大野雄二&ルパンティック6、『ルパン三世』の世界感をスリリングに奏で上げた9月の大阪公演をレポート

Billboard JAPAN

2018/10/10 12:15



日本のジャズ/フュージョンの黎明期から活躍してきた名ピアニストにして、数多くの映画やテレビ番組のサントラ、CMの音楽を手がけてきたコンポーザーとしても知られる大野雄二が、代表作『ルパン三世』の名曲の数々をジャズ・コンボ編成で痛快かつスリリングに奏でる大野雄二&ルパンティック6。2016年には、オリジナル音源の録音にも参加した市原康(ds)とミッチー長岡(b)というベテランの実力派リズム・セクション、気鋭のオルガン奏者として注目を高める宮川純という新メンバーを迎えた7人編成へとリニューアル。9月16日(日)にビルボードライブ大阪で行われたステージは、おなじみの楽曲の数々をよりパワフルさを増した演奏と現行のメンバーならではの変化に富んだアレンジやソロ回しで改めてフレッシュに響かせる白熱の一夜となった。

ルパンの旋律も忍ばせた70年代ジャズ・ファンク調のオープニング曲で幕を開けると、ムードメーカー的なMCも兼任するギターの和泉聡志が観客にタイトル・コールの入れ方を指南し、グルーヴィーな曲調とともに盛り上げる「BUONO!! BUONO!!(BUONISSHIMO)」へ。さらに和泉が"バンドと客席のシンボル的になるものを"と考案したという、両手を掲げて数字の6を作るポーズを観客とメンバー全員でキメて一体感を高めると、峰不二子のテーマ曲として親しまれるメロウ・フュージョンな「ラブ・スコール」をプレイ。ルパンティック5時代からフロントを務める松島啓之(tp)と鈴木央紹(sax)の2管に、ロニー・フォスターあたりを彷彿させる宮川のオルガン、ロック色の強い和泉のギター、そして70年代のジャズ・ファンクやクロスオーバーを同時代に消化しながら数多くのセッションをこなしてきたベテラン3名が世代を越えて共に奏でる音は、親しみやすくもジャパニーズ・レア・グルーヴの最高峰を示した世界を今に再現する豊かな響きに満ちていた。

続いて、スラップ奏法も交えながらのヘヴィなベースと強靭なドラミングによる市原+長岡のリズム隊の凄みをたっぷりと堪能させる「銭形マーチ」、叙情的な大野のピアノと松島によるスパニッシュ調のソロから疾走感に満ちたフュージョン・サウンドへと流れ込む人気曲「トルネード」(次元大介のテーマ曲)など。起伏に富んだ曲展開とともに、名手ぞろいな各メンバーの見せ場もしっかりと作ると、鈴木の流麗なサックスをフィーチャーしてバラード調の名曲「ルパン三世 愛のテーマ」へ。そして、本編ラストはおなじみのスリリングなキメのリフから「ルパン三世のテーマ」へと流れ込み、オルガンが加わった現行の編成ならではのアレンジと巧みなソロ回しで熱狂させた。

アンコールではまず大野がひとりで登場し、"それではピアノ・ソロで。久しぶりでね…"と前置きした後に映画版『カリオストロの城』の主題歌「炎のたからもの」を。そして、再びルパンティック6の面々が加わると、最後は同じく『カリオストロの城』からのグルーヴィーな「サンバ・テンペラ―ド」で客席にも立ち上がって盛り上がることを求めて大団円へと誘った。和ジャズ・フリークからアニメ好きまで、さらなるヴァージョン・アップを図った新編成であらゆる音楽ファンを興奮させる大野雄二&ルパンティっク6の公演は、続いて10月15日(月)・16日(火)にビルボードライブ東京にて2daysで行われる。

Photo by Kenju Uyama
Text by Hidefumi Yoshimoto

◎公演情報
【大野雄二&ルパンティック6】

ビルボードライブ大阪
2018年9月16日(日)※終了

ビルボードライブ東京
2018年10月15日(月)~16日(火)

詳細:http://www.billboard-live.com/

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