お願い!気がついて。だって「口が臭い」なんて言えない……口臭チェック&対策法

マイロハス

2018/10/10 22:45


歯や歯医者さんにまつわる疑問に答える、「歯や歯医者さん基本のき」。Vol.6のテーマは、口のにおいの問題です。口臭が問題になるのはどういうときなのか。対処法とは? 医療法人メディスタイル理事長で、歯科医師の徳永淳二先生にお聞きします。
口臭

Q.そもそも口臭とは何なのでしょうか?


口臭は大きく分けて2通りにわけて考えられます。口から出てくるにおいと、胃腸から上って口から出てくるにおいです。その背景にもさまざまな原因があり、さらに細かく原因を考えると、口臭の原因には次のような5つのタイプがあると思います。それぞれがお互いに関係してくることもあります。
  1. 口の中の雑菌が増えるためににおいが出ているタイプ。
  2. 病気(口の中、のどや鼻、全身)によってにおいが出ているタイプ。
  3. ニンニクやネギなどの食べ物、たばこやお酒などの嗜好品からのにおいが出ているタイプ。
  4. 朝起きたときや空腹のときなどに、身体そのものにおいが出てくる、生理的なにおいが問題になるタイプ。
  5. 心理的な影響によりにおいがないのに口臭を感じてしまうタイプ。

いずれのタイプでも共通して問題となるのは口の中の乾きなのです。というのは、口の中が乾くと、口の中の流れが悪くなり、雑菌が増えやすくなりますし、ほかの問題についても口の中の乾きは無縁ではないからです。口の中の唾液が減って雑菌が増えると、口臭につながります

時として、卵が腐ったにおいと表現されることもある「揮発性硫黄化合物」と呼ばれる化学物質が発生します。また、口で呼吸するくせのある人は、口が渇きやすくて口臭が出やすくなります。

糖尿病、腎臓病、ストレスなども口の渇きの原因になります。女性に多いシェーグレン症候群のようなドライマウスが主な症状になる病気も口臭につながりやすいのです。そのような時には、たいてい舌に異常が出ますので、口腔外科に相談すると良いでしょう。

ほか病気との関係では、歯周病や虫歯になると細菌が増えてきますのでにおいが発生します。このほか鼻やのどの病気でもたんなどはにおいの原因になります。呼吸器や消化器などの病気、糖尿病、腎臓病、肝臓病なども口臭の原因になるのです。においなかなか消えないのが特徴です。
口臭

その他に、食べ物や嗜好品による口臭があります。ニンニクやネギのにおい、お酒やたばこのにおいが代表的でしょう。それぞれ口の中ににおいを残しますが、一時的なもので時間と共に消えていくことが多いです。また、朝起きたときや空腹の時には、身体自体のにおいが出やすく、生理的なにおいと言われ、口臭として認識されることがあります。

また、自分の口臭はたとえ口がにおう場合であっても自分自身で気がつきにくいものです。ところが、心理的な問題によって、本当はにおいなどないにもかかわらず、においを感じてしまうこともあります。

Q.女性はどのように気をつければ良いでしょう?例えば、女性ホルモンは口臭と関係がありますか?


女性の口臭は、女性ホルモンと関係があります。口の中の乾きに関わるからです。というのも、口の中で唾液を出している「唾液腺」が女性ホルモンの影響を受けています。女性ホルモンが盛んに出ているときは、唾液が出やすいのですが、逆に更年期や老化で女性ホルモンが減ると唾液が出にくくなります。そうすると、口の中が乾きやすくなるために口臭が出やすくなるのです。

ストレスを受けたりしても、女性ホルモンが減って口の中が乾きやすくなります。口臭を感じた時には、体全体の健康や日常生活に目を向けてみると良いでしょう。原因と思われることがあれば、それぞれの医者に相談すると良いと思います。

Q.口臭の原因となる病気について教えてください。


口臭が何か?という最初のところで触れた点をさらに詳しくみていきましょう。病気、または生活習慣と口臭との関係を考えると、3つのパターンがあると思います。
  1. 歯周病や虫歯などの口の中の問題が単独で口臭を出すパターン。
  2. 全身の病気が口の問題を起こして口臭を出すパターン。
  3. 全身の病気そのものが直接、口臭につながるパターン。
歯の病気

まず1.口の周りの病気や生活習慣が口臭につながるパターンです。歯周病や虫歯といった病気は、口の中で細菌が増えるもので独特な口臭を引き起こします。特に歯周病の時には、自分では気付きにくい独特な口臭があることが多いです。また、生活習慣によるものとして、歯みがきをさぼったりすると、歯垢、歯石、舌苔がたまり口臭を出すことがあります。唾液の減少や入れ歯を使っている場合には掃除不足といったことも口の中のにおいにつながります。

次は2.全身の病気が口臭を引き起こすパターンです。最初にお伝えしたように、口の中の乾きの原因になるという点が大きいです。口の中が乾くことで、雑菌が増えてにおいを発生させます。また、鼻や喉の病気、呼吸器の病気、消化器の病気があっても、口からにおいを出すことがあります。卵が腐ったようなにおいとお伝えしましたが、揮発性硫黄化合物のにおいで、たんぱく質が腐るときに出てくるにおいなのです。最初に触れていますように、糖尿病、腎臓病、ストレスなどのほか、女性に多いシェーグレン症候群のようなドライマウスの症状も問題になります。

また、3.全身の病気そのものが、口臭につながることがあります。例えば、糖尿病ではアセトンと呼ばれる、化学的なにおいがすることもあります。肝臓の病気ではアンモニアのにおいがすると分かっています。トリメチルアミン尿症と呼ばれる病気では、魚が腐ったようなにおいがすると知られています。

Q.日常的に口臭のセルフチェックをどのように行えばいいでしょうか?


