『リーガルV』米倉涼子、“木村拓哉化”で着せ替え役者の仲間入り 『ドクターX』の魔力に抗えず

日刊サイゾー

2018/10/12 22:30


 米倉涼子が主演を務めるドラマ『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレビ朝日系)の第1話が11日に放送され、平均視聴率15%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好スタートを切りました。

かつて、大手法律事務所『Felix & Temma法律事務所』に勤務していた小鳥遊翔子(米倉)は、ある理由から弁護士資格を剥奪され海外へ逃亡。しかし、古巣への復讐を果たすべく帰国します。

そして、弁護士資格があるものの実務経験がない元大学教授の京極雅彦(高橋英樹)を代表弁護士に立てて京極法律事務所を設立。若手弁護士・青島圭太(林遣都)らスタッフを次々とスカウトし、自分は管理人の名目で事務所に住み込みます。

事務所立ち上げから間もないある日、会社員の安田勉(アンジャッシュ・児嶋一哉)が、電車内で女子大生・三島麻央(山谷花純)に痴漢を働き駅員にひっとらえられる現場に青島が遭遇。青島は安田に名刺を渡し、クライアントをゲットしたと喜び勇んで事務所へ戻ります。

しかし、痴漢事件は無実を証明するのが難しく、公判を行えば依頼主の社会的地位や家庭の平穏を乱すことになる。おまけに大した弁護料も請求できないということで、小鳥遊はさっさと示談で解決するよう青島に指示を出します。

ところが、安田が一流企業『君島化学』に勤め、300億円の価値があるバイオ技術の開発者であり、その特許出願の日に痴漢事件が起こったことを知ると、小鳥遊は目の色を変えて安田の弁護に乗り出します。

事件が起こった電車やホーム、麻央が働くキャバクラや通い詰めているホストクラブを調査して回った小鳥遊は、得意の鉄道の知識を活かし、鉄道研究家として法廷に立つことに。そこで、毎日通学に使う電車にもかかわらず乗り換えに不都合な車両に乗っていたことや、途中下車できたはずなのに同じ車両に乗り続けたことなど、麻央の行動の矛盾点を指摘。すると、虚偽の証言をした罪の重さに苛まれた麻央が泣き崩れ、安田の無罪が決定するのでした。

事件の裏にあったのは、安田の技術力の高さに嫉妬した同僚の陰謀。彼は50万円の報酬で痴漢をでっち上げるよう麻央に依頼したのでした。ところが、そのことを麻央がホストクラブでベラベラとしゃべってしまい、小鳥遊はその隠し撮り動画を脅しのネタにして、君島化学に損害賠償を請求。安田の無罪を勝ち取っただけでなく、大企業を手玉にとったところで今回は終了となりました。

さて感想。主演・米倉涼子×テレビ朝日の木曜21時枠×企画にオスカープロモーションの古賀誠一氏が参戦ということで、制作が発表された時は、大ヒットシリーズ『ドクターX~外科医・大門未知子~』(同)の設定そのままに舞台を法廷に移し替えただけなのだろうな、と予想しました。

ところが、大門がフリーランスのスーパー外科医という設定だったのに対し、今回の小鳥遊は弁護士資格を剥奪されたため法廷では何もできず、代わりに部下たちを駒として使う、ということが発表されると、『ドクターX』とはまったく異なる路線になるのではないか、米倉の新たな代表作になるのではないかと期待が高まりました。

しかし結論からいってしまえば、『ドクターX』のデジャブ感が強く感じられ、米倉は大門にしか見えませんでした。というよりも、“他人に媚びない勝ち気な米倉涼子”に別の役を着せ替えただけ。木村拓哉がどの役に挑んでも同じに見えてしまうのと一緒です。

わざわざ珍しい苗字・小鳥遊(たかなし、と読む)にしたり、鉄道マニアだったり高級ブランド好きだったりと、キャラ付けに必死になればなるほど、見てるこちらとしては逆に大門の存在を意識させられてしまうんですよね。

しかも、せっかく米倉を大門のイメージから引き離そうとしているのに、脇役たちが『ドクターX』とまったく同じ記号にされちゃってるんですよ。恩師の京極について事務所入りしたヤメ検弁護士・大鷹高志役の勝村政信は、『ドクターX』で大門にいつも噛みつく加地秀樹そのままの役どころ。君島化学へ損害賠償を請求しに行った時の京極は、大門の高額な手術料を取り立てに行く時の神原晶(岸部一徳)を高橋が演じているだけにしか見えませんでした。

『ドクターX』から離れようとしたものの大ヒット作の魔力には抗えず、制作陣が無意識に引き寄せられてしまった、という感が否めません。そしてその結果、凡作になってしまったようです。

ネット上では、米倉が大門のイメージを払拭するために『ドクターX』の続編を拒否しただとか、今年5月に「女性セブン」(小学館)によって脳神経外科に緊急入院したことが報じられた岸部一徳の出演見送りで別ドラマになっただとかさまざまなウワサがありますが、それならばコンセプトもキャラもまったく異なる作品が見たかったな、というのが率直な意見です。ただ、まだ初回なので、次回から方向転換があることを期待しつつ放送を待ちたいと思います。

(文=大羽鴨乃)

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