「成長別」子育てしやすい間取りをママさん一級建築士が提案・後編

日刊Sumai

2018/10/10 21:30

住宅を購入する場合、10年後、20年後までの生活を考えて選んでいますか?
住まいは、子どもの成長や家族の変化に合わせ、間取りを工夫していくことが大切です。
前回は、子育てしやすい間取りの工夫について、お話しいたしました。
今回は一般的な「3LDKマンションの間取り」をもとに、子育てしやすい間取りを具体的にお話ししたいと思います。
1.「マンション購入時」
新築マンションを購入したと仮定します。物件概要と購入者の設定は、以下のようになります。
  • 3LDK 71.30平米 新築マンション
  • 夫33歳 妻31歳 長女3歳 長男1歳
間取図
洋室1は、夫婦の主寝室として、ずっと使います。
使い方が変わっていくのは、洋室2と和室になります。
子どもが乳児から幼児の時期は、とくにスキンシップの大切な時期です。
また、上の子、下の子それぞれに一部屋といった年齢ではないので、生活の主体はLDKと寝室になってきます。
赤ちゃんの様子を、いつも確認できるように、LDKにベビーベッドを置きます。
またLDK横の和室に布団を敷いて、長女と夫婦、親子3人で就寝します。
ぐっすり休みたいときは、夫婦のどちらかが主寝室(洋室1)で休めば、疲れも取れやすいでしょう。

この期間の注意点としては、洋室2など、まだ未使用なお部屋があることです。
間取り

未使用なお部屋があると、その部屋を収納部屋として使ってしまい、物が増えていく傾向になります。
いざお部屋を使うとなったときに、それまで収納していた物の行き場がなくなりますので、気を付けてください。

2.「マンション購入したから7年後~14年後」
間取り
左の間取りは、マンション購入から7年後、子どもたち二人が小学生の時期です。
子どもが二人とも小学生の時期は、まだそれぞれに個室を与える必要がありません。
1つのお部屋を兄弟姉妹で使わせることにより、我慢することや協調性・思いやりといった感情を幼いころから自然に育みます。
洋室2は、兄弟姉妹の寝室として使います。
ベッドは、上下に分けられるタイプの2段ベッドを使用し、後で部屋をわけたときにも使えるようにすれば、買い替えなどの無駄が省けます。
また、洋室2のカーテンも、別の家族が部屋を使ってもいいようにシンプルな柄で、洗濯できる丈夫なカーテンをオススメいたします。
兄弟姉妹の洋服は、クロゼット(足りない場合はチェストなどをプラス)を使い、子ども達に収納方法などのルールを決めさせ、任せてみましょう。
和室は、間仕切り扉を開放し、リビング学習スペースとして使います。
LDKに隣接しているため、両親の目が良く届き、家事や雑用の合間に、子どもの様子を見ることができます。
和室に置く勉強机や椅子は、長く使えるよう、成長に合わせて高さが変えられるシンプルなものを選びましょう。これですと、大学生・社会人まで使えます。
リビング
和室には、勉強机のほかに本棚・収納などを置きます。
押入れが少しでも開いていたら、カラーボックスなどを置き、学校用品の収納場所として利用するのも良いでしょう。

右の間取りは、マンション購入から14年後、子どもたち二人が受験の時期です。
子どもが中学生・高校生の、思春期になれば、それぞれのプライバシーに配慮する時期です。また受験に備え、集中して勉強できる体制を整えてあげましょう。
いままで一緒に使っていた和室および洋室2を、兄弟姉妹それぞれにあたえます。机とベッド・チェストなどを移動し、勉強と就寝・収納などを一室で出来るようにしましょう。
リビング
この期間の注意点としては、住宅購入後、15年近くになっているので、住宅の補修・修繕時期に来ているということです。
補修・修繕のための修繕積立金は、計画的に積み立てられているはずですが、滞納者や災害など、想定外の臨時徴収をされることがあります。
教育費もかかる時期ですが、住宅も修繕時期にかかるということを念頭に、子どもが幼いうちから「住宅準備金」などの積立を行っておくと、ゆくゆく困りません。

3.「マンション購入してから20年後~30年後」
間取り図
左の間取りは、マンション購入から21年後、子どもたち二人が大学生~社会人の時期です。
この時期になると、子どもたちのどちらかは家を出ている場合が多く、子ども部屋だった部屋が、フリースペースとして使えるようになります。
夫婦趣味のお部屋や書斎として、使っても良いですね。
この間取りでは長女が社会人になり家をでたため、LDKに面した和室をフリースペースとして使い、洋室2は、大学生である長男の部屋として使っています。
一方の右の間取りは、マンション購入から28年後、子どもたち二人が完全に独立し、夫婦二人だけの生活が始まった間取りです。
ご主人・奥様も定年を迎え、ゆっくりとした趣味を満喫する生活を送る方、または自宅で起業する方など、第二の人生を始める方も多いでしょう。
子どもたちが全員独立したため、子ども部屋であったすべての部屋がフリースペースとして使えるようになります。
書斎や趣味のお部屋にすることはもちろん、サロンや個人オフィスなどとして、お仕事をすることも可能です。

リビング
この間取りでは、長男が使用していた洋室2をご主人のオフィスとして、和室は奥様の趣味のお部屋として使っています。
また、住宅購入後、30年近くになっているので、マンションの場合は2回目の大規模修繕時期に来ています。
退職金などを計画的に使い、室内をシックにリフォームするなどをして気分を変えてみるのも良いですね。
リビング

いかがでしたか?
住まいを工夫し、適切なメンテナンスをすれば、子育てしやすいだけでなく、家族の成長や変化にも対応でき、いつまでも快適に暮らすことができます。
また、家を大切に使い続けることは、地球にも優しい、究極のエコにもなります。
子どもの成長・家族の変化にあわせた、子育てしやすい間取りの工夫、ぜひ取り組んでみてくださいね。
(しかまのりこ)

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