Apple Watchを一周回って時計と認めるまでの話 - ささやかなMaxライフ2週目


iPhone XS Maxがでかい、という話を前回しましたが、今年はApple Watchも大きくなっているんですよね。これはApple Watch誕生以来初めてのことです。何かにつけ大画面化は世の流れではありますが、スマートウォッチがいくら大画面化しても文字入力やWeb閲覧が快適になる、みたいなところまではいかないでしょう。一方でそのコストは価格に反映されます。ユーザーにとって、大画面化はどんな価値があるのでしょうか。

○愛用していた文字盤が……なんか収まり悪くない?

Apple Watchの画面サイズを数値でみると下記の通り。タテヨコ共に50ピクセル程度の違いです。前回もXS Maxの話で画面の大きさによる情報量の違いについて触れましたが、Apple Watchもまた然り。むしろ、インパクトでいえばこの50ピクセルの方が強烈かもしれません。

比べてみると、本体が微妙に大きくなったかな? という感じなのに対して、画面サイズはぐっと大きくなっているのがポイントです。写真やマップを表示するとわかりやすいでしょう。

中でも、日常的に最も目にすることが多い「文字盤」への影響が何より大きいのではないでしょうか。

Series 4だけで使える新しい文字盤デザインでは、配置されるコンプリケーションの数が最大5から8に増え、コンプリケーション自体もインフォグラフィックとして情報量が増えています。

ただ、情報満載が常にベストとは限らないだろうと思うんです。自分の場合は、時計は時計らしくありたいと思い、シンプルなクラシックタイプの文字盤が好きだったんです。でもそれが、Series 4で表示させるとなんだか間延びしてしまいイマイチ収まりが悪いという事態に……。

アナログ時計としては精密さを感じさせないというか、ディテールや質感の足りなさが目立ってきてしまった感じです。Appleさん、Series 4に合うシンプルで洗練されたアナログ時計の文字盤を作ってくれませんかね。というか、文字盤ストアを作ってサードパーティに解放してくれたら嬉しいんですけど。
○一周回って「時計」になったApple Watch

一方で機能の面から見ると、大画面化=操作性の向上が期待できそうなところですが、Appleは逆に「操作させない」方向へwatchOSの開発を進めているように見受けられます。Apple Watch上でアプリを起動して能動的に操作・入力するような使い方は、WWDCでも見られなくなりました。登場した頃はスケッチとかテキストの音声入力でメッセージに返信する、なんてこともやっていましたけど。

それが最近は、入力するにしても通知へのレスポンス程度。それもインタフェースがApple Watchに最適化されていて、デジタルクラウンを回してタップして完了! といった機動性を押し出すような紹介になっています。新機能の「トランシーバー」も、必要な操作といえば画面に触れるだけで、通話が始まってしまえば画面を見る必要すらありません。

人間不思議なもので、Apple Watchくらいのサイズの付箋に細かい字を書くことはできても、画面操作や入力は困難なんですね。そもそも腕に装着していること自体が操作に向いたポジションではないのかもしれません。Appleが「操作させない」方向へ振ったのだとしても納得です。

ではどうやってユーザーに使わせるのかというと、自分の使い方を振り返ってみても言えることですが、自然と「見る」ことが中心になります。「使う」ことを意識しなくていいわけです。そう考えると、自分にとってのApple Watchの存在意義が改めて「時計」として定義されたように思います。見て確認するものが時刻だけでなく、天気や消費カロリーや各種通知といった「情報」に広がったカタチの「時計」です。

その意味で、Series 4のためにデザインされた新しい文字盤デザインは、Apple Watch 大画面化のコンセプトをもっとも的確に体現したものということだったんですね。時計は時計らしくと、シンプルさにこだわっていた私ですが、Series 4を使うならコンセプトを受け入れた方が価格なりの恩恵を受けられるのかもしれません。とりあえず、どこまで自分好みにできるかコンプリケーション満載の文字盤を飼い慣らしてみようと思います。

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