宇垣美里、田中みな実、山形純菜……女子アナウォッチャーが「闇キャラ」人気の理由を紐解く!


 TBS・宇垣美里アナウンサーの“闇キャラ”が人気を博している。

宇垣アナは、7月放送の『サンデー・ジャポン』にVTR出演し、回転寿司店のレポートを行ったのだが、混雑している中、席を1人で占領したことを気に病み、「すごく生きていて申し訳ない気持ちになっちゃって」と吐露し、これがネット上で“闇キャラ”をあえて演じていると指摘され、「そんなこと思ったこともないでしょ?」と炎上したのだ。

すると、宇垣アナは後日同番組で、「その人それぞれに、やっぱ地獄があると思うんですよ。私には私の地獄があるし、あなたにはあなたの人生の地獄があるのだから」ときっぱり反論し、司会の爆笑問題太田光に、「抱えているのは闇どころではなく地獄」と言わしめたほか、ネット上で「本質を突いた言葉だと思う」「かっこいい」などと支持を受けたのである。

こうした闇キャラ女子アナは、宇垣アナだけではない。フリーの田中みな実アナも、バラエティ番組で、「電話できる相手がいなくて涙が出てくる。電話帳を全て消したくなる」といった心の闇を明かし、「誰かに必要とされたい」と悩みを語る機会も多く、同性から共感を得ることに。また、TBSの山形純菜アナも『有田哲平の夢なら醒めないで』で、アナウンサーとしての目標を見失っているとし、「何のために生きて良いのかよくわからなくなる」などと“闇”発言をし、注目を集めたのだ。

なぜいま、闇キャラ女子アナは人気を博すのか。女子アナウォッチャーの丸山大次郎氏に、意見を聞いた。

まず、丸山氏は、闇キャラ女子アナの始まりについて、次のように解説する。

「田中アナが、『結婚できない独身女性の悲哀』といった話を始めたのが最初だと思います。女子アナには、現在フリーの元日本テレビ・脊山麻里子アナ、宮崎宣子アナ、また元テレビ東京・亀井京子アナなどの“崖っぷちキャラ”の流れがあり、いわゆる自分のプライベートを披露する一環で、自分の“内面”までをも見せるようになったのが、田中アナの“闇キャラ”だったのではないでしょうか。女子アナはそもそもニュースを読むのが仕事なので、プライベートや自分の内面・本音を話すのは“してはいけないこと”なのですが(笑)、タレント化する流れの中で、そういったことが言える環境なったということでは」

田中アナはもともとTBSの女子アナで、当時はぶりっ子キャラとして知られていた。それが2014年にフリーに転向してから、闇キャラを前面に出すようになった。

「田中アナではなく、“TBSが”、ぶりっこキャラという売り方をしたかったのだと思いますよ。その反動で、フリーになった時に、『実はそんなことない』というのをアピールするため、闇キャラになったのではないでしょうか」

一方、宇垣アナの闇キャラを、丸山氏はどう分析するのか。

「宇垣アナは、可愛らしい顔に反して、性格はサバサバしている。田中アナの“闇”は、女性のプライベートから生まれるものだと思うのですが、宇垣アナの“闇”は、人間としての仕事や自身の立ち位置に関する正直な本音や愚痴という印象ですね。なので、田中アナに共感するのは、彼女同様、結婚したいけどできないという30代以上の独身女性、一方で宇垣は男女問わず支持されているのでは。宇垣アナのこうした芯の強さを見ていると、“潰れない”女子アナだなと思いますね」

同じ闇キャラでも、田中アナと宇垣アナはまったくタイプが別のようだが、では、山形純菜アナはどうだろう。彼女は17年入社の新人なだけに、丸山氏いわく「若い人がかかる五月病のようなものでは? 思い描いていた華やかな女子アナの世界とのギャップを感じてしまったのかもしれませんね。以前は、1~2年目から活躍する新人もいたのですが、最近ではそういったこともほとんどなくなりましたし、『先輩アナに比べて私は……』と悩んでいる可能性も。ただ単純に、バラエティ番組だから目立つことを言わなければと意気込んだだけとも考えられます。彼女はキリッとした美形なので、恐らく今後は報道畑で活躍する女子アナになると思いますよ」

では、こうした闇キャラ女子アナが盛んにメディアで取り上げられ、共感を呼ぶ理由は一体何なのだろうか? 丸山氏は、視聴者には“女子アナのプライベートを知りたい”という願望があると指摘する。

