チーフディレクターが語る堂本光一&井上芳雄の「SONGS」裏側

ザテレビジョン

2018/11/3 08:00

■ 2人のミュージカル人生を総括するものにしたい

発端は約1年前。NHKの町田麻美チーフディレクターの元に、「堂本光一と井上芳雄が新作ミュージカルで共演する」という情報が舞い込んだ。それがことし大成功を収めた「ナイツ・テイル-騎士物語-」だ。2大プリンス共演の報に、町田CDはすぐに腰を上げた。

町田チーフディレクターと光一は「ポップジャム」('00~'02年※光一司会出演、NHK総合)以来の旧知の仲。光一が主演・演出を務める舞台「Endless SHOCK」に魅了され、'10年には、舞台裏に初めて密着したドキュメンタリー番組「―すべてはステージのために―」(NHK総合)を制作・放送した。また井上芳雄も「SONGS」には'16年10月に出演。当時プロデューサーとして番組作りに携わった町田チーフディレクターは、生で聴くその声に「いまだかつて感じたことのない衝撃」を受けた。

「そんなすごい2人なので、『ナイツ・テイル―』きっかけで作る番組ではありますがそれだけを扱うのでは2人の魅力を伝え切れないなと。ミュージカル界で共にセンターをひた走ってきた2人の歩みを描き、これまでのミュージカル人生を総括するようなものにしたい、というのが当初からの私の狙いでした」

というわけで披露する楽曲は「ナイツ・テイル―」からの2曲に加え、両者それぞれの代表的舞台作品から1曲ずつが選ばれた。

「『―SHOCK』『エリザベート』の曲もお届けできることはとてもうれしいです。『―SHOCK』の曲をテレビで披露するのは多分今回が初めて。私は10年近く前『ザ少年倶楽部プレミアム』(NHK BSプレミアム)にいたころから『―SHOCK』の曲を放送したいと切望してたんですけど、全然扉が開かなかったんです。理由は『舞台にしかない空気感をテレビで伝えるのは難しい』という光一さんのこだわりだったと聞いています。だから今回なぜOKしてくれたのか正直分からないんですよ(笑)。もしかすると、より多くの方に『―SHOCK』という作品を届けたいという気持ちが生まれたのかもしれません」

また「ナイツ・テイル―」の楽曲の演出については、舞台の本番後に東宝関係者を交え、2人と1時間半超の打ち合わせ。限られた時間内でいかにこの作品の魅力を伝えるか、徹底的に話し合ったという。

全4曲中、最後に歌われる予定なのは「宿敵がまたとない友」。「ナイツ・テイル―」を象徴する、愛すべきライバル関係をうたい上げた一曲だ。

「今回の共演は2人が本当にイーブンな関係でなければ成立しなかったと思うんです。本人たちはライバル同士とは思ってないでしょうけど、互いに一歩も引けを取らない、『ナイツ・テイル―』はそんな2人のために生まれた作品だと思っています」

番組では「ナイツ・テイル―」の稽古から千秋楽までを取材した映像や、2人の貴重なトークも届ける。

「日本でも近年ミュージカルが一般的になってきましたよね。お二人のような方の尽力があって、ようやく少しずつ『誰でも楽しめるエンターテインメントだ』ということが伝わりつつある。そういう時期にこの番組をお届けできてとても光栄です」

■ あれだけ自分に厳しい人に他に会ったことがありません

「長いお付き合いですが、エンターテインメントの職人たるマインドには本当に敬服します。世界を見渡しても、主演を務めながらカンパニー全体を見てあれだけの舞台を作り、磨き続けてる人って、なかなかいないと思うんですよね。作り手としての才覚もですが、何より18年間一度も作品に満足していないという自分への厳しさ、妥協のなさ。そして自分の理由で一度も休演したことがない強さと覚悟。“作品を背負う”って言葉で言うのはたやすいけれど、本当の意味で全てを背負ってる人が何人いるか。あれだけ自分に厳しい人に他に会ったことがありません」

■ 天賦の才というものを最も感じさせてくれる人

「ミュージカルをやるために生まれてきたとしか思えない声と華ですよね。初めて生で聴いたときその声がとにかく圧倒的でした。かつての上司が彼の歌声を『天界から降ってくる声』と評してましたけど、ただうまいだけでなく、声に品がある。それは芳雄さんにしかない、たとえ汚れ役をやっても絶対に失われない品で、それがプリンスと呼ばれるゆえんなんだろうと思います。もちろんものすごく努力もなさってるでしょうけど、天賦の才というのを最も感じさせてくれる人ですね。しかも、いつお会いしてもフラットで穏やか。スタッフ全員“神”と呼んでます(笑)」

■ 光一自らの選曲、井上のスペシャルな衣装

「『―SHOCK』からの楽曲『Dancing On Broadway』は、光一さん自身の選曲。芳雄さんは『エリザベート』から『最後のダンス』を、これは完全SPバージョンで披露。前回('16年)SONGS出演時には『エリザベート』の曲はなかったですし、芳雄さんのデビュー作からの曲をぜひ、と希望しました。衣装も『エリザベート』の世界をイメージして今回のためだけに作ったものです。『ナイツ・テイル―』のメドレーは出演者でもある大澄賢也さんがステージングを担当。『宿敵がまたとない友』に関しては収録当日、光一さん・芳雄さん・私の3人であれこれ意見を出し合いながら動きを決めていきました。ちなみにこの曲はあえてステージ衣装を使わずに、“堂本光一と井上芳雄”として歌っていただいたのですが、後日光一さんは『パラモン(井上の役名)ではなくて“井上芳雄”が目の前で歌っている』ことに、なぜか緊張した!と話していました。あれだけ普段から仲がいいのに不思議ですね(笑)」

■ “王子”のための“SONGSシアター”

「今回はいわば“SONGSシアター”というような劇場をスタジオ内に作りました。大掛かりなセット転換はなく、照明で見せ方を変えていくようなイメージ。『ナイツ・テイル―』と『―SHOCK』の楽曲に関してはお引っ越し公演といった感じで、総勢45人ほどのカンパニーと、衣装からメークまでそのまま作品の世界を持ち込んでいただきました。オーケストラは主に『ナイツ・テイル─』で演奏していらっしゃる方々。なので当日は入館者が100人超えてましたね。光一さんは風邪気味だったので心配したのですが全曲ともワンテークでOKでした」(ザテレビジョン・上甲薫)

https://news.walkerplus.com/article/167971/

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