サラリーマンが知っておくべき食事マナー 第1回 食事マナーの基本 - 大人がやってはいけない10のこと


サラリーマンは、社内・社外を問わず、時には食事のマナーを意識して、相手に気を使いながら食事する機会もあります。

そんなときに基本的なマナーやきれいに見せる立ち居振る舞いのコツを知っていることで、周囲を不愉快な思いにさせず、お互いが楽しい時間を共有し、自分に対しての評価を上げることができます。

この連載を通して、まずは基本的な大人の作法を身につけましょう。
○どんな食事シーンでもNGな行動

和食、洋食、中華と各料理によりマナーは異なります。ただ、そうした細かいマナー以前に、社会人が外で食事をする際NGとされる、代表的な食事マナーの基本を紹介します。
○予約無しでお店に行く

人気のあるお店ほど予約をしないと良い席は確保できません。イメージしていた席ではなかった! お店まで行ったのに空席がない! なんてことは避けたいですね。大切な食事のときほど、事前に日程を決めてお店に予約を入れましょう。

食事会の人数や予算の相談だけでなく、個室の有無や景色の見える窓際の席の確保、誕生日のお祝いなど特別なリクエストに対しても予約の段階できちんと伝えることでお店も最大限の協力をしてくれます。

また、大切な席の予約をするときは、ネット予約よりも直接電話で予約をした方が細かなリクエストについても伝えることができます。
○お店を当日キャンセルする

食事会当日の急なキャンセルは、一緒に食事をする人に迷惑をかけるだけでなく、食事をするお店に対しては食材の仕入れから準備に至るまで様々なことで迷惑をかけることになり、場合によってはキャンセル料を請求されることもあります。

ですから、絶対避けたいことですね。しかし、どうしてもといけない事情が発生したときには、時間をあけずにすぐに連絡し、可能な限りの対応にあたるようにしましょう。
○お店の雰囲気を考えない服装

結婚式で礼服やドレス、着物などを着て正装することと同じように、お店やパーティーの内容によっては、ゲストに対して服装のルール(ドレスコード)を設けていることがあります。

自分の個性やこだわりを持って服装を決めたいところですが、同席される他のゲストへの配慮も忘れてはいけません。

ドレスコードが厳しいお店では、スニーカーやサンダル履き、短パンやデニム、Tシャツにノージャケットなど「ふさわしくない服装」と判断され、入店を拒否するところもあります。

是非、周囲への配慮と食事シーンに合わせた服装選びを心がけるようにしましょう。ドレスコードがわからないときにはお店に直接尋ねてみるのもOKです。
○強い香水や喫煙

デート中の食事であれば、香水をつけているのは自然なことです。また、常日頃から喫煙をする人もいるでしょう。ただし、自分が意識している以上に、周囲にはその匂いを敏感に感じている人がいるかもしれません。

周囲への気配りがマナーだとすれば食事中の喫煙はもちろんのことですが、香りの強い香水も場合によっては食事の邪魔をするものになってしまいます。

小さなお座敷やカウンターでの食事が予定されているときは特に注意をしましょう。
○エスコートを意識しない

デートのときにレストランに入るやいなや自分ひとりで席につこうとする男性がいますが、それはNGです。同席する女性が一緒なら、その女性を待って、さり気なく「お先にどうぞ!」と声をかけてみましょう。

もし自分が先に移動することになっても、時折、後ろを意識して歩き、席についてもすぐに座らず、「そちらへどうぞ!」などと良い席の方へ案内をしてから座るようにしましょう。

レディーファーストを意識しすぎる必要はありませんが、男性は自然な立ち居振る舞いの中で、女性をさり気なくエスコートできれば最高ですね。自分ファーストではなく、相手ファーストで行動すれば失敗はありません。
○席次を考えない

席次とは座席を決めるときに、目上の人や年長者、お客様に対する敬意を表すための席順のことです。食事をする部屋や案内されたテーブルの中で最も良い席を上座といい、入り口に一番近い席を下座といいます。

基本的には、上座の席は、座敷であれば床の間の前、庭園がある部屋なら窓際、洋室であれば暖炉の前など部屋の奥にあることが多く、より真ん中のテーブル、より中心に近い席が上座になります。

自分がどこに座ってよいかわからないときは、自分の席をすぐに決めず、入り口に一番近いところで待機し、他の人が着席するのを見て判断しましょう。
○食事途中のトイレ

レストランに入ったら、どのタイミングで化粧室に行けばよいかわからず、気がつけば食事が始まり、食事をしている途中で我慢できずに化粧室に行くなんてことは避けたいですね。

まず、お店に到着して席へ案内されたら先に化粧室へ行くか、オーダーを通したタイミングで化粧室へ行きます。お化粧直しをすること、身なりを整えることもそのタイミングで済ませておきます。

特に外出していて手が汚れているということもありますから、トイレに行きたいかどうかでなく、手を洗い、身なりを整えて食事の準備をするという上でも一度、化粧室に行くことはよいでしょう。
○常に「乾杯」

生ビールをジョッキーで乾杯をするときは元気よく杯をあわせてもOKですが、シャンパングラスで乾杯するようなかしこまった席やパーティーでは、グラスを軽く持ち上げて、会釈するようにした方が、オシャレでスマートな乾杯ですね。

また、目上の方からグラスをあわそうとして来られたときは、拒否をせず、その方のグラスより自分のグラスを少し下げて、そっと軽くあてるようにして杯をあわせましょう。
○音を立てて食べる

「クチャクチャ」と音を立てながら食事する行為は、最も周囲に不快感を与えるNG行為のひとつです。日頃から「食べるときは口を閉じる」ということが出来ていないために起こるので、普段、食べながらよく喋る習慣がある人は要注意です。

自分では意識しないうちに音が出ているかもしれません。

また、口にまだ食べ物が入っているのにペラペラ喋る人は、言葉と一緒に口からツバが飛んだり、場合によっては食べカスを飛ばしたりする人もいます。最悪ですね。絶対に避けるためには、「食べるときには口を閉じる」ということを忘れずに!
○お皿に口を近づけて食べる

どのような食事をするときも、背筋を伸ばして姿勢よく、料理を口に近づけて食べるのが基本です。しかし、お箸でつまみにくいものを食べるときや汁がこぼれそうなとき、失敗しないように心配するあまり、背中を丸くして料理に口を近づけて食べようとしがちです。

お皿に口を近づけて食べる姿を「犬食い」と呼び、ガツガツと食事をしているように見え、みっともない食べ方の代表にあげられます。日頃から背筋を伸ばし、左肘をついたり、左手を遊ばせず、左手できちんと器を持ち上げたり、器を押さえたりして、両手を使い少しずつゆっくりと食べる習慣を身につけましょう。

○著者プロフィール
渡邊忠司

エブリワーク代表取締役、全国サービスクリエーター協会相談役などを務める。皇室をはじめ国内外VIPへの接客の実績を活かしホテリエの養成と就職斡旋が評価され、平成26年に厚生労働大臣賞を受賞。ベストセラーとなった「食べ方とマナーのコツ」(監修/学研)や「接客の基本とコツ」(学研)などがある。

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