「相棒17」驚愕の辞書主幹交代劇にはモデルがあった、辞書の神様は実在した3話

エキレビ!

2018/11/1 11:00

『相棒season17』(公式)第3話「辞書の神様」。
辞書『千言万辞』の担当編集者がペーパーナイフでメッタ刺しにされる事件。


「相棒16」

辞書制作の舞台裏
杉下右京は、ユニークな語釈の『千言万辞』の愛読者で、語釈を諳んじることができるほどだ。
『千言万辞』の主幹は、「辞書の神様」の異名を取る大鷹公介(森本レオ)。
ほぼひとりでつくっていたが、言葉へのこだわりが強すぎて作業が遅れがち。
そこで、主幹を共同編者の国島弘明(森田順平)に交代しようとする流れがあった。
殺されたのは、版元である文礼堂の担当編集者・中西茂(天野造成)。
最初は、主幹の大鷹公介が疑われ、その後、助手の国島弘明が自分が殺したと証言しはじめる。
辞書制作の舞台裏を描きつつ、主幹とその助手のどちらが犯人なのかそれとも……という豪快な連続逆転劇を展開した。

『千言万辞』のモデルは?
「引くのではなく読むための辞書と愛好家のあいだでは言われてますねぇ」と杉下右京が語る『千言万辞』のモデルは、『新明解国語辞典』だろう。
大きさや厚さ、ボリュームは『広辞苑』。


「120万語を集めたそうですね」と右京が語る編纂者の大鷹公介は、おそらく見坊豪紀(けんぼう・ひでとし/1914~1992)がモデル。
生涯で145万例のことばを、ほぼ一人で採取した。

新聞は必ず二部とっていた、トイレに雑誌を持ち込んで出てこなくなる、学会では用例採集ばかりしてるという声もあった、辞書に載せないことばまで集めていた、といった部分もそっくりだ。

言葉に取り憑かれている
こういった見坊豪紀の驚愕のエピソードは『辞書になった男 ケンボー先生と山田先生』(佐々木健一/文春文庫)に詳しい。
『日本国語大辞典』初版の打ち上げパーティーで、みんなが談笑しているなかひとりだけ酒瓶のラベルの言葉に見入っている見坊豪紀の写真も載っていて、苦笑せざるをえない。
まさに「言葉に取り憑かれている」。


主幹交代劇も実際にあった!?
『辞書になった男 ケンボー先生と山田先生』には、ケンボー先生と山田先生の主幹交代劇が描かれている。
言葉採取にのめりこみ編纂が遅れるケンボー先生に変わって、手伝っていた山田先生が主幹になるのだ。
まさに、今回の『相棒』と同じ舞台設定!
新明解第四版に掲載されている言葉「時点」の用例は、こうだ。
じてん【時点】「一月九日の時点では、その事実は判明していなかった」
この用例の妙に具体的な“謎の日付”を起点に、ケンボー先生と山田先生に何が起こったかを探るノンフィクションだ。
辞書を通じたふたりの師弟の交流は、今回の『相棒season17』第3話「辞書の神様」で描かれたテーマとも通底する。
辞書編纂の現場や辞書に興味を持った人にぜひオススメしたい一冊だ。

ドラえもん×相棒
11月9日(金)午後7時からのアニメ『ドラえもん』は、『相棒』とコラボレーション。
『相棒』が『ドラえもん』のなかで劇中劇として登場し、杉下右京と冠城亘(水谷豊と反町隆史の声も!)も登場するようだ。
見るよー。(テキスト/米光一成)

『相棒season17』水曜日午後9時/朝日テレビ系
エグゼクティブ・プロデューサー:桑田潔(テレビ朝日)
チーフプロデューサー:佐藤凉一(テレビ朝日)
プロデューサー:高野渉(テレビ朝日)・西平敦郎(東映)・土田真通(東映)
脚本:神森万里江
監督:権野元
音楽:池頼広
制作:テレビ朝日/東映

出演
杉下右京(水谷豊)特命係警部
冠城亘(反町隆史)特命係巡査
青木年男(浅利陽介)特命係巡査部長
伊丹憲一(川原和久)捜査第一課刑事
芹沢慶二(山中崇史)捜査第一課刑事
月本幸子(鈴木杏樹)花の里の女将
角田六郎(山西惇)第五課課長
甲斐峯秋(石坂浩二)警察庁長官官房付
鑓鞍兵衛(柄本明)国家公安委員長
相棒公式サイト

当記事はエキレビ!の提供記事です。

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