ユニクロ、ワイヤレスブラ大ヒット! 市場トップの下着メーカー・ワコールを凌ぐ3つの理由


 バストを支える“ブラジャー(以下、ブラ)”は、毎日頑張る女性にとって欠かせないパートナー。そんなブラを女性の元に届ける下着メーカーの中でも、長年市場のトップを走っているのが「ワコール」です。しかし近年、女王・ワコールをしのぐほどの人気を博しているのが、カジュアルファッションブランド「ユニクロ」のワイヤレスブラシリーズ。低価格路線のユニクロが高級感のあるワコールを駆逐しているようにも感じますが、もはやブラジャーのトレンドそのものが変化している様子。そこで、ランジェリースタイリストとして活躍する中根菜穂子さんに、畑違いの「ユニクロ」が市場を席巻している理由や、人気のブラの特徴について伺いました。

■価格以外の3つの魅力

ユニクロが本格的に女性用下着の販売に乗り出したのは2008年のこと。ブラカップ付きキャミソール「ブラトップ」が登場すると、たちまち人気を集め、ユニクロの定番商品になりました。その後、16年には「ワイヤレスブラ」の販売が始まり、1,990円という価格も相まって市場を拡大しています。

「ユニクロのブラが人気を獲得した背景には、2,000円以下というリーズナブルな価格設定だけでなく『気軽に買える』『サイズがわかりやすい』『装着が簡単』という、3つの理由が考えられます」

1つ目の「気軽に買える」点は、ユニクロの接客スタイルが大きく関係しているそうです。ユニクロといえば、客から質問されて初めて店員が対応する接客スタイル。そのため、店員とのコミュニケーションが苦手な人にとっては、買いやすさを感じる要素になっているのだとか。

「ユニクロのブラは、S・M・L……と、サイズ展開がとてもシンプル。下着メーカーのブラのように、アンダーバストやカップ数を測らなくても、大まかなサイズ感でブラを購入できるのは、ユニクロならではの商品展開ですね」

また、中根さんはユニクロブラ最大の特徴は、3つ目の「装着の簡単さ」にある、と話します。

「ユニクロのワイヤレスブラは、ワイヤの代わりに柔らかいウレタン樹脂を使用して、ほどよくバストを支える構造になっています。この場合、簡単に装着できて、体のシルエットが美しくなるのが最大の特徴です。一方、機能性が高い下着メーカーのブラの多くは、体形に合ったサイズのブラを正しく装着しなければ、本来の能力を発揮することができません。その手間をかけたくない、という女性もユニクロを選ぶ傾向があるようです」

下着メーカーのブラは機能性が高い半面、着ける位置や着け方が重要なため、ストラップの調節をするなど、着けるコツをつかむ必要があります。中には、店舗で販売員からレクチャーを受けなければならないものもあり、そうした煩わしさが下着メーカーのブラから離れてしまう原因になっているはず、と中根さんは話します。

安くてカンタンと、いいことずくめに思える「ユニクロワイヤレスブラ」ですが、年齢によるバストの変化をカバーするのは難しい、とも。

「バストの安定感という面において、ワイヤレスブラでは限界があります。『エイジングを緩やかにして、バストの美しさを保ちたい』『最近、自身のバストの下垂が気になってきた』という方は、下着メーカーのブラがおすすめです」

一方、業界トップの「ワコール」のブラには、どのような特徴があるのでしょうか?

「日本国内の下着メーカーにおいて、ジュニア向けのものからシニア向けのブランドまで展開しているのはワコールのみです。また、価格帯についても10~20代女性向けで1,000円台のものから、2万円を超えるブラまで幅広く販売しています。女性の体形や年齢変化に合わせて細分化し、顧客ニーズに応えた商品を作り続けてきたのがワコールの特徴ですね」

また、ワコールは女性の体が年齢によって変化する「エイジング」を研究する「人間科学研究所」という機関を所有していることも大きな強み、と中根さん。

「同研究所では女性の体形変化を研究し、商品に生かしています。そのためワコールのブラはエイジングを緩やかにしつつ、年齢を重ねた女性の体を美しく見せる点に関しては、他ブランドに比べても、とても優れていますね」

幅広い年齢に対応したワコールのブラは、アンチエイジングを意識して身に着けられることが、最大のメリットになっているようです。

「ただし、装着方法や身に着ける位置を間違えるとワイヤを不快に感じたり、せっかくのアンチエイジング効果が発揮されない可能性があります。そのため、正しい着け方・着け位置・ストラップ調節がわからない方は、販売員からレクチャーを受けるのが理想ですね」

気軽に購入できるユニクロと、アンチエイジング効果が得られるワコール。もともと双方のニーズが異なるため「実際は、それほど客の取り合いは起きていないのでは」と、中根さんは指摘します。

「ランジェリースタイリストとして、これまで多くの女性に関わってきたのですが、ブラへのこだわりは十人十色です。美容系のお仕事をされていても、ブラには興味がなく長年『ブラトップ』を愛用しているという女性もいれば、好きな下着メーカーにこだわりがあり、シーズンごとに買い替えるという女性もいます」

ブラは通常、他人に見られることを個人が想定していないため、服に比べて興味や関心の差が表れやすいとのこと。そのため、ユニクロ派と下着メーカー派では、ブラに求める要素が違うようです。

ただ「ユニクロのワイヤレスブラの登場が、ブラ業界に大きな影響を与えたことは間違いない」と中根さん。

「近年、ユニクロに対抗して、各下着メーカーが開発しているのが『第三のブラ』と呼ばれるシリーズです。『第三のブラ』とは、ワイヤの代わりに柔らかい樹脂や、プラスチックのプレートが入っているものを指し、ワイヤブラと同程度の力でバストを安定させながら、装着も簡単。このようなブラの種類が増えていくことは、女性たちにとっては選択肢が増えてうれしい展開かもしれませんね」

「ユニクロワイヤレスブラ」や「第三のブラ」の登場によって突入した、ブラジャー戦国時代。これを機に、自分にとってベストなブラを選んでみてはいかがでしょうか?
(真島加代/清談社)

中根菜穂子(なかね・なおこ)
大手下着メーカー入社後、大手百貨店にてリーダー職に就き、6000人の女性の下着の悩みを解決。ランジェリースタイリストとして独立後は、メディアや百貨店イベントなどで精力的に活動中。

中根菜穂子さん公式ブログ
https://ameblo.jp/lingerie-life/

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