「ブラックスキャンダル」アイドルを妊娠させたマネージャーを応援できなくて苦しかった3話

エキレビ!

2018/10/25 09:45

10月18日に放送された『ブラックスキャンダル』(日本テレビ系)の第3話。正直、困った回だ。こういうのがあるとブレる。(関連)


3話をざっくり要約すると、マネージャーがアイドルに手を出して妊娠させ、そのアイドルに会見を開かせる。「妊娠をしました。産みます。父親はいません。シングルマザーとしてアイドルを続けます!」と、アイドルが堂々宣言をする内容だった。

なかなかなドロドロ案件だ。世間に虚偽の申告をするアイドルとマネージャー。しかし、主役である芸能事務所マネージャー・矢神亜梨沙(山口紗弥加)はこのカップルを献身的に守った。ドラマの中ではまるで美談のように仕上げたものの、正直、コレジャナイ感が凄い。モヤッとさせるのだ。

マネージャーの子どもを身ごもったアイドルと、その対処法
売り出し中のアイドルグループ「ミルキーロード」リーダーのミカ(田中真琴)はマネージャーの犬飼遊真(森田甘路)の子どもを妊娠した。「相手は誰なの!?」と責めるチーフマネージャー・花園由祐子(平岩紙)に「誰の子どもか、わからない」と答えるミカ。犬飼も自分が父親だとは言い出せないでいる。
激怒した花園は「子どもを諦めろ」と伝えるよう犬飼に命じた。しかし、ミカは出産を希望し、犬飼も最終的には「ミカと結婚して一緒にこの子を育てたい」と決意。

もう、2人は逃げない。芸能部に本当のことを話しに行こうとする。……その瞬間、テレビで「ミルキーロードのミカとプロサッカー選手の鹿田勝俊が熱愛!」なるニュースが報じられた。寝耳に水!
実は、このスキャンダルは花園が捏造したものである。鹿田は2年も前に別れたミカの元彼だ。鹿田はしばらく見ないうちに海外で活躍する一流プレイヤーになっていた。
「ミルキーロードを守るために仕方ないことだったのよ。あなたの子どもは、鹿田さんの子どもとして育てなさい。相手が大スターの鹿田さんなら、みんなきっと祝福してくれるでしょう。彼も納得してくれてるんだから。鹿田さんと結婚すれば、ミカの人生も、シズカ、サツキ、マコ(他のミルキーロードのメンバー)の人生も守られる」(花園)

花園の選んだ方法の評価は意見が分かれるところ。しかし、そもそも論として避妊しない2人が悪い。商品に手を出したマネージャーと身重になったアイドル。花園が激怒したのは当然で、犬飼もミカもプロ意識が無さすぎだ。
「自分でもありえないことだっていうのはわかってました。でも、抑え切れなかったんです!」(犬飼)

堕胎させることを考えていた花園だったが、もうその選択肢は捨てた。加えて、元彼との復縁&結婚を取り付けてきた。他の男との子種を宿したミカにもかかわらずである。花園はやり手。相当頑張ったのではないか。
端的に、犬飼&ミカの側を応援できないのだ。花園の感情のほうが、まだ理解できる。彼女が怒り狂うのは当たり前。残りのメンバーも、こんなリーダーとマネージャーとアイドル活動を続けたいと思えるのだろうか。

ミカのためにミルキーロード全員での会見をセッティングしたのは亜梨沙だった。
「これでゼロからやり直しです。でも、ここから“新生ミルキーロード”が始まるんです」(亜梨沙)
ならば、父親も公表するべき。どうせ、いつか突き止められる。会見で父親は犬飼だと明かし、それでもファンに受け入れてもらえるか審判を受ける。それが、全てを清算してゼロにするということ。他者にバラされたほうが、ファンのショックは大きくなるのだから。

そういえば、このドラマが第2話で扱ったのは「薬物」と「2世」だった。三田佳子の次男・高橋祐也を想起させるストーリーだ。実在する芸能ネタをモチーフにしていくドラマかと思いきや、今回ほどひどい事例は現実的にレアである。
アイドル界には、写真を撮られるだけでグループを脱退したり坊主になったりする子がいる。ミカの事例は須藤凛々花の騒動どころじゃなく、“須藤超え”をしている。「子どもができたので産みます。シングルマザーとしてアイドルも続けます!」という子を応援するオタ。なかなかの苦行だ。

