よーい、スタート!「京都国際映画祭2018」世界遺産・西本願寺で開幕

Walkerplus

2018/10/12 21:39

10月11日(木)、「京都国際映画祭2018」が開幕した。5回目の節目となる今年は、昨年に引き続き世界遺産の西本願寺でオープニングセレモニーを実施。セレモニーに先立ち、レッドカーペットでは関係者や出演者、アーティストらのインタビューも行われた。

本映画祭のアートプランナーを務めるおかけんたは「勝負ネクタイ」デザイン公募展を担当したミキの2人、藤井大丸で「FLOWER CHILDREN SECOND」を展示している米原康正、元淳風小学校にアート作品「巨人の歯」を展示する山本麻紀子、今いくよ・くるよのフィギュアをアート化した作品などを京都競馬場や崇仁新町などで展示するpadGALLERYの2人、ライブパフォーマンスやワークショップなども行う書家の山内美鳳らと登場。「夢あるなぁ」というテーマについての質問を受け「若者からどうやって夢を描いたらいいのかわからないという声を聞いた。そこで、今年は、ひとりが夢を見るだけでなく、みなさんで共有して、みなさんで楽しんでいただくことをひとつの夢と考えた。そういったものが次の世代に受け継いでいただけたら」と期待をかける。

また、「京都国際映画祭」がアートに力を入れていることについては「映画の大道具、小道具が伝統工芸からスタートしていることを知り、広い意味でのアートや工芸を楽しんで美術館に行ったりするきっかけになれば」と語る。

また、今回の映画祭では2015年9月に国連で採択された世界共通の目標「SDGs(エスディージーズ)」を伝えることにも力を入れている。SDGsはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略で、この地球を次世代につないでいくために採択された、世界共通の17の目標を言う。本映画祭ではこれと連携し、10月12日には「SDGs花月」と題し、新喜劇やお笑いにSDGsの17の目標を織り込み、笑いとともに伝えていく。西川きよしは「SDGsの17項目を新喜劇や漫才のネタにするのは本当に難しいと思うんですが、もっともっとこれからも、笑いを通じて広めていきたい」と意気込む。

本映画祭では特別招待作品やワールドプレミアも上映される。「あいあい傘」がワールドプレミアとなる宅間孝行監督は「小道具や映像から、いろんな所に日本を意識してもらえるよう作り込んだ。主演の倉科さんも大熱演なのでそこも期待して」と自身のほどをのぞかせる。共演のトミーズ雅も「本当にいい映画で、泣けます。泣きたい人はぜひ」と自信満々だ。

一方、奥山和由プロデュースの「エリカ38」は本作を企画し、出演もしている樹木希林の死去を受け、制作発表からレッドカーペットでのインタビューに急遽変更になった。主演の浅田美代子も「希林さんと一緒に来れるのを楽しみにしていました。この作品が希林さんにとって遺作と言われていて。私としては、すごく申し訳ない気持ちでいっぱいです」と胸の内を明かす。奥山は「企画の隅々にまで、希林さんの想いっていうのが行き渡っている映画」と語る。現在は完成第1段階までできあがっているそうで、公開が待たれる作品だ。

最後に本映画祭実行委員会の中村伊知哉実行委員長と中島貞夫名誉実行委員長が登場。中村委員長が「今回は、なんといっても中島監督の20年ぶりの本格作品『多十郎殉愛記』をワールドプレミア上映できるというのが光栄」と語ると、中島名誉実行委員長は「本作は徹底したチャンバラ映画。チャンバラは実は日本が作りだしたパフォーマンス芸術のひとつの頂点。日本映画の歴史の結集を、チャンバラで示してみたいと思い、作りました。京都国際映画祭のイメージ作りにも役立ててもらえれば」と作品にかける思いを熱く語った。

その後、西本願寺の建物の一つで、国の重要文化財にも指定されている南能楽堂でオープニングセレモニーが実施された。客席はなんと国宝の鴻の間だ。祇園甲部の芸妓衆による「七福神」「花づくし」の手打ちの後、中島貞夫名誉実行委員長の「よーい、スタート」の声でセレモニーが開始された。

セレモニーでは「京都国際映画祭2018」のアンバサダーを発表。今年のアンバサダーには奥山和由プロデュースの「遠き落日」で野口英世の母を演じた三田佳子が就任した。「清濁併せ持って人生は作られていく」と語る三田は「今後、女優として最後までやっていきたい」と、女優業への執念を垣間見せた。

さらに、世界的に著名な監督や作品などに贈られる「モスト・リスペクト賞」は中国の「曹操と楊修」に出演の尚長栄らに、映画監督に対して贈られる「牧野省三賞」は降旗康男監督に贈られた。降旗とほぼ同期の中島貞夫は、降旗の受賞について「自分を大事にしながら作品を作る人。高倉健と組んで19本もの作品を撮ったのは誠実さの表れ」と授賞理由を語る。体調を崩し来場できなかった降旗からは「何としても体を治して、京都に戻ってまたここで映画を撮りたい」というメッセージが伝えられた。これに対し中島は「フルさん、もうういっぺん頑張ろうよ」とエールを送った。

また、俳優に贈られる「三船敏郎賞」には佐藤浩市が輝いた。奥山は「狂気をはらんだ役から屈折した男、人間味あるリーダー役、超大作の主役からヒーローまで、どんな役でも悠々と軽々とこなす佐藤さんの演技力の余裕にはほれぼれします。現代の日本映画界の大黒柱である佐藤浩市さん、これからも日本の映画界を支えてください」と授賞理由を述べた。

京都国際映画祭は10月11日(木)から14日(日)までの4日間、京都府内の各所で映画の上映やイベント、アート展示、ワークショップ、新喜劇など幅広いジャンルの作品に触れることができる。日本映画発祥の地・京都だからこそできる催しに出かけてみよう。(関西ウォーカー・鳴川和代)

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