おじいさんを騙したつもりが演じていたのは巡査長 詐欺の受け子を現行犯逮捕

しらべぇ

2018/11/5 13:30


(gyro/iStock / Getty Images Plus/写真はイメージです)

先月、息子をかたり現金を巻き上げようとした詐欺師グループのひとりで、金の受け取り役「受け子」だった25歳の男を詐欺未遂容疑で現行犯逮捕した。

駐在所の巡査長の熱演により、逮捕に至ったことが話題になっている。

■息子をかたり「200万円が必要」


報道によると、10月2日の午前8時25分頃、奈良県生駒市在住の80歳の男性宅に、息子を名乗る男から電話があったそうだ。

男は、友人が会社から横領した金で株を買い、それが会社にバレたとの理由で「200万円が必要だ。大阪難波駅に届けてほしい」と説明したという。

■「捕まえるぞ!」「胸がバクバク」


電話を受け、不審に思った男性は迷わず110番通報。通報を受けた警察官数名は、容疑者に気付かれないように男性宅へ集まった。普段着である上下グレーの作業着姿で駆けつけたのが、生駒台駐在所の巡査長だった。

逮捕するには、金の受け渡しとなる場所に出向かなくてはいけない。そこで、61歳の巡査長が男性のふりをして、大阪市中央区の大阪難波駅へ行くことになった。

当初は「さあ、捕まえるぞ!」と意気込んでいたものの「胸がバクバクでした」と振り返っている。

■話し方、歩き方「おじいさん」に


その場にいた警察官の中では最年長とはいえ、被害男性は80歳。呼び出された場所に到着し、息子役の犯人に電話する時には「いつもより声は低く、口調も歯切れよくしました」と、すでに犯人と会話をしている80歳の男性の話し方を真似したそうだ。

結果、怪しまれることなく別の駅に行くよう指示された。歩くときには、帽子を深くかぶり、前かがみになって小さい歩幅でゆっくり歩く…と、20歳年上の「おじいさん」を演じきった。

■弁護士役の売り子を逮捕


最終的に指示された、大阪市浪速区の南海今宮戎駅に到着すると、話しかけてきた弁護士を名乗る男(受け子)が「息子さんと電話がつながっています」と携帯電話を渡してきたそうだ。

「代わりに弁護士に来てもらったから、お金を渡して。あとから迎えに行くよ」との息子役の言葉に、巡査長さんは「わかったわかった。ほなそうしとくわ」と返した。電話を切ったところで、待機していた警察官数名が受け子を囲み、現行犯逮捕。

■「お金の話が出たら、疑って」


逮捕された男の唖然とした顔を見て「ホッとしました」と語る巡査長は普段、駐在所近くの高齢宅を回り、犯指導をしているという。

電話を受けた被害男性のように、不自然な電話を受けたら、まずは110番通報をすることも忘れてはいけない。この選択肢が浮かばないまま、ATMに振り込みに行ってしまったり、指示された場所へ出向いてしまったりする被害者は後を絶たない。

今回、詐欺事件は身近で起きるものだと、身をもって知った巡査長も「電話でお金の話が出たら、たとえ相手がお子さんでも詐欺を疑ってください」と、改めて注意を促している。

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(文/しらべぇ編集部・長谷川 瞳

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