クレジットカードの引き落とし日に残高が足りなかったら?


クレジットカードでお買い物をした代金は、1カ月分をまとめて、毎月決まった日に銀行口座から引き落とされます。でも、引き落とし日に残高が足りなかったらどうなるのでしょうか?

今回は、クレジットカードの引き落としのしくみについて解説します。

○カードの引き落としのしくみはどうなっている?

クレジットカードを作るときには、お買い物をした代金をまとめて支払う「支払日」を設定します。支払日はカード会社によって異なり、毎月10日、15日、20日、月末などに設定されるのが一般的です。これらの中から、自分で引き落とし日を選べるところもあります。

設定した支払日になると、一括払いの場合はその前1カ月にカード払いをした代金がまとめて銀行口座から引き落とされます。支払日が10日など月の前半の場合は、前々月16日から前月15日までの1カ月分の代金が引き落とされます。支払日が26日のところなどでは、前月1日から末日までを1カ月分として引き落とすところもあります。

支払日に銀行口座の残高が足りないと、引き落とすことができません。一括払いの場合は請求額の一部だけが引き落とされることは原則としてないようです。引き落としは全額引き落とすか、全く引き落とさないかのどちらかに限られるのが一般的です。

たとえば、カード会社からの請求金額が10万円で、銀行口座の残高が9万9千円だったときは「9万9千円が引き落とされて残り1千円を引き落とせなかった」とはならず、「口座残高が10万円に満たないので、1円も引き落とさない」という処理になることが多いようです。

支払日時点での銀行の残高が請求額よりも1円でも足りないと、その月の引き落としは全くされないわけです。
○引き落とし日に残高不足を起こしたら支払いはどうなる?

支払日に残高が足りずに引き落としができないと、その時点でカードの利用が停止され、新たなお買い物で使えなくなります。

もし支払日当日中に残高不足に気がつき、残額を入金すれば、タイミングによっては通常通りに引き落とされ、カードも引き続き使えることもあります。

停止されてしまったカードを再び使えるようにするには、引き落とせなかった代金をカード会社に支払います。カード会社によっては、支払日の後しばらくは再度引き落としをかけ、その間に残高不足が解消されていれば通常と同じように引き落とされることもあります。

引き落とせないときには、数日後にカード会社から振込の案内や振込用紙が送られてくるので、そこに指定された振込口座に振り込みます。カード会社が入金を確認したら、再び使えるようになります。
○不足分はすぐに支払った方が有利

ただし、振込が銀行の営業時間外だと、カード会社に着金するのが翌営業日になり、カードの復活もそこまで待たねばならないこともあります。

また、引き落とせなかった日の翌日から入金が確認されるまでには「遅延損害金」という利息がかかります。

2018年9月現在、多くのカード会社では個人向けカードの遅延損害金の利率を年率14.6%としており、その日割りで計算されます。発生した遅延損害金は、翌月のカードの請求に上乗せされるのが一般的です。

ですから、手元にお金があれば、一日も早くカード会社に支払ってしまう方が有利です。遅延損害金を少なくし、カードを早く復活させることができます。

残高不足に気がついた時点で速やかにカード会社に連絡しましょう。再度引き落としの手配をしてくれたり、支払先の振込口座を教えてくれたりします。

万が一、手元にお金がなくすぐに残高不足分の代金を払えないときも、まずはカード会社に連絡してみましょう。払えないからといって放置するよりは、支払いの意思があることを伝え、対処方法を相談するのがおすすめです。
○残高不足になりそうなときはどうすればよい?

支払日よりも前に、残高不足になりそうなことがわかった、でも支払日までに全額を用意できそうにないときは、分割払いに変更できることもあります。

多くのカード会社には、一括払いで購入した代金を後から分割払いに変更できる制度があります。1件のお買物代金が5万円以上などの条件や変更期限がありますが、お買い物をした後に2回払いや分割払い、リボ払いに変更できます。

変更期限は、引き落とし口座のある銀行によって異なります。また、変更するには別途手数料がかかります。詳しくはカード会社に確認しましょう。
○残高不足を放置するとブラックリスト入りする

期日通りに支払いをしないと、上記の通り遅延損害金を請求されることになります。それだけでなく、残高不足がいつまでも続いたり、何度も引き落とし不能を繰り返したりすると、カードの利用限度額を下げられてしまう、ショッピングやキャッシングなどカードの機能を停止されてしまうことがあります。

もともと設定されていた利用枠では、支払う能力がないとみなされるためです。

また、支払い能力が極めて低いと判断されれば、カード会員としての資格が取り消されるおそれもあります。資格を取り消されれば、そのカードは今後一切使えなくなります。

さらに、クレジットカードの代金の支払い状況は信用情報機関に登録されています。ここには期限通りに支払った履歴も含めて、支払いの状況が登録されますから、支払いを延滞したことやカードを停止された旨も登録されます。すると、後に別のカードを新しく作ろうとしたときに、審査で不利になる可能性があります。

つまり、いわゆるブラックリスト入りすることになりかねません。

クレジットカードでのお買い物は、支払日にきちんと支払うまでは代金を借りているのとほぼ同じです。お買い物は無理のない金額にとどめ、うっかり残高不足になったときには速やかに支払うようにしましょう。

※写真と本文は関係ありません

加藤梨里
ファイナンシャルプランナー(CFP(R)認定者)、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター研究員
保険会社、信託銀行を経て、ファイナンシャルプランナー会社にてマネーのご相談、セミナー講師などを経験。2014年に独立し「マネーステップオフィス」を設立。専門は保険、ライフプラン、節約、資産運用など。大学では健康増進について研究活動を行っており、認知症予防、介護予防の観点からのライフプランの考え方、健康管理を兼ねた家計管理、健康経営に関わるコンサルティングも行う。

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