ベッキー起用も納得! 視聴者参加型生放送番組『特定せよ!』が怖すぎる……

日刊サイゾー

2018/10/13 00:00


 10月8日、『全人類がリサーチャー! 特定せよ!』(フジテレビ系)が放送された。これは、スマホ、パソコンがあれば誰でもリアルタイムで参加できる視聴者参加型番組。写真上のわずかな情報をもとに、視聴者がインターネットを駆使し、写真に写っている場所・人物・日時を特定。特定作業の能力=特定力を生放送で競い合うプログラムである。

この番組、過去に関西ローカルで2度放送されている。好評を受け、満を持して全国放送に進出したのが、今回の放送だ。

■年、競技、フォームだけで被写体が要潤だと突き止める


 明るい雰囲気に覆われているが、実はかなり恐ろしい内容の番組である。

昨今、ピースサインの画像をSNSに投稿するのは危険だと言われている。指紋を読み取られる危険性があるからだ。スマホやパソコンなどの指紋認証、ネットバンキングでの送金操作に指紋は悪用されかねない。つまり、写真上のわずかな情報で思いもしない秘密に到達できてしまうということ。

今回、番組では以下のような問題が出題された。

「1995年に撮った芸能人の学生時代。誰なのか特定せよ」

写真には、陸上競技に出場中の一人の男性が顔を伏せた状態で写っている。フォームからして、何かを投げた直後のようだ。

まずは、陸上部出身の芸能人をネットリサーチしてみる。すると、武井壮、森脇健児、要潤、綾野剛、アントニオ猪木、照英といった面々が浮かび上がった。よく見ると、写真隅に「必殺サウスポー投げ(ちなみに種目は三種競技B)」という文章が書かれている。調べると、「三種競技B」とは中学生のみ対象とした種目のよう。95年に中学生ということは、23年後の現在は36~38歳である。上記の芸能人リストで年齢的に当てはまるのは綾野剛(36歳)と要潤(37歳)だ。

ここからが、いよいよ佳境。決め手となる情報は、「必殺サウスポー投げ」という文章である。2人の利き手を調べるには、食事中の姿を見たらいい。綾野と要のうち、箸を左手で持っているほうが正解のはず! ……と思いきや、画像検索したら2人とも箸を右手で持っていた。

だが、世の中には場面によって聞き手を使い分ける“両利き”も存在する。改めて、人名の後に「投げる」と打ち込み、再検索した。すると、2人がそれぞれ始球式で登板した際の画像がヒット。綾野は右手で、要は左手でボールを投げているようだ。よって、正解は要潤!

このように、我々は容易に“特定”できてしまえるのだ。怖い……。

ほかには、こんな問題もあった。「何月何日に撮られた写真か特定せよ!」。次に特定するのは、人物ではなく日時である。

写真に写るのは3人。中央に舞妓さん、そして舞妓さんを挟むように男女が両端に立っている。向かって右側にいる女性は、京都にある天台宗の寺院「三千院」の御朱印を持っていた。

「三千院 御朱印」で検索すると、数多い種類の御朱印がヒットする。写真に写るのは金色の御朱印である。調べると、金色の御朱印は「毎月28日」と「金色不動明王立像の御開帳期間」にしかもらえないらしい。「御開帳期間」は4月中旬~5月中旬、10月末~11月末とされている。

続いて注目したいのは、舞妓さんの姿。まずは「舞妓 着物 季節」で検索するも、日付については特定できなかった。しかし、この検索で「花をあしらったかんざしは月によって花の種類が決まる」という情報に行き着いた。写真を見ると、舞妓さんが付けているかんざしは桔梗の花。桔梗の花のかんざしは、舞妓さんが9月に付ける物。よって、写真が撮られたのは9月28日!

写真に写るわずかな情報から、人物だけでなく日時まで特定できた。SNSに画像をアップする際は、慎重を期する必要があるな……。

■あえてベッキーを起用する大人のセンス


 この番組のコンセプトは「写真からの特定」。現代の核心を冷酷に突いているのだ。見落としがちなSNSの恐ろしさを白日の下にさらした格好。SNSやブログを活用していると、知らず知らずに素性を漏らしているかもしれない。「石橋を叩いても渡らない」つもりでいたのに気づかないうちに渡っていて、しかも橋の上で転ぶハメになりかねない。そんな、ネット時代ならではの事故の可能性を提示している。しかも、特定の魔の手はどこからやって来るかわからない。「全人類がリサーチャー!」という文言は言い得て妙である。

あと、「要潤は投げる時だけ左利き」「花をあしらった舞妓のかんざしは月替わり」など、マニアックな雑学を紹介しているのも憎い。ひそかに情報番組のテイもなしているのだ。

最もエスプリが効いているのは、MCをベッキーが務めているということ。「ゲスの極み乙女。川谷絵音とのLINEのやりとりを週刊誌にさらされた経験を持つ彼女。この意味深な起用は、決して偶然ではないはずだ。特定された経験を持つ彼女が仕切るなんて、説得力がありすぎる。

コンセプトもキャスティングも、大人のユーモアが発揮されている。ちょいブラックなセンスが心に掻き傷を残す番組である。

(文=寺西ジャジューカ)

あなたにおすすめ