生田斗真がいのうえ歌舞伎に初主演~劇団☆新感線 劇団旗揚げ39周年“サンキュー興行”第一弾は3年ぶりの完全新作『偽義経冥界歌』

SPICE

2018/10/29 04:00



劇団☆新感線が、2019年3月より劇団旗揚げ39周年“サンキュー興行”第一弾として、いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌』(にせよしつねめいかいにうたう)を各地で巡演する。主演は生田斗真。作・中島かずき、演出・いのうえひでのりによる完全新作だ。

■回転しない劇団、3年ぶりの本公演


2017年春から2018年大晦日まで約2年間、アジア初の360°客席回転劇場・IHIステージアラウンド東京(豊洲)でのロングラン公演に挑んできた劇団☆新感線。2019年は旗揚げ39周年の“サンキュー興行”を敢行する。3年ぶりの回転しない劇団本公演だ。まず“春公演”として、大阪、金沢、松本公演を行い、“夏秋公演”の別演目をはさみ、明けて2020年に東京、福岡公演を予定している。

“春公演”の演目は『偽義経冥界歌』(にせよしつねめいかいにうたう)。2016年『乱鶯』以来のいのうえ歌舞伎の新作であり、劇団の座付き作家・中島かずきによるゼロベースからの完全新作としては2014年の『蒼の乱』以来となる。また、いのうえにとっては、豊洲での2年間の経験と出会いからの刺激を財産とし、改めていのうえ歌舞伎に向き合うことで時代劇でできることの新たな可能性を探っていく(※いのうえ歌舞伎とは…神話や史実などをモチーフとし、ケレン味を効かせた時代活劇のシリーズ。近年では、その持ち味に加えドラマに重きをおき、人間の業を浮き彫りにした作品作りへ進化している)。

『偽義経冥界歌』のモチーフは“奥州三代”と“義経黄金伝説”。源義経は、歴史上の一大事に深く関わったが、その後の数多なる物語にも登場した。実は偽物説、影武者説等、ドラマティックな謎を多く抱えた魅力的な人物といえる。その義経が実際に奥州に匿われていたという史実をベースに、奥州三代の盛衰の行方も絡めつつ、中島脚本ならではのファンタジーも散りばめたストーリーが展開される。主人公の偽義経を中心としながらもまるで群像劇のように、それぞれの人間ドラマを堪能できる上、もちろん新感線ならではの笑いたっぷり、殺陣、アクション満載の王道エンターテインメントとなる。

■生田斗真を筆頭に華やかなキャストが勢ぞろい


主人公の偽義経、<源九郎義経・みなもとのくろうよしつね>を演じるのは、『Vamp Bamboo Burn~ヴァン! バン! バーン!~』(2016年)以来の3年ぶりの出演となる生田斗真。2002年上演の『スサノオ~神の剣の物語~』でいのうえ歌舞伎作品に登場して以来、4度目の新感線出演だ。いのうえや中島、劇団員らとも親交が深い“準劇団員”ではあるものの、いのうえ歌舞伎の新作に主演として挑むのは、これが初めて。さまざまな作家、演出家と組み、繊細でナイーブな演技から、すべて振り切った強烈におバカな役柄までを完璧に演じ切る生田が、新感線の本格的な時代劇のど真ん中で いかなる境地に達するか、注目だ。

共演は、『髑髏城の七人』Season花(2017年)以来2度目の新感線出演となるりょう、新感線初参加となる中山優馬、本作が初舞台となるシンガーソングライター藤原さくら、新感線への出演はこれが5回目となる押しも押されぬ“準劇団員”の山内圭哉、『蒼の乱』(2014年)以来2度目の参加となる早乙女友貴。そして、ダブルキャストとして、大阪・金沢・松本公演に劇団員の橋本じゅん、東京・福岡公演では三宅弘城。さらに、『メタルマクベス』disc1(2018年)で退団以来21年ぶりに劇団公演に復帰した橋本さとしも出演。もちろん粟根まことをはじめとするお馴染みの劇団員らが舞台を彩る。

■あらすじ


日の本の国が、源氏と平氏の勢力で二分されていた時代。<源頼朝(みなもとのよりとも)/粟根まこと>が鎌倉を拠点に力を蓄えていた一方で、国の北方、“みちのく”と呼ばれる奥州はどちらにも属さず独立自治を貫いていた。奥州をまとめていたのは奥華(おうが)一族。その都である奥泉は“黄金の都”と噂されており、また奥華の民は死者を木乃伊(ミイラ)にする風習があるため奥泉のはずれにある洞窟には先祖代々の木乃伊が眠っている。

