新しい地図はジャニーズ事務所の圧力を逃れて成功、草なぎ剛「自分の選択間違っていなかった」

wezzy

2018/10/12 06:15


 稲垣吾郎(44)、草なぎ剛(44)、香取慎吾(41)の3人が、SMAP時代と変わらぬ活躍を続けている。2016年12月31日にSMAPが解散し、3人は2017年9月8日にジャニーズ事務所を退所。そして昨年9月22日に共同の公式ファンサイト「新しい地図」を公開し、再始動した。

3人は、元SMAPのチーフマネージャーでジャニーズ事務所を退職した飯島三智氏が立ち上げた株式会社CULENに所属しており、CULENには飯島氏のほかにもジャニーズ事務所を退職したスタッフが集結しているとも言われている。「新しい地図」とは、稲垣、草なぎ、香取で結成したグループ名ではなく、むしろスタッフもクリエイターもNAKAMAも「みんな『新しい地図』」だという。

スタート前から周到な計画があったと思われるが、それが見事に結実。「新しい地図」始動から1年が過ぎたたわけだが、彼らの活動は至って順調だ。民放のテレビ番組での露出こそ減ったものの、インターネット配信の番組、映画、舞台、ラジオ、雑誌の連載、CMなど、テレビ以外のフィールドでは、3人3様に活躍している。

SMAP時代とは異なりSNSも活用し、それぞれがTwitterアカウントを開設したほか、稲垣はアメーバブログ、草なぎはYouTube、香取はInstagramのアカウントを開設。それぞれの持ち味を活かした投稿が好評である。9月19日~10月3日には、パリ・ルーブル美術館で香取の個展も開かれた。
香取「ゼロからのスタートじゃなかったと気付いた」
 10月7日放送のインターネット番組『7.2 新しい別の窓』(AmebaTV)では、「3人だけのホンネトークinパリ」として稲垣、草なぎ、香取の3人がこの1年間を振り返りながらトークを繰り広げた。香取の個展に際して3人がパリを訪れた時に収録されたという。

およそ1時間に渡るトークで、3人が語ったのは、「新しい地図」始動に際しての不安や葛藤、自分たちを支えるスタッフや共演者やファンへの感謝、SNSとの関わりについてなどだ。3人の口から「SMAP」「ジャニーズ」といった単語は一切出てこなかったが、「新しい地図」として動き出した時期については「その時結構マスコミとかにも追われてたから、隠れて僕ら会ってたりとかしたから」(草なぎ)、「あの頃はやっぱりこっそり会って静かに話して」(香取)と語るなど、当時は相当に警戒していたという。

香取いわく、当初は「ゼロになろう」「ゼロからスタート」と思っていた。「だけど本当に応援してくれるファンの皆さんがいたから『ゼロじゃなかった』って何カ月か経って気づいた」「だけど今思ったのはもっと前にゼロじゃないよね。こんなプロジェクトを一緒に作ってくれる人たちがいたからゼロではなかったよね」。新しく仕事をすることになった人だけでなく、「今までお仕事で一緒に色んな経験させてもらった方々がもう続々と登場してくれた」とも。10代の頃から30年近くSMAPとして活動してきた3人にとって、「新しい地図」は新感覚であり冒険だったが、しかしジャニーズ事務所を離れたからといって長い歳月の中で彼らが積み重ねてきた経験や実績や人脈が無になったわけではなかったのだ。

時代の空気にマッチした「新しい地図」
 「まぁでも必死だったね。今も必死だけど。必死だよ」「(この1年が)ここまで大きな一歩になるとは思わなかったけど」と言う草なぎも、香取同様、スタッフの存在が「すごい心強かったし、新しい世界に飛び込んでいけるのかなって幸せな気持ちになった」という。そして1年が経ち「やっぱり自分の選択って間違っていなかったんだなって思う」。

そんな草なぎの「いろんな選択肢ってあったじゃん。だけど僕らってさ今もうグループじゃなくて一人一人だと思うの。でもそれは何度も言うけど、慎吾がそっち行くからとか吾郎さんがそっち行くからじゃなくて、たまたま一緒だったっていうか。そこがなんかもう違う、前と違うっていうか、一人なんだけど一人じゃないっていうか、その感覚は初めて」という言葉も印象的だ。

