人生、辛いことも悲しいこともあると思う。でも、その時にいつも俺の音楽がそばにあるから、なるべくさ、皆笑って生きような」と、感極まって涙を流しながら『Happiness』へ。途中、「じいじ、まだそっちにはいけないけど、新しく友達に子供うまれたからさ、俺もうちょい音楽やるわ。ありがとう、ほんとに」と、天国の祖父に向けて言葉を放つ場面もありながら、力強く歌い上げた。正直、圧倒されるほどの迫力だった。そして涙を拭って次の曲へ。『Light』のゆったりとした優しい演奏に包まれていく。
Rude-α 撮影=森好弘
Rude-α 撮影=森好弘

ここで11月28日に新曲をリリースすることをアナウンス。「その曲結構踊れる感じの曲なのよ。俺、作りながらヒップホップ界の星野源だなって思ってたんだよ」と笑いをとり「最後まで楽しめるかー!?」と披露されたのは、新曲『Boy Meets Girl』。ダンサブルなビートに合わせ、体を揺らすオーディエンス。サビではぴょんぴょん飛びながら手を左右に振る。Rude-αとISSEIは兄弟のように肩を組んで、とにかく楽しそうに歌う。ずっと一緒にツアーを廻っているISSEIの頼もしさを感じた気がした。そしていよいよ最後の曲。「俺の目標は、今は武道館という場所でワンマンをすることで、大阪だったら大阪城ホールでワンマンをすることなんだよね。なんで俺が大阪城ホールでライブをするかというとさ、こうやって目と目をあわせて喋ったことのある奴がさ、そんなでかいとこでライブしたらさ、嬉しいじゃん! もうここにいる全員欠けたらダメなんだよ。このバンドと自分の家族、兄弟たち、そして今ライブを見に来てくれるお前らを全員違う場所に連れていきたいんだけど、ついてきてくれる!?俺のTrainに乗り込む準備できてる!?」というMCから、『Train』へ。
Rude-α 撮影=森好弘
Rude-α 撮影=森好弘

全力でぶちあたってくる音、言葉、視線、熱。全てが眩しい。ふいにRude-αが客席に飛び降りる。続いてISSEIもジョイン!  2人を中心にフロアはモッシュピットに早変わり。今日1番の盛り上がりをみせた。ステージに戻った2人は煽り続け、「とベー!!!!」の合図で全員がジャンプ! 「こっちにこいよ! 一緒になろうよ!」と言われているかのように、どんどんグルーヴに飲み込まれていく。最後には歌いきった! という様子でガッツポーズを見せた。

会場は暗転。「アンコール!」の声に混じって、「イヤーサッサ」と沖縄の合いの手が客席から入れられる。やがて暗闇の中からISSEIのビートボックスが響き、「19」を歌うRude-αの声が聴こえてくる。ISSEIに続いてRude-αが登場。素晴らしい2人のかけ合いに、オーディエンスも一緒にシンガロング。とてもエモーショナルな場面だった。
Rude-α 撮影=森好弘
Rude-α 撮影=森好弘

「アンコールありがとう!」とMCをはじめたRude-α。このステージに立つまでに支えてくれた家族や周りの人への感謝を述べ、「俺の今の目標は武道館に行くことで、ほんとの夢は人の夢になることです。これからも多分俺はいろんなことを経験していくんだと思う。たくさん傷ついていくんだと思う。でもその度にさ、俺は諦めないで1つ1つこなして、お前らの夢になるからさ。だからこれからも、俺についてきてください。皆のこれからの人生といろんな人に幸せを祈って。俺が1番好きな歌を歌います」と、最後に披露されたのは、沖縄時代に作られた「水平線の向こう」。「携帯のライト、掲げてくれよ」という一言で、客席には一斉にライトが灯る。再びR’KUMAも登場し、ISSEIと笑顔で肩を組む。途中、涙で声を詰まらせながら歌う場面もみられた。メンバー1人1人と握手をしながら、何度も「ありがとう、愛してるぜ」と全身全霊で伝えようとするRude-αの真っ直ぐな姿に、演奏後は大きな拍手が送られた。
Rude-α 撮影=森好弘
Rude-α 撮影=森好弘

とても熱くて、エネルギーと愛情に溢れたあっという間の1時間だった。とにかくRude-αが周りの人に心から応援されているのが伝わってきた。それは、Rude-α自身が周囲の人を大切に想い、惜しむことなく愛と感謝を伝えているからにほかならない。ステージにいるのはまだ若き獅子。ただ、この獅子が先頭をきって大勢の人を率いてゆき、今よりももっともっと大きな草原に進んでいく姿がはっきりと想像できる。人の熱い想いは人を動かす。最後に「大阪城ホールで会おうな!」と言ってステージを後にしたRude-α。彼との未来の約束が確かに交わされた一夜だった。

取材・文=ERI KUBOTA 撮影=森好弘

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