「現状に満足したらそこで終わり…」実力派音大出身ユニット【NormCore】仕事の質を高め続ける秘策とは<後編>

テレビアニメ「名探偵コナン」のオープニングテーマとなった曲「カウントダウン」(※)は、初回オンエア直後から大きな反響を獲得。Yahoo! 検索トレンドで1位になり、ツイッターでも抜群の歌唱力や演奏力が大きな話題になった。シンフォニックロックユニットNormCore(ノームコア)は、メンバー全員が音大出身。ボーカルのFümi、ヴァイオリンのTatsu、クラシックギターのNatsuの3人からなる異色のユニットだ。

前編はこちら(→)

向かって左:ヴァイオリンのTatsu、ボーカルのFümi、クラシックギターのNatsu

「名探偵コナン」は自分たちでも見ていたアニメだった

――NormCoreは結成から間もない2017年11月22日にメジャーデビューとなりました。

Tatsu:ジャケットに自分たちの顔写真が出る、というのは素直にワクワクしました。

Natsu:私はインディーズとの違いもわからなかったんですが、こんなにすごいことだとは思いませんでした。事務所の人、ファンの人など、いろんな人のバックアップが本当に素晴らしくて。これはプロ意識をちゃんと持って取り組まないと、という覚悟が生まれました。

Fümi:ソロデビューのときは、文字通り命がけでした。完璧主義、潔癖主義でいつも緊張して。ある意味ストイックになり過ぎてた。そのためにいろんな軋轢も生まれて。今は、心は熱く、頭は冷静に、というプロフェッショナルとしての意識ができている気がします。

――メジャーデビューされて、驚いたことはありますか?

Tatsu:ミュージックビデオやライブに出るのは3人ですが、自分たちの活動のために、本当にたくさんの人がサポートしてくれていることですね。これは心強いです。

Natsu:驚いたことがありすぎて(笑)。

Tatsu:ミュージックビデオでも、フォーカス強く当たるしね(笑)。

Natsu:演奏中の動きに、かなり指示を入れてもらったのも、印象深いです。足の組み方も、身の振り方も。そもそも、座りながら動く、というのはやったことがないので(笑)。

――デビューの「それでも僕は生きている」はアニメ「EVIL OR LIVE」の、セカンドの「傷だらけの僕ら」が「一人之下」のオープニング曲になります。

Fümi:アニメを見て、放送時間帯を理解して、台本を読んで、どんなメッセージがあるのか知って、曲づくりに挑みました。実は最初のシングルは1週間くらいで作っているんです。それをすごく評価してもらえて、2曲目のオープニング曲にもつながっていきました。

Tatsu:僕たちはデータをもとに演奏して、ディレクションをもらってやりとりして、レコーディングして。

Natsu:私はレコーディングに慣れていなくて大変でした。別々に録音するのでクリックを聞きながら弾くんですが、クラシックギターは自分のリズムを求められていましたので。なので、本番ではたっちゃんに指揮棒を振ってもらいました(笑)。おかげで、私らしい音が撮れました。

――そして、3作目が「名探偵コナン」のオープニング曲となる「カウントダウン」です。

Fümi:決まったときは、うれしかったですね。

Tatsu:自分でも見ていたアニメでしたから。人に説明しやすいんです。誰に言ってもわかってもらえる。

Fümi:それが一番大きい。

Tatsu:オープニングで自分の音楽を聴いてもらえる環境にあるというのは、本当にうれしい。家族もとても喜んでくれました。デビューからずっと応援してくれていましたので。

Natsu:私はコナンの大ファンだったんです。毎年、映画も観ているし。今年は2回しか見られなかった。5回見ている友達もいますので(笑)。初めて読んだ漫画が姉が好きだったコナンで、そこから推理小説が好きになって。

家族に報告したんですが、最初は信じてくれませんでした(笑)。ネットで情報が公開されて初めて、「本当だったんだ。良かったね」と言ってもらえました(笑)。

Fümi:反響は、想像していた以上でした。作詞作曲をお願いしたまふまふさんとも関われたし、ネット上でもポジティブな賑わいだったし。

Natsu:ツイッターやYahoo!での話も知って、反響を初めて感じました。びっくりしました。

コンビニで流れていると、一刻も早く店から出たくなる

――それにしても、Fümiさんのボーカルは圧巻です。どうしてあんなに高い音が出るのでしょうか。

Fümi:声帯は筋肉でできていますから、誰でも鍛えられます。だから、毎日、声を出してトレーニングしていれば、筋肉が鍛えられて誰でも平等にうまくなります。ただ、筋トレ1日ではベンチプレスは上がらないように、毎日、声を出すことが大事。実は低い声は限界があるんですが、高い声は出ます。みんなX-JAPANが歌えますよ。本当です。

Tatsu:このあいだ、カラオケで生で聴きました。オリジナルキーで(笑)。

Fümi:あと大事なことは、自分でしっかり研究すること。録音して、どこに課題があるのかを探る。何をうまくなりたいのかを明確にすることです。その上で練習すると、うまくなれます。

――みなさんでカラオケに行ったりするんですか?