かつてのようにきっちりグループを結成するのではなく、強固な絆で団結するというわけでもなく、どちらかというとゆるい感覚でつながっている3人。10代の頃から同じ事務所の同じグループに所属し苦楽を共にしてきたアイドルたちが40代を迎えた時の、在り方のひとつだと思う。その開放感は今の時代と絶妙にフィットする。権力側の決めた理不尽なルールや、業界倫理や“仁義”にばかり寄り添うのではなく、自分の頭で考える彼らの姿は、一般の共感を呼んでいる。
稲垣吾郎が殻を破った瞬間
 昨年11月の『稲垣・草彅・香取 3人でインターネットはじめます 72時間ホンネテレビ』(AbemaTV)のエンディングで、1996年にSMAPを脱退した森且行(44)のメッセージが流れた時、稲垣が涙を流した。草なぎはこの涙に驚き、香取にとっても想定外だったという。「感情を表に出すのは好きじゃないというか、出しちゃいけないと思ってる」という稲垣にとっては、美学に反する映像でもあるが、しかし「素っ裸でいけるようになったよね、あれから。何か剥がれたというか、自分の中でも。今まで絶対に守ってきたというか、見せたくなかったもの剥がれたというか。それは自分にとっては解放でもあった」と、これまでの殻を破った瞬間を振り返った。

「俺たちまだまだ本気出していないよね」「やりたいことがいっぱい」と語る3人。10月12日からは、草なぎが主人公・アンジェリーノの声優を務めるアニメ映画『ムタフカズ』が全国ロードショーとなる。映画といえば稲垣も主演映画『半世界』の公開を来年に控えている。11月には稲垣の主演舞台『No.9-不滅の旋律-』、12月には香取の出演舞台『日本の歴史』、草なぎの主演舞台『道』が上演予定だ。来年1月1日には『7.2新しい別の窓#10 お正月SP』を生配信し、2月にはファンのNAKAMAとのMEETINGを全国5カ所で行う予定だという。映画「クソ野郎と美しき世界」の第2弾の公開も待ち遠しい。

アイドルの「中年以降」の生き方
 昨年9月22日にオープンした「新しい地図」の公式ファンサイトの動画には「逃げよう。自分を縛りつけるものから。ボーダーを超えよう。塗り替えていこう。自由と平和を愛し、武器は、アイデアと愛嬌。バカにされたっていい。心をこめて、心を打つ。さあ、風通しよくいこう。私たちは、新しい地図」というメッセージがあった。その風通しの良さを、今の時代は求めている。コンプライアンス強化や働き方改革、様々な差別への反対運動、ハラスメント告発など日本でも毎日目まぐるしい動きがあり、これを「うるさい、窮屈だ」と見る向きもあるが、逆だろう。これまでの社会で窮屈な檻に押し込められてきたマイノリティや労働者を解放すべく、こうした動きが全世界的に盛り上がっているのではないか。

SMAPに限らず、ほかのジャニーズのアイドルグループでも、女性のアイドルグループでも、メンバーの多くは10代の頃に活動をスタートさせる。やがて芸能活動引退を選択するメンバーもいる一方で、20代、30代、40代……と長いスパンで芸能活動を継続していくメンバーも少なくない。SMAPは解散したが、TOKIOやV6やKinKi Kidsは、メンバーが年齢を重ねるに伴いソロでの活動が増えつつも、活動を継続。不祥事を起こしたメンバーが脱退することはあれど、解散せず“おじさん年齢のアイドル”として活躍している。

他方、モーニング娘。AKB48のような女性アイドルグループは、メンバーの卒業と新加入という新陳代謝を繰り返しながら存続している。男性と女性で活動の仕方やファンの受け入れ方が大きく異なることは、良くも悪くも興味深い。

いずれにしても、10年、20年と歳月が流れていく中で、メンバー自身も年齢を重ね、仕事に対する価値観やライフスタイルは変化していくだろうし、時代も変化する。「新しい地図」として彼らが切り拓く道は、後輩たちにとってもひとつの道しるべになるだろう。

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