広末涼子、駆け抜けた“平成”「おばさんになったら女優を辞めたいと思ってた」

クランクイン!

2018/10/12 06:00

 「駆け抜けたって感じかなあ(笑)。それは女優としても、女性としても」。デビュー、結婚、出産を経験した平成という時代についてそう語るのは、女優の広末涼子だ。10月12日にスタートする金曜ナイトドラマ『僕とシッポと神楽坂』(テレビ朝日系/毎週金曜23時15分)ではシングルマザーの動物看護師を演じる彼女に、母になったことで経験した変化、女優として目指す境地などについて語ってもらった。

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たらさわみちの同名漫画を基にする本作は、若き獣医師・高円寺達也(相葉雅紀)が、動物看護師のトキワ(広末)や、動物たち、その飼い主たちと織りなす心温まる日々を描く。トキワに共感する部分を聞くと広末は「全てのものに対して、すごくまっすぐで、一生懸命で、愛情深くて、正義感の強いところ」と頬を緩ませる。

1995年、15歳の時にCMで芸能界デビューを果たすと、空前のヒロスエブームを巻き起こし、ジャンルを問わずさまざまな作品に身を投じてきた広末。トキワはシングルマザーとして一人息子を育てているが、広末自身も母親である。幼少期から物語が大好きだったという彼女は、初めて母になった頃を「芸能界から離れたことで、本当に久しぶりに、自分が観客になれた喜びがあって、初心に帰らされました」と述懐する。

母になる前の時期は、アウトプットすることに腐心し、周囲の評価や雑音にも気を取られていたと言い「テーマがないドラマじゃ意味がないとか、役に対する枷がないといけないという風に凝り固まったり、武装していたことに、離れたことで初めて気づかされて」としみじみ。母になることで、そうした自縄自縛の状態を脱したという彼女は「作品に関わっていくのがさらに楽しくなって、役を頂けるありがたみも改めて感じられるようになったんです」と振り返る。

「家に帰ったらスイッチを切り替えないといけない現実や生活があることで、逆に集中力が増したり、引きずり過ぎない。限られた時間の中で、自分のできる限りのことをするという集中力が生まれたりと、プラスに考えて今は向き合えている気がします」。そう語る広末も、今年の7月で38歳になった。

「若い時は正直、おばさんになったら女優を辞めたいと思っていました」と笑う彼女に、現在は年を重ねていくことをどう捉えているのか問うと「アンチエイジングじゃなくて、ウェルエイジング」と笑顔。ある監督の「広末さんは、年相応の役ができる女優さんだから、またご一緒しましょうね」という言葉で、年齢に対する考え方に変化が生まれたとも明かす。

「それは年齢に合った役がずっとできる女優さんだから、おばあちゃんになったらおばあちゃんの役ができますよという意味。女優としてはすごい誉め言葉だなと。若くて綺麗だから今使いたいではなくて、50代になったら、その視点やリアルに体感しているものが出せる女優さん、という風に言っていただけたと思ってから、女優に対する観念が変わったんです」。

そんな広末は、2018年はコントにも初挑戦し、ラジオドラマではストリッパー役を務めるなど、意欲的な日々を過ごしてきた。最後に女優として目指すものを聞くと、本作で徳丸先生役を務めるイッセー尾形や、先日亡くなった樹木希林さんを例に挙げて“年齢を重ねることで生まれる説得力のある芝居”だと答えてくれた。

「やっぱり、あの年代の方になると、アドリブやセリフや呼吸にも、どこか説得力があるんです。そういった今見えていない境地が表現できる女優さんになれたらいいな。そういう意味で、10代・20代で見えていなかった視点が私にもできていると考えると、50代・60代になったら、今の30代の私なんて『こんなに視野が狭かったのかな?』と感じられるんじゃないか。そう思うと、わくわくしますね」。(取材・文・写真:岸豊)

金曜ナイトドラマ『僕とシッポと神楽坂』は、テレビ朝日系にて10月12日より毎週金曜23時15分放送。

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