Tatsu:いや、自分たちの「カウントダウン」のミュージックビデオがカラオケで見られるようになったので、見に行ったんです(笑)。みんなで順番に歌って。これが難しいんですよ、当たり前ですけど(笑)。

Natsu:たっちゃんは、オクターブ下げて歌ってました(笑)。ビデオはやっぱり、うれしかったですよね。

Fümi:これが、メジャーで流通する良さですよね。でも、コンビニで流れていると、一刻も早く店から出たくなったりして(笑)。

Tatsu:僕は、カレーチェーンでカレーを食べているときにビデオが流れて(笑)。

Natsu:渋谷や池袋のオーロラビジョンにも出ていたんですよね。

Tatsu:はい、見に行きました(笑)

――そのうち、顔がバレちゃうようになるのでは?

Fümi:私はメガネとマスクをいつもつけてます。オタクなので、知り合いとも会いたくないときがあったりもするので(笑)。

Natsu:余計に目立っちゃうんじゃないですか。

Tatsu:僕が後にいると、お付きの人みたいになりますね(笑)。

Natsu:私はいつも気配を消しています(笑)。ビデオもわざとクールにして。

Tatsu:ライブでMCやると、キャラがバレちゃうけどね(笑)。

大事なことは、自分の心の幸福レベルを上げておくこと

――12月17日にワンマンライブがあります。

Fümi:僕の誕生日ライブなんです。ライブは楽しいですね。僕はオタクのネット民なんですが、ライブは三次元のダイナミックさがある。感動は大きいです。

Tatsu:生の歌は、やっぱりいいですよ。僕もアドリブを入れたり、他の楽器を弾いたりします。

Natsu:ワンマンライブは東北や関西など、わざわざ遠くから来てくださる方も多いので、頑張らないと、と思っています。前回は初めてエレキギターにも挑戦したんですが、みんなで盛り上げてもらえて。次のライブも新しいワクワク感を作っていきたいです。

――最後に今後の豊富、仕事へのこだわりを聞かせてください。

Fümi:バンドを知ってもらうためにできることを、どんどんやっていきたいですね。アニメタイアップは特に積極的にやりたい。映像とリンクさせて、視覚と聴覚を融合させたエンターテインメントは大きな目標です。もう音楽だけの時代は終わっています。

それこそマイケル・ジャクソンは先駆けでしたよね。効果音を入れて視覚的なパフォーマンスに取り入れていた。その方向は間違いない。

Natsu:総合芸術みたい。

Fümi:アニメ音楽は、ジブリ作品もそうだけど、映像とリンクすることで、人と記憶に残る。数年もすれば、誰でもアプリで作曲ができて、プロとアマの境界がなくなる気がしています。これからは、もっともっと垣根を越えた、まったく新しいことをやっていかないと。

Tatsu:聞き手に新鮮さがないと、感動は与えられないですよね。新しいことに挑戦して、ジャンルを問わず、いろんなことができるようになって、何を任せてもこの人は大丈夫だ、というマルチプレーヤーを目指したいですね。

Natsu:仕事をする上で一番気を付けているのは、初心を忘れない、ということです。音楽も基礎が大事。技術が上がっていくと、素の自分を忘れてしまいそうになることがあります。だから、初心が大事。そうすることで、初めて聞いた人にも響いていく。普段は音楽を聴かないような人にも、響く音楽を作っていきたいです。

Fümi:大事なことは、自分の心の幸福レベルを上げておくことですね。好きなものを食べたり、可愛い女の子の画像を見たり(笑)。オタクですから(笑)。

Natsu:好きなものに囲まれるのは、大事。

Tatsu:芸術家っぽい(笑)。プライベートの充実は大切。

Fümi:自分がハッピーな状態でないと。例えばライブに来る人は、エネルギーをもらいたいわけですよね。ハッピーじゃない人に会いたいわけじゃない。でも、無理矢理エネルギーを上げていてもバレると思っています。だから、普段から幸福レベルをMAXにしておかないと。毎日を楽しんでないといけない。何より大事なことです。

(※)9月末までの「名探偵コナン」オープニング曲「カウントダウン」を見逃してしまった方は、こちら→ 音大出身の圧巻のパフォーマンスは必見です!

前編はこちら(→)「一つの強みに頼るだけでは淘汰される時代…」実力派音大出身ユニット【NormCore】トレンドに自らの感性をあわせていく<前編>

文:上阪 徹 写真:平山 諭

編集:丸山香奈枝

 



 

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