『ナカイの窓』「芸能人番付」企画にガッカリ? お互いのスキルを褒め合う芸能人たちの下心

日刊サイゾー

2018/10/17 17:00


 テレビバラエティにおける最近のヒットといえば、10月3日放送『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の「生中継先に現れたヤバめ素人のさばき方で芸人の力量丸わかり説」だろう。

偽のネット番組の釣り堀生中継で、リポーターに起用された芸人たち。リポートの最中にしつこくつきまとってくる不審者がいたら、彼らはどう対処するか? を検証する内容なのだが、ここで株を上げたのは平成ノブシコブシの吉村祟だった。角材を持った無表情の素人を認めるや「素晴らしい一本釣りでございます!」と魚に例えることで丸く収め、その素人が奇声を上げたらぐっと抱き寄せて口を封じ、そのまま他の客とコミュニケーションを取る危機対応力。トラブルを笑いに変える彼の腕を、VTRで見ていた松本人志は拍手しながら「パーフェクトやったね」と評価し、劇団ひとりは「吉村、一気に仕事増えると思いますよ!」と激賞した。

確かに、吉村の仕事が増えたとしてもおかしくない。思い出すのは、2013年9月28日放送『ゴッドタン』(テレビ東京系)に三四郎が初登場した時のことだ。「若手芸人が選ぶ天才芸人1位」として三四郎は同番組に初登場。収録直前に大ケガをし、車椅子に座って登場した小宮浩信の発言はおぎやはぎや劇団ひとりの地雷を踏み続け、いびつな形で爆笑をゲット。2人が退場した直後、やはり劇団ひとりは「悔しいけど、すぐ売れると思う」と断言し、実際に三四郎はすぐ売れた。

こうした、ポロッとこぼれ落ちる本音が意外に効く。リポーター・吉村の今後の躍進に期待したい。

■インサイダーが決定する女性芸能人トップ3


 昨今、番組内でタレントが他のタレントを評価し、そのくだりがプロモーションと化すケースは多い。『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の恒例企画「芸人ドラフト会議」は、その最たるものだ。同業者の力量を褒め、ひそかに業界内の評判と需要を上げてあげる。ここに、互助会のごとき機能がある。

視聴者の評価とインサイダーの評価には、若干の温度差がある。この手の企画は、言うまでもなくインサイダーの意見のみフィーチャーしたもの。正直、「芸人ドラフト会議」を見ていると、共感できない瞬間がないではない。もし、プレイヤー側の声ばかり重視されるならば、世間の思いとテレビの現状は必ずしも合致しなくなる。

10月10日放送『ナカイの窓』(日本テレビ系)が行ったのは、「番付の窓」。さまざまなテーマを元に番組オリジナルのベスト&ワースト3を決めるという新企画だが、本稿で触れたいのは「バラエティ番組にいると助かる女性芸能人」というテーマについてである。

芸人の力量については、視聴者の側も自分なりに判断を下すことができる。面白いことを言うか、言わないか。スベるか、スベらないか、もしくは“スベり笑い”として面白いか。はたまた、見ていて不快か否か。ジャッジを下す対象として、芸人はわかりやすく明瞭な存在だ。

ただ、「女性芸能人」というくくりになると、プレイヤーの意見こそ大正義になりがちだ。邪魔にならないか? 空気を壊さないか? 頑張るのか? バラエティをわかってるか? それらについて評論したがる視聴者もいるはいるものの、テレビを見る分には正直大した問題ではない。議論のための議論というか。

プレイヤーたちは、今回も企画にのっとって己の持論を発信した。バカリズムは「強めにイジッても受け身をとってくれる」という理由で野呂佳代を、陣内智則は「困った時に振れば“背負い投げ~”って終われる」とIKKOを、タカアンドトシのトシは「極貧時代の幼少期やパリコレの話が出てくる」とアンミカを、指原莉乃は「どんな話題も得意」と井森美幸を、中居正広は「笑い声がすごく好き」という理由でSHELLYをそれぞれレコメンドした。結果、番組オリジナルランキングのトップ3は「1位:SHELLY、2位:井森美幸、3位:菊地亜美」に決定している。

普段表に出ないインサイダーの意見を見聞きするのは貴重な機会であり、興味深くて楽しい。しかし、もう全然貴重じゃない。SHELLYが買われているのは周知のことだし、井森の偉大さも我々は知っている。プレイヤーが長い月日をかけ、画面の向こう側から啓蒙し続けた結果だ。

この手の企画も、次第に意味合いが変わってきた。もはや、タレント同士のキャッチボールになった感がある。こうしたやりとりでテレビ界の座席が埋められていくのなら、マッチポンプでしかない。インサイダーがお互いのスキルを褒め、論じ合う類いの企画は、そろそろ食傷気味になってきたのだ。

(文=寺西ジャジューカ)

あなたにおすすめ