風邪で仕事を休んだことがない私が実践する、超簡単「風邪予防法」


 連載4回目の今回は、トレーニングと風邪の関係をテーマにします。平均して、日本人は1年に何日くらい風邪を引くと思いますか。

2011年に「ウェザーニュース」が2万175人を対象として、風邪に関する調査を行い、次のような結果が得られました。

1年で1人当たり平均2.76回風邪にかかり、完治日数は平均4.73日でした。この2つを掛け算すると約13.05となります。つまり、日本人は1年間で平均13日風邪を引いていることになります。

風邪を引いていれば、仕事のパフォーマンスは下がり、場合によっては休まなければならないケースもあるので、パフォーマンスを重視するビジネスパーソンであれば、風邪の予防策を講じることは必須です。

では、トレーニングは風邪予防にどんな影響があるのでしょうか。

筑波大学の鍋倉賢治教授が、フルマラソンを走った人の免疫力を測ったところ、完走直後から免疫力が急激に下がり、その後、元の値に回復するまでに1週間かかるという報告をされています。

米ロサンゼルスマラソンの参加者にとったアンケートでも、週に100キロ以上練習するランナーは、週に30キロ以上走るランナーより風邪を引きやすいと報告されています。

筆者も免疫力を低下させないために、かなり激しいトレーニングや長距離を走った後は、普段より食事のバランスに注意して、睡眠時間を増やすなどの対策をしています。

筆者のクライアントで、フルマラソンなど激しいスポーツが好きな人の多くは、筆者から指導を受ける前には、「最近、なぜか風邪を引きやすいんですよ」と悩んでいましたが、指導後、ランニングなど激しい運動をした後に適切なケアを行うようになり、現在ではほとんど風邪を引かなくなっています。

●風邪を予防するトレーニング方法

では、運動は免疫を低下させて、風邪を引きやすくするのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。前述のような激しい運動を除いて、大半の運動は「風邪を引きにくくする」という研究結果のほうが多いのです。

2009年に米アイオワ大学で行われたマウス実験では、運動用の回転車輪で14週運動させたマウスと、一度だけ45分運動させたマウスと、まったく運動させなかったマウスの3つのグループに、インフルエンザウィルスを投入して、その後の症状やウィルスの量を計測しました。

結果は、14週運動させたマウスがもっともウィルス量が減っていました。意外なのは、一度だけ45分運動させたマウスのグループが、まったく運動しなかったグループより、格段にウィルスに対して抵抗力が強かったことです。

人間に対する同様の研究もあります。米サウスカロライナ大学が547人を対象に行った研究では、「適度な運動習慣がある人」は、そうでない人に比べて風邪を引く率が20%程度低かったと報告されています。

筆者は小さいころには身体が強いほうではなかったので、風邪を引いて、よく学校を休んでいましたが、現在のパーソナルトレーナーの仕事をして、身体を適度に鍛え、運動後に適切なケアすることで、風邪を引かなくなり、仕事を休んだことは一度もありません。

最後に、筆者も筆者のクライアントも実践している「風邪予防トレーニング」のひとつをご紹介いたします。

それは、通勤前のスクワットです。ヒザに不安のある方は、軽く(90度くらいまで)ヒザを曲げる程度で構いません。スクワットは、トレーニングのなかでもっとも多くの関節と筋肉を使うトレーニングですので、体温も上がり、免疫力も上がります。

スクワット10回を2~3セット行ったあと、5分程度少し早歩きするだけで、活力が湧いてきます。このトレーニングによって、「寒くなって身体を動かさない」 → 「体温下がる」 → 「免疫力下がる」という悪循環ループに入るのを防げます。

ぜひ、朝の出社前に、ほんの少しでもいいので試してみてください。風邪を引きにくくなるだけでなく、やる気も湧いて一石二鳥です!
(文=角谷リョウ/Lifree株式会社・取締役、パーソナルトレーナー)

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