特別展『画僧 月僊』が名古屋市博物館で開催 名古屋生まれ、絵筆で人々を救った奇僧の魅力に迫る

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2018/11/2 13:16


特別展『画僧 月僊』が、2018年12月15日(土)~ 2019年1月27日(日)まで、名古屋市博物館で開催される。
月僊「僧形立像(伝自画像)」部分 三重県立美術館蔵
月僊「僧形立像(伝自画像)」部分 三重県立美術館蔵

月僊(げっせん:1741~1809)は、江戸時代の中頃に活躍した名古屋生まれの画僧(絵を描いた僧侶のこと)。伊勢、寂照寺の住職として貧しい人々を支援するなど社会福祉に尽力するとともに、他にはないユニークな仙人の絵を描いて人気を博した。本展覧会では、全国に残る月僊の力作を一堂に集め、画家月僊の魅力を紹介する。

ユーモラスな人物たち


月僊は、風景や花鳥、動物まで何でも器用に描いたが、特徴的なのは人物表現だ。中国の神様や仙人、果ては仏様に至るまで、漫画のようにキャラクター化された表現が魅力的。また、「月僊顔」と呼ばれる、個性的な表情も見どころのひとつとなっている。
月僊「恵比寿図」部分 三重県立美術館蔵
月僊「恵比寿図」部分 三重県立美術館蔵

写実的で生々しい表現


月僊は、写実的な絵画で人気だった円山応挙に影響を受けた。人体の構造や陰影表現などに見るリアルな描写が、滑稽味あふれる表現を支えている。
月僊「朱衣達磨図」部分 個人蔵
月僊「朱衣達磨図」部分 個人蔵

仙人大集合!


月僊は、人物画のなかでも中国の仙人の絵をたくさん描いている。仙人の図像を集めたガイドブック『列仙図賛』の出版も評判を呼んだ。ユーモラスな表情と生々しい表現が同居する仙人たちは、親しみやすさと同時に、どこか不気味な雰囲気も漂う。本展では、月僊が描く独特な仙人たちを存分に味わえるよう、多くの仙人画を集めている。
月僊「人物図衝立」 射和文庫蔵
月僊「人物図衝立」 射和文庫蔵

江戸時代の新しい仏画


月僊は、浄土宗の僧侶として法要で使用する様々な仏教主題の絵画を手がけた。いずれの仏様もユーモラスで写実的、月僊らしい姿になっている。紙や絹の地の色を活かした淡白な彩色も独特で、中世以前の仏画にはない清新な魅力を放っている。
月僊「仏涅槃図」 名古屋市博物館蔵
月僊「仏涅槃図」 名古屋市博物館蔵

お金に汚い和尚さま?


月僊は、作画の代金を必ず請求したので、「お金に汚い」と言われることもあった。だが、貯めたお金はお寺の復興や様々な社会福祉事業に使うためのもの。僧侶として、信仰と弱者救済に生きた月僊の優しい眼差しは、その作品からも窺うことができる。
月僊「百盲図巻」部分 知恩院蔵
月僊「百盲図巻」部分 知恩院蔵

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