いろいろとムリがある日本版『SUITS/スーツ』 頼みの綱は織田裕二&鈴木保奈美の『東京ラブストーリー』幻想か?

日刊サイゾー

2018/10/15 22:30



織田裕二と中島裕翔がバディを組む月9ドラマ『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)がスタートした。

アラフォー世代にとっては、「あの『東京ラブストーリー』の織田裕二と鈴木保奈美が再び月9で共演するドラマ」といった方がピンとくるかもしれない。

フジテレビ側もその辺は思いっきり意識しているようで、事前に『東京ラブストーリー』を再放送して期待感を煽り、主題歌はB’zという、「ホントに今は21世紀なのか!?」な布陣。

今期の木曜ドラマが『黄昏流星群』というあたりからも、「もう若者なんて相手にしない! どうせテレビなんて見ないんだろ!?」というフジテレビの叫びが聞こえてくるようだ。

今の若者ではなく、フジテレビが輝いていた80~90年代に若者だった人たちをターゲットにするという方向性は、間違っていないとは思う。

『東京ラブストーリー』ド真ん中世代のボクなんて、裕二と保奈美が会話しているだけで、まんまと「ウオオオッ!」とコーフンしちゃったもん。

■ビックリするほど原作に忠実な展開


 敏腕だが、勝つためには手段を選ばない弁護士・甲斐正午(織田)。

弁護士事務所の上司・幸村チカ(鈴木)から、昇進したければ若手弁護士・アソシエイトを雇うように命じられた甲斐は、とあるホテルで採用面接を行うことに。

一方、一度見たものを完全に記憶できるという超絶頭脳を持っているものの、悪友・谷元遊星(磯村勇斗)の影響で、替え玉受験などヤバイ仕事に手を染め、その日暮らしをしているフリーター・鈴木大貴(中島裕翔)。

例のごとく遊星にそそのかされて、麻薬取引のための金を運ぶ仕事を請け負ってしまった大貴は、おとり捜査の警察官から追われ、なんだかんだで面接会場に紛れ込んでしまう。

弁護士資格もないのに六法全書を全文丸暗記している大貴の超絶能力を知って、甲斐はアソシエイトとして雇うことを決める。

原作は、海外ドラマファンにとっては超有名なアメリカのドラマ『SUITS』。このたびイギリスのヘンリー王子と結婚した、メーガン・マークルが出演していたことでも話題となった。

第1話を見て驚いたのは、アメリカ版にかなり忠実なストーリー構成だったこと。

アラフォー世代の視聴者が期待する、裕二と保奈美の関係性を生かすためにも、原作からは設定だけ拝借して、日本独自の展開をガンガン入れてくると予想していたのだが、ここまで原作に寄せてくるとは……。

■アメリカのドラマを日本でやってもムリが……


 もちろん、ストーリー構成を忠実に再現しようとしても、日本とアメリカじゃ法律も常識も、社会のノリも、そしてドラマの予算もぜーんぜん違うので、ローカライズするにあたって、いろいろとムチャな部分が目についた。

そもそも、弁護士資格を持っていない大貴を、弁護士資格が必要なアソシエイトとして働かせる方法自体がかなりムリヤリだった。

アメリカでは戸籍制度や弁護士資格のシステムが日本と比べてゆるいらしく、「ハーバード大学のロースクール出身者しか雇わない」という事務所の方針をかいくぐるために、学歴を詐称するだけでオッケーだったのだが、日本じゃそうはいかない。

ということで、日本でこのストーリーを再現するために苦心したのだとは思うが……。

今回の依頼者であるAI企業社長のダイス・スズキ(清原翔)の本名が「鈴木大輔」で、たまたま大貴とは一字違い。ダイスはたまたま弁護士資格を持っていて、たまたま現在は弁護士活動はしておらず、なおかつ、たまたま関西弁護士会に所属したままになっていたのだ。

そこで大貴は「鈴木大輔」と改名することによって、遊んでいるダイスの弁護士資格をゲットすることに。

く……苦しい。そんなに簡単に改名なんてできるとは思えないし、ダイスからしたら、こんな違法行為に協力するメリットは皆無だよ。

さらに、ダイス・スズキをパワハラで告発していた相手方弁護士を黙らせた方法も、「大貴がたまたま相手方弁護士の息子の替え玉受験を請け負っていたから」という「たまたま」っぷりだった。

甲斐は一応「負けた記憶がない」敏腕弁護士という設定のハズだが、これじゃあ単に「すげーラッキーな人」としか思えない。

■すんごく気になる「江森ソフトキャラメル」


 初回ということで、アメリカ版ドラマと設定をすり合わせたり、人物紹介をする必要もあり、時間的にムリめな展開も多かったわけだが、気になるのは今後だ。

このまま原作を忠実に日本キャストで再現していくのだろうか?

正直、ストーリーを忠実になぞるんだったら原作を見た方がいいわけで、『東京ラブストーリー』幻想に取り憑かれているアラフォー以外の人たちは、裕二のやたらと濃い演技をわざわざ見る必要はないだろう。

裕二&保奈美の魅力をグッと引き出すような、日本版独自の展開に突き進んで欲しいところだが……。

第1話で気になったのが、ものすごく意味ありげに甲斐がキャラメルを見つめるシーン。

その商品名は「江森ソフトキャラメル」。「江崎グリコ」と「森永」を合わせた名前であろうことは明白だが、それにしても、なんであそこまでアンニュイな表情でキャラメルを見つめていたのだろうか?

日本版独自展開として、「グリコ・森永事件」モチーフの事件が絡んできたら、アラフォー世代のハートは、さらに燃え上がることだろう。

(文・イラスト=北村ヂン)

当記事は日刊サイゾーの提供記事です。

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