「例えば、フリーの大橋未歩アナ(元テレビ東京)は夫との性生活について、また中野美奈子アナ(元フジテレビ)も下ネタを、積極的にテレビで口にする演出で人気を集めました。女子アナたちのリアルな発言って、昔からすぐメディアに拾われるし注目されるので、以前はそういった女子アナのリアルを垣間見えるような演出をする番組が増えていったんですが、最近はコンプライアンスの問題もあって、どんどん減ってきていました」

そんな中、かつてのいわゆる“エロネタ”ではない部分で、「本来テレビで見せる以上のもの……つまり“心の内面”を見せてくれる女子アナたちに人気が集まったのでは」というのだ。最近では、『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)に地方アナが出演し、キー局アナへの嫉妬を赤裸々に明かすといったこともあるが、「そういう部分は、男女ともに興味があるのではないでしょうか。第一線の女子アナは、もはやタレントといっていいと思います」。

また、闇キャラ女子アナがウケる理由について「結局、他人の不幸は蜜の味なのでは」と、丸山氏は考察を続ける。

「一流大学を出て、花形の仕事に就いている女性でも、心に闇を抱えている……というのが、視聴者に『自分と同じだな』と思わせたり、笑いになったりするのではないでしょうか。あとは単純に、目新しいからという理由もあるでしょう。今まで、自分がどう思っているのかを話す女子アナなんていなかったわけですから」

闇キャラ女子アナがいかに画期的かという点については、世間にとっての女子アナという存在の変遷にも触れる必要があるだろう。

「もともと女子アナは、“添え物”だったんです。男性社会の中で、『男性アナがニュースを読む横で、上品に嫌味を与えず笑ってくれていればいい』『女子アナは適当なニュースを読んでてくれればいい』といった存在だったわけです。1977年にTBSに入社した吉川美代子さんは、ニュースを取ってくる記者に『俺の記事をなぜ女に読ませるのか』なんて言われたそうですよ。その後、女性の社会進出が進む中、女子アナも報道番組でニュースを読めるようになっていきました」

それから、バブル華やかなりし頃、有賀さつき、八木亜希子、河野景子のフジテレビ女子アナ「花の三人娘」といったアイドル的な素養のある女子アナが登場。アイドルアナの全盛期を迎えた頃には、バラエティ番組で活躍できるタレント的な存在の女子アナが人気を博し、そのピークが「元フジテレビの加藤綾子アナだと思う」と丸山氏は語る。

「その後、いわゆる美人女子アナという王道路線が長く続いて、みんな飽きてしまったのか、日本テレビの水ト麻美アナのような個性派女子アナが人気を博すようになりました。ただ、個性派アナばかりになったわけではなく、女子アナが“多様化”をしていったんです。『かわいいだけのアナ』もいれば、『ニュースを読めるアナ』、『タレント的なアナ』もいる……という。水トアナは、これまでの王道女子アナ路線を転換させ、多様化の象徴的な人物だと思います。だから、ベテランアナがブームになったり、フジテレビのアナが『第13回 好きな女性アナウンサーランキング』から消えるなど、これまでに起こらなかったことが起こったんです」

丸山氏は、こうした流れの中で、闇キャラ女子アナのような“これまでの女子アナはしなかったことをする”女子アナが生まれ、注目を集めるようになったのではないかという。

「あと、かつて良くも悪くも高嶺の花だった女子アナが、“身近”な存在になったんだと思います。“特別な美人ではない”けれど、気さくで親しみやすく豪快な水トアナ、同じく“正統派の美人ではない”けれど、毒舌キャラが面白いテレビ朝日・弘中綾香アナなど、“身近”を軸にしたアナが人気という傾向は見られますね。ただ、そういった身近な女子アナは、“美人すぎない”のが特徴の1つでしたが、闇キャラ女子アナはみんな美人というのが新しい。美人ほど闇が深いのかもしれませんね」

なお、闇キャラ女子アナが、全員TBSである点については、「完全に私見ですが、TBSアナの話を聞いていると、過去に進藤晶子アナが社内いじめを告発したり、安住紳一郎アナがアナウンス室で孤立していた過去をラジオで語っていたり、若くて人気のアナに対する当たりが強い局なのかなと感じることがあります。もしかしたらそれでストレスが溜まってしまうのかもしれませんね。もちろん、アナウンサー同士のライバル争いはどこの局にもあると思うのですが、TBSは特にそれが顕著なのかなと邪推してしまいます」という。

今後も、闇キャラ女子アナは世間の関心を集め続けるのか。はたまた、新たなキャラの女子アナが登場するのか。テレビを見る際に、そんな女子アナの移り変わりを気にしてみるのも一興だろう。

当記事はサイゾーウーマンの提供記事です。

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