口臭のチェックでは次のような点を確認してはいかがでしょうか。口の渇きや歯周病が口のにおいの元になることに加えて、歯の治療の状態、全身の病気の状態などが口臭につながりますから、その辺りから口のにおいが出ている可能性を知ることができます。

口臭のチェックリスト

  • 口が渇いている?
  • 口の中がねばつく?
  • 舌がくっつきやすい?
  • 舌が白くなっている?
  • 歯茎から血が出る?
  • 歯茎が腫れる?
  • 入れ歯をしている?(インプラントは入らない)
  • 歯医者さんでの治療を受けた歯が多い?
  • 歯並びが良くない
  • 食べ物が歯にはさまる?
  • 歯の治療を途中でやめたことがある?
  • 虫歯が多い?
  • おなかが弱い?
  • 糖尿病や腎臓の病気がある?
口臭

Q.口臭が気になるとき歯医者さんにはどういったタイミングで行くと良いでしょう。どのような歯医者さんにいけばいいですか?


チェックリストをもとに確認を行って、複数の項目に当てはまるときには歯医者さんに相談すると良いでしょう。歯医者さんは口臭だけではなく、口の中の問題はもとより、生活全体に目を向けて、原因となる病気の解決を一緒になって考えてくれるところが良いでしょう。唾液量の検査をしてもらえると良いと思います。「サクソン検査」や「安静時唾液量検査」といった方法があります。

さらに歯周病は口のにおいと関係しますから、歯周病の対応をしっかりしてくれるところがいいと思います。口臭は口の中だけの問題ではありませんから、全身の病気と口の中の状態との関係を一緒に考えてくれるところがいいでしょう。

Q.口臭の検査とはどんなものでしょうか。


口臭の検査は、機械を使った検査と医師が直接においをかぐ検査があります。機械はガスクロマトグラフィーや半導体ガスセンサーというものがあります。半導体ガスセンサーが普及しており、揮発性硫黄化合物を検出するのに向いています。ほかの物質を検出するのは難しいですので、ほかの方法に頼ることになります。

ガスクロマトグラフィー検査は専門的な検査で機器も高価なので一般的でありません。医師が確認をして、問題を一緒に考えるのが実際の診察になってくるでしょう。

ただし、口臭の検査機器はさまざまありますが、普及している機械ですと、調べられる原因は限られていますので、第一に必要となるのは、歯科医師や歯科衛生士が実際ににおいを確認することだと考えています。

Q.口臭はどのように治すことができるのでしょうか?


口臭を治すためには、まずは原因を特定することが大切になります。ここでご説明した口臭の原因の中からご本人に当てはまる問題を突き止めることになります。生理的な口臭や食事による口臭でしたら一時的なものですが、病的な口臭でしたら、その原因になる口の病気や全身の病気を治療することになります。ストレスや心理的な問題があるならば、カウンセリングなどで問題を解説する必要があるかもしれません。

診察の期間は、原因によって変わってきます。初診で検査を行って、数回の受診は必要になりますので、歯医者さんであれば、話し合いながら治療を受けていくとよいでしょう。全身の病気であれば、それぞれの病気に正しく対処することが重要です。

シェーグレン症候群によるドライマウスのようになかなか治りにくい口臭があるのも事実です。ですから、継続的な対処を考える必要があるところも付け加えたいと思います。歯医者さんでのクリーニングを定期的に行うことが一つ

このほかスウェーデンで開発された乳酸菌を使って口の中の菌のバランスを整える方法もあります。日頃から、口の環境から治すというのは新しいアプローチとして注目されているのです。
歯医者を受診する女性

Q.口臭の予防法を教えてください。


まずは全身の健康です。全身の健康は、口の中の潤いにつながります。唾液を多くすることが、最大の予防になるでしょう。口のトラブル、全身の病気によって、唾液が少なくなることが口臭につながるからです。その上で、セルフケアとプロフェッショナルケアに分かれてきます。セルフケアは日頃の歯みがきやフロスの実施、舌ブラシでの舌の表面の舌苔の除去、入れ歯などの掃除があります。唾液が減ってくると口臭が目立ちますから、規則正しい睡眠や食事も重要です。口呼吸をしないように対処をしたり、夜に口を開けて寝ないように気をつけたりすることも対処になります。

一方で、プロフェッショナルケアは、歯医者さんに定期的に受診をして口の中の健康を確認することです。歯の清掃を行って、虫歯や歯周病には早めに手を打つことが大切です。また歯並びを治して、良く咬めて飲み込めるように、鼻呼吸できるように、さらには虫歯や歯周病のリスクを下げることも大切です。

Q.口臭の治療にかかる費用は?


ここまで見てきたように、口臭の原因はさまざまなのです。そのため治療にかかる費用もその原因によって変わってきます

例えば、虫歯や歯周病の治療が必要であれば、その治療が口臭の治療にもつながってきます。全身の病気が関係すれば、その治療が必要になります。口臭は簡単に見えて難しいと言えると思います。治療費を考えるとよいと思います。歯医者さんに相談すると良いでしょう。

編集/STELLA MEDIX Ltd.
徳永淳二先生

徳永淳二(とくなが・じゅんじ)先生歯科医師。医療法人メディスタイル理事長 。 「美しく健康な生活を医学の力でサポートします」のコンセプトの下で、美容皮膚科と形成外科、歯科の診療を同じクリニックで提供。東京医科歯科大学を卒業後、勤務医などを経て、スウェーデンのイエテボリ大学にてDr.ウィドマークに師事し、神奈川県逗子市にて開業。逗子メディスタイルクリニック

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