ミルキーロードの会見に怒りが収まらない花園。彼女は帰宅後、下着姿で若いイケメンをベッドへ迎え入れた。
「いつもより激しくして。嫌なことを忘れたいの」(花園)
裸で花園に覆い被さる男の顔をよく見ると、事務所に所属する売れない俳優・稲沢(立花裕大)であった。なんだ、花園もマネージャーでありつつタレントと関係を持っているのか……。

マネージャーとしても仕置き人としても中途半端
ミカの妊娠騒動が起きた際、阿久津唯菜(松井玲奈)は全て暴露することを亜梨沙に提案した。

唯菜 そうしたら花園さんは責任を取らされて、亜梨沙さんがチーフに……(笑)!
亜梨沙 必死に夢を追ってるあの子たちに、私と同じ苦しみを味あわせたくない。

復讐劇とはならなかった第3話。整形までして事務所に潜入した亜梨沙が、情にほだされて復讐の手を緩めた。彼女は冷徹な仕置き人ではない。亜梨沙の人間味が露わになった回である。だから、内容がマイルドになった。
正直、今回は谷間の回だ。前述したように、犬飼とミカへの救いの手が的を射ていないためである。仕置き人としてもマネージャーとしても、どちらのスタンスとしても中途半端。だから、モヤっとしたのだ。

「週刊星流」の記者・巻田健吾(片桐仁)は、亜梨沙の正体を掴んでいる。次回予告で巻田は『SLAM DUNK』の名言を引用し、こんな言葉を彼女に言い放った。
「諦めたら、そこで復讐終了ですよ」
筆者も同感だ。整形してまで事務所に潜入したのに。初志貫徹すべきである。

巻田の他にもう一人、気になる人物がいる。藤崎紗羅(松本まりか)として女優業に励んでいた頃、亜梨沙はマネージャー・勅使河原純矢(安藤政信)と恋仲だった。しかし、捏造の不倫スキャンダルで婚約解消に至った。この過去は亜梨沙にとってトラウマである。それは純矢も同じだ。
「君には俺と同じ後悔をしてほしくない、犬飼!」(純矢)
亜梨沙が講じた策に手を貸した純矢。ミルキーロードの会見を仕切ったのは彼だ。

亜梨沙 一つだけ聞いてもいいですか? 「5年前のこと後悔してる」って……。
純矢 ……どうしても、彼女のことを忘れることができない。あの時、紗羅を信じることができなかった。あの時、信じていれば、今も一緒に……。紗羅のこと、許すことができなかった(泣)。

過去を語る純矢の眼差しは、貫くように亜梨沙の顔を捉えている。亜梨沙に謝罪しているようにさえ見える。しかも次回、純矢は亜梨沙とキスするのだ。「彼女のことを忘れることができない」のに、なぜ他の女とキスをする? きっと、純矢は亜梨沙が紗羅だと気付いている。
亜梨沙の素性を知っているのは唯菜である。純矢と唯菜は裏で繋がっている気がする。だとしたら、亜梨沙は2人の手のひらの上で踊らされていることになる。

振り返ると、第1話には何とも言えない爽快感があった。ああいうのがまた欲しい。第3話は、残念ながらぬるっとしていたので。
今夜放送の第4話からはそうもいかないはずだ。巻田の追及によって、亜梨沙は尻に火がついたから。純矢と唯菜の存在も気が抜けない。亜梨沙はもう、人間味を出している場合ではない。
(寺西ジャジューカ)

木曜ドラマF『ブラックスキャンダル』
脚本:佐藤友治ほか
監督:長沼誠ほか
音楽:井筒昭雄
主題歌:「ドグマン」(ゲスの極み乙女。
チーフプロデューサー:岡本浩一
プロデューサー:福田浩之、中間利彦、茂山佳則(AX-ON)、西紀州(AX-ON)
制作協力:AX-ON
制作著作:読売テレビ
※各話、放送後にHuluにて配信中

当記事はエキレビ!の提供記事です。

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