その地元のものが聖なる場所として崇める洞窟で、ある若侍が暴挙を行った。彼の名は<遮那王牛若(しゃなおううしわか)/早乙女友貴>、頼朝の義理の弟で平氏の追っ手から逃れるために奥華によりかくまわれていたのだ。お目付け役の僧<常陸坊海尊(ひたちぼうかいそん)/山内圭哉>と<奥華次郎泰衡(おうがのじろうやすひら)/中山優馬>の制止を無視し、挙句の果てに次郎と斬り合いになる。そこに割って入った次郎の兄<奥華玄九郎国衡(おうがのげんくろうくにひら)/生田斗真>だったが、はずみで牛若を死なせてしまう。僧兵に追われ逃げる玄九郎の前に立ちはだかったのが<武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)/橋本じゅん/三宅弘城>。玄九郎を錫杖で打ち据えると、奥華の屋敷へ連れていく。

屋敷では奥華の当主<奥華秀衡(おうがのひでひら)/橋本さとし>が待っていた。次郎をかばうためとはいえ頼朝の挙兵直前だったこともあり、牛若を殺したのは大問題だと頭を抱える一同。だが「牛若はそこにいる!」と玄九郎を指さす弁慶。弁慶や海尊ら僧たちが口裏を合わせ、さらに奥華の金塊を軍資金として差し出せば、義兄の頼朝は騙せると踏んだのだ。あまり深く考えず、その提案を受け入れた玄九郎は、ここで元服もし、以降は<源九郎義経(みなもとのくろうよしつね)>を名乗ることとなる。

そうして義経らが頼朝の元に向かっている間、奥泉では先祖代々の木乃伊が並ぶ洞窟内で巫女たちが歌い踊り、酒宴が行われていた。秀衡の妻でありながらも、奥華の巫女長(みこおさ)としては彼と対立する立場でもある<黄泉津(よもつ)の方/りょう>は、義理の息子である義経よりも、実子の次郎のほうが正当な後継ぎであると主張する。

その間も進軍を続けていた義経は、平氏一門との戦いの中で、大陸渡りの歌歌い<静歌(しずか)/藤原さくら>と出会う。彼女が“六絃(ろくしん)”という楽器を奏でながら歌う歌には現世と冥界を繋ぐ不思議な力があった……。偽りの身分を盾にしつつ、常にポジティブシンキングと機転とで数々の苦難を軽々と乗り越えていく義経。その目に映るのは日の本の天下の光か、はたまた冥界に広がる闇か…?

【作】中島かずき コメント

いのうえ歌舞伎の完全新作、ゼロベースからの書き下ろしという意味では『蒼の乱』以来、そして鎌倉時代の物語を書くのはこれが 初めてになります。今回モチーフに使ったのは、奥州藤原三代と源義経との関わりです、この物語では“奥州奥華(おうが)”と書き換えていますが。奥州の人たちは蝦夷の末裔なので、今回は僕が長年書き続けている北関東から東北を舞台にしている作品群、『阿弖流為』『蒼の乱』『髑髏城の七人』『吉原御免状』の間を埋める作品だったりもします。義経が藤原秀衡を頼って奥州に逃げ込んでいた史実をもとにしていて、加えて義経にはもともと替え玉説もありますからね。生田斗真くんで“偽義経”というところがミソで、考えついた時には「これだ、イケる!」と思いました。基本的にキャラクターは全部あてがきですが、斗真くんにあてがきするのはこれが 初めて。振り切っちゃったほうがそれゆえの悲しさ、健気さが出るはずなので、彼が新感線に対して想ってくれている気持ちに応えたくて、腕によりをかけました。ここまで書いて怒られないか?と思いつつも(笑)、僕なりに斗真くんの良さを活かして書いたつもりです。

<中島かずきプロフィール>
1959年8月19日生まれ、福岡県出身。1985年『炎のハイパーステップ』より座付き作家として劇団☆新感線に参加。座長いのうえひでのりとは高校演劇を通して知り合う。『銀河旋風児SUSANOH』『髑髏城の七人』『阿修羅城の瞳』など歴史や神話をモチーフに物語性を重視し、複雑に絡み合う伏線を多用した脚本は、疾走感とグルーヴ感あふれる演出とあいまって劇団の代表作となっている。また、『No.9 -不滅の戦慄-』(15・18-19)、『真田十勇士』(13・15)、『ジャンヌ・ダルク』(10・14)、『戯伝写楽』(09)、『レディ・ゾロ』『OINARI -浅草ギンコ物語-』(03)等の外部への書き下ろし作品も多数。演劇以外にも映画やテレビの脚本、コミック原作、テレビアニメ『天元突破 グレンラガン』(07・TX)や『キルラキル』(13・MBS/TBS)の脚本・シリーズ構成やアニメ版『のだめカンタービレ フィナーレ』(CX・10)のシリーズ構成、『仮面ライダーフォーゼ』(11・ EX)、劇場アニメ『ニンジャバットマン』(18)の脚本のほか、オリジナル小説『まつるひとびと』(11)を出版するなど活躍の場は広い。2019年に脚本を担当した劇場アニメ『プロメア』の公開が控えている。受賞歴:第47回岸田國士戯曲賞(『アテルイ』)

