田原総一朗氏と長嶋修氏の『100年マンション』出版記念対談に参加してきました

日刊Sumai

2018/10/10 21:30

最新刊『100年マンション 資産になる住まいの育てかた』 (日経プレミアシリーズ)が話題の、株式会社さくら事務所創業者の長嶋修氏と、ジャーナリストの田原総一朗氏との出版記念対談に参加する機会を頂きました。
長嶋氏は『100年マンション 資産になる住まいの育てかた』の中でマンションを取り巻く世界が今後どうなるか大胆に予測していますが、田原総一朗氏との対談は脱線に次ぐ脱線という意外な展開となりました。
2031年までにマンションの世界で起きること
100年マンション 資産になる住まいの育てかた
『100年マンション 資産になる住まいの育てかた』は全4章で構成されており、第1章では2031年までにマンションの世界で起きると予想されることが年表形式で述べられています。
人口減少や少子・高齢化、建設済みマンションの戸数や築年数分布というものは既に確定しており、ここに今後予想される政策や経済動向を織り込めばかなりの精度で将来を見通すことができます。
この中で著者は2025年に廃墟マンションが都市部に出現し、2027年にタワーマンションの廃墟化が始まり、2031年には「立ち入り禁止区域」「立ち入り禁止マンション」の指定が始まるという実にショッキングな予測をしています。

無計画な住宅政策がもたらした問題点
団地
スイマー / PIXTA(ピクスタ)
先の大戦で国土が焼け野原になってしまった日本は、そこから奇跡のような経済復興を成し遂げ、一気に先進国の仲間入りを果たします。
その際に発生した深刻な住宅不足を解消するため、戦後は一貫して新築住宅の建設が促進されてきました。
住宅産業は自動車と並んで裾野が広く、新築住宅の建設は経済波及効果が大きいとされ、特に不景気の際には住宅政策は景気刺激策の柱となります。
そのためバブル崩壊以降も新築住宅建設・販売促進策がとられ続けましたが、人口の減少が確実な情勢の中で無計画な住宅政策を取り続けてきたことが全ての根源である、と著者の長嶋さんは説いています。

田原総一朗氏との対談は予測と全然違う展開に!?

ジャーナリストの田原総一朗氏は、テレビで見る印象そのままに次々とツッコミを入れ、過去に住んできた家の思い出話から小泉純一郎元総理や小池百合子東京都知事の話、更には森友学園問題や加計学園問題にまで話が膨らみ、事前の予想とは全然違う展開となりました。
これまで何度も住み替えを繰り返してきた田原氏は不動産業者に対して不信感を募らせているようで、「不動産屋の社員にロクなやつがいないのは何故か?」と長嶋氏に迫って苦笑させていましたが、これは私も肌で感じていたことになります。
「最近はそうでもない」と長嶋氏は懸命に防戦していましたが、声が大きく押しが強い者が幅を利かせるガラの悪い世界であるのはずっと変わっていないと思います。

小池知事は東京オリンピックを迎えられるか?
対談の予定時間が45分というのは短すぎたようで、長嶋氏は住宅の総量規制を進めて街をコンパクトにしていくしかない、とさらっと触れるのが精一杯だったようです。
「住宅総量目安」「住宅供給目標」といった考え方は諸外国では当たり前のようにあるということですが、筆者にとってはこれまでまったく考えたこともないアイデアでした。
田原氏は「思い切ったことをしようとしない自治体の首長が悪い」と答えていましたが、これは「選挙」というものが持つどうしようもない欠陥かもしれません。

ちなみに田原氏は「自民党は小池知事を許しておらず、小池知事のまま東京オリンピックを迎えることを何としても阻止しようとしている」と明らかにしました。
次の都知事選挙はオリンピックの直前ですが、果たしてどういう結果になるのでしょうか。

マンションは今後どうなっていくのか?

空き家の増加や老朽化マンションの建て替え問題については気にはしていましたが、「落ち着くところに落ち着くだろう」とそれ以上深入りしませんでした。
しかし、この本はなるべく見ないようにしていたものをいきなり目の前に突き付けてくるような内容となっています。

対談の会場が浜松町の世界貿易センタービルの38階だったので、窓からは数多くのタワーマンションを見ることができましたが、2031年にこの景色がどのように変わっているか気がかりでなりません。

【取材協力】
※ さくら事務所

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