運動会はトラブルの温床!? 幼稚園での厳しすぎる練習に抗議……私ってモンペですか?



保育園、幼稚園、小学校、おけいこ事の教室などでは、日々子どもの保護者と施設側の間でトラブルが発生している。ほんの些細なことでも、自分のこと以上に気になってしまうのが親心というものなのか。わが子のことを思ってとクレームを入れるママもいれば、モンペと呼ばれることを恐れて我慢するママも。そんなトラブル事例とママの葛藤をつづる。

シルバーウィークと呼ばれる9月の3連休を始めとした大型連休。子どもを持つ親にとっては、園の行事の中で最も大掛かりなイベント“運動会”のシーズンといえる。運動会当日のみならず、準備期間も含め、親側の協力が必須ともいえる一大行事。今回は、運動会にまつわる運営側や、保護者たちの苦悩の声をレポートする。

都内にある私立幼稚園に5歳になる娘を通わせている和江さん(仮名)は、こう語る。

「うちの園は、運営母体がスポーツクラブなどを経営している園。見学した時に、運動に力を入れているところや、室内プールがあるのが気に入って、入園させました。幼少期に基礎体力のもとになる部分を鍛えれば、運動が得意になると思ったんです。ところが、娘は年中になる頃から、だんだんと『行きたくない』と登園拒否するようになりました」

この園では、年長クラスになると、運動会で組体操を行う。その準備として年中クラスから基礎体力をつけるためのマット運動や逆上がりなどの練習を始めるというが、和江さんの娘はそこまで運動音痴ではなかったものの、3点倒立の際に、体を支えるだけの腕の筋力がなく、何度も崩れ、最後は泣いてしまったそうだ。運動の先生が、「泣くんじゃない。周りに迷惑になるだろう」と叱っている様子を、たまたま早迎えで来ていたママが見かけたらしく、和江さんは園側に抗議をしたという。

「『子どもが泣いているのに、無理やりやらせるのは虐待ではないか』とクレームを入れたのですが、来年の組体操のために、3点倒立やブリッジなど布団の上で練習するように園側から言われただけでした」

幼稚園の運動会は、これから入園を希望している未就学児の保護者たちにとっての“見学会”という側面も兼ねている。なかには、園の特性をアピールするために、組体操やダンスなど、何カ月も練習を重ねて大々的に披露する園も。そのため、子ども側の負担が大きくなってしまうケースもあるようだ。

「幼稚園を探しているママにとって、口コミの力はすごいんです。私も、運動会シーズンの時は何園か見学をしましたが、今、通わせている園の組体操がすごいというウワサは、もともとママ友からの情報でした。それを園も知っているので、質を落としたくないのでしょうね」

都内にある私立幼稚園に6歳になる男児を通わせている里穂さん(仮名)は、「運動会の鼓笛隊のパート割に不満がある」という。彼女の子どもが通っている園は、運動会の最後に年長クラスが鼓笛隊の演奏を行う。近所でも鼓笛隊の演奏レベルは有名なため、子どもが花形の楽器をできることを願って入園させている親も多いそうだ。

彼女は、「鼓笛隊で人気のある指揮者や、大太鼓は、年中クラスの保護者会役員の子が優先的に選ばれる」というウワサを聞きつけ、立候補した。運動会当日は、道具の出し入れや、園児の誘導などを手伝い、子どもの撮影などがほとんど行えなかったというが、「ここまで、犠牲を払って手伝ったのだから、年長クラスになった際には、親の貢献度などを踏まえて、当然、うちの子は大太鼓に選ばれるだろう」と考えていたそうだ。しかし、彼女の息子は、の体形が小柄なことから、担当楽器は小太鼓に。役員まで頑張ったのにと、園に質問したという。

「『なんで自分がやりたいという楽器をやらせてもらえないのか』と担任に聞いてみたところ、大太鼓は支えるのに体力が必要なため、背が高い子を選びましたという返答でした。担当楽器の割り振りは、保育士や音楽担当の先生が一方的に決めているので、納得している保護者が少ないと思います。ママ友の中には、ピアニカにさせたかったのに、ピアノを習っている子が優先だったため、『うちも習わせに行かせます』といって、パート替えしてもらった人もいました」

わが子の晴れ舞台である運動会だけに、保護者の思い入れも強くなってしまい、園側とのトラブルに発展することがあるようだが、一方で園側も、保護者の対応に頭を悩ませるシーンは多いという。小学校や中学校の運動会でも度々話題に上がる、保護者の場所取り問題。小学校よりも児童数が少ない保育園と言えども、運動会となればトラブルが起きやすい。

保育士歴10年になる香織さん(仮名)は、「最近は、祖父母の参加が目立ってきた」と語る。

「普段から、両親に代わってお迎えに来る祖父母たちが、運動会の見学にも顔を出すケースが増えています。保育園は、園庭のない園が多いため、日曜日などに小学校の校庭や体育館を借りて運動会を開催しているのですが、0~5歳児までの保護者が揃うこともあり、観覧スペースが足りなくなることも。そんな中、一部の祖父母から『座るスペースがない』というクレームが入り、翌年、高齢者用の優先席を設けたのですが、今度はまた別の祖父母から『まだそんなに歳ではない』という声が上がってしまったんです。勧めても優先席に座らず、席が空いてしまい、結局、優先席以外の観覧スペースがぎゅうぎゅう詰めに……」

祖父母の中には、園が依頼しているカメラマンを遮り、競技中の園児に近づいて撮影する者や、集合写真を撮影している横から「こっち見て」と撮影しだす者もおり、保育士も困ったという。

「年配者は、注意をしても『これぐらいいいだろう』と聞いてくれない人もいるんです。特に保育士が若い場合は、その傾向が強い気がしますね。日傘を差したり、自前の折りたたみいすに座って視界を邪魔したり、喫煙マナーがよくなかったりと、トラブルが多いような気がします」

子どもの成長を確認できる一大行事である運動会だが、保育士や親たちからは、不満も多いように見受けられる。子どもが無理なく、楽しく行事に取り組めるためには、親側の心のゆとりも必要に感じた。
(池守りぜね)

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