【演出】いのうえひでのり コメント

今回はまず斗真くんありきで、初めてのいのうえ歌舞伎の主役でと考えた時に、これまではチャラいキャラクターのほうが多かったので、もうちょっと真面目にというかがっつりと時代劇に取り組んでもらおうと思ったんです。彼の場合は芝居の基本をウチの劇団で身につけたようなところがあって、“準劇団員”いわゆる“新感線TRIBE”の中ではメイン役者のひとりでもありますから(笑)。脱ステージアラウンド第1弾の主役としても、とても力強い存在。どちらかというと“受け”の芝居をすることが多いようですが、今回は珍しくその逆、 ツッコミまたはボケの芝居を楽しんでもらえることと思います。そして僕としてはとにかく観客席を回すことを考えなくていいので、そういった意味では久しぶりに通常業務に戻る感覚もありますね。とはいえ、今回の台本もこれまた大変で、ある意味“義経伝説”であり、 『リメンバー・ミー』でもあり、主役を張れるくらいの個性派たちがゾロゾロ出てくるので『アベンジャーズ』でもあり(笑)。『偽義経』のはずなのに?と思われるでしょうが、観ればきっと「ああ~、そういうことか!」と納得していただけるのではないかと思います。

<いのうえひでのりプロフィール>
1960年1月24日生まれ、福岡県出身。1980年劇団☆新感線を旗揚げ。以来、劇画・マンガ的な世界観にあたかもコンサート会場に来ているようなド派手な照明と音響を用いた構成で、演劇ファンのみならず音楽ファンをも虜にしてきた。笑いに特化した活劇の“ネタもの”では脚本も手がける。時代活劇の“いのうえ歌舞伎”ではアクションとケレン味を効かせた演出に、ドラマのうねりをのせた独特の手法で、小劇場の枠を超えた新しいエンターテインメントの形として“新感線”というジャンルを確立させた。2017年~2018年にかけてはアジア初の360°客席が回転する劇場「IHIステージアラウンド東京」でのロングラン公演を成功させた。劇団本公演以外にも、『近松心中物語』(18)、『熱海殺人事件』『阿弖流為』(15)、『鉈切り丸』『断色』『今ひとたびの修羅』(13)、初めて本格的にシェイクスピア作品に取り組んだ『リチャード三世』(08-09)など、プロデュース公演の演出も多数手がけている。受賞歴:第14回日本演劇協会賞(『髑髏城の七人』『SHIROH』の演出において)、第9回千田是也賞(『メタルマクベス』の演出において)、第57回芸術選奨文部科学大臣新人賞(『メタルマクベス』の演出において)、第50回紀伊國屋演劇賞個人賞(『熱海殺人事件』の演出において)

【主演】 生田斗真 コメント

劇団☆新感線には『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』以来、3年ぶり4回目の参加になります。実は、いのうえ歌舞伎に主演という形で出させていただくのも、中島さんの書き下ろしに出させていただくのも初めてなんです。源義経の偽物の役どころになりますが、歴史上の人物を描きながらも僕が属するチームのパートは意外と自由にやれそうだとも思っていて。あまり型にハマり過ぎず、舞台上で縦横無尽に飛び回りたいですね。それにしても、基本的に新感線のみなさんとご一緒するときはちょっと頭の弱い キャラクターになることが非常に多くて(笑)。今回もどうやら正義感に溢れた、憎めないおバカちゃん的な役になりそうです。そしてたっぷりと立ち回りがあり、歌があって、ほんの少しのラブがある、いかにも新感線らしい作品になるんじゃないかと予想します。本格的な時代劇なので着ているものが重かったり暑かったりしますが、お客様にはこちらが苦労すれば苦労する分、楽しんでいただけるはずですからね。今回も大いに苦労をして、大いにヒイヒイ言いながら、がんばりたいと思っています。

<生田斗真プロフィール>1984年10月7日生まれ、北海道出身。1997年、連続テレビ小説『あぐり』(NHK)でドラマ初出演を果たす。2007年、ドラマ『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』(CX)の出演を機に注目を集め、以降、ドラマ・映画・舞台を中心に活躍。社会派作品でのシリアスな演技やアクションへの挑戦、映画でトランスジェンダーの女性役を好演するなど実力派俳優として幅広い作品に出演している。近年の主な出演作に、【ドラマ】『いだてん~東京オリムピック噺~』(19・NHK)『ウロボロス~この愛こそ、正義。』(15・TBS)、『軍師官兵衛』(14・NHK)、【映画】『友罪』(18)、『彼らが本気で編むときは、』『先生!、、、好きになってもいいですか?』(17)、『秘密 THE TOP SECRET』(16)、『グラスホッパー』『予告犯』(15)、【舞台】『かもめ』(13)などがある。劇団☆新感線には、『スサノオ~神の剣の物語』(02)、『Cat in the Red Boots』(06)、『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』(16)以来、4度目の出演となる。

当記事はSPICEの提供記事です。

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