印象も良く全部おごってくれる40代の彼氏が、突然私のSNSに誹謗中傷を書き込み始めた理由


「もう私、SNSをやめたくなりました」

筆者の下に相談にいらして、いきなり泣きそうな表情になる30代の美しい女性。彼女の身に一体、何が起こったのだろう。

数年前から彼女は仕事での出来事などを記事にまとめて、自身のFacebook上に定期的にアップしている。Facebook上での“友だち”は2000人を超えており、昨年始めたInstagramはフォロワーが500人以上ということだから、芸能人ではない一般の女性としては十分「SNS有名人」と呼べるだろう。

Facebookでは、彼女が自宅をベースに行っているセラピーについて、週1回ペースでその内容やセラピーを受けに集まってくれた人たちの紹介を行っている。セラピーを受けることを希望するのは、女性だけでなく男性もいるとのこと。

「セラピーにいらっしゃった男性とのトラブルですか?」
「いいえ、彼はセラピーには来ていません」
「では、彼とはどこで知り合ったのでしょう?」
「10人ほど集まった小さな食事会でした」

彼女の知人が主催した食事会はワインを楽しむ会で、都内のイタリアンレストランで年数回開かれているという。彼女は3度目の参加だったが、そこに初参加の彼がいた。彼は、彼女を見るとすぐ声をかけてきた。

「いつもFacebookとInstagramを見ています。僕は、あなたのファンなんです!」

初対面の人から公然とファン宣言されて、悪い気はしなかった。食事会の間ずっと、彼は彼女のFacebookの記事内容について感想を話してくれたし、以前から彼女の考え方や生き方が素敵だと思っていたと熱く語ってくれた。

彼女は少し照れくさそうに話す。

「話してみて印象のいい男性でしたし、自分で会社を経営している40代独身の男性が、正面切って『ファンです』と言ってくれたのがうれしくて、実は食事会で会った後、すぐに付き合い始めたんです」

一人暮らしの彼の自宅で、彼女は得意な料理をつくり、彼は何度も彼女にプレゼントをくれ、短い国内旅行を一緒にすることもあった。彼はいつも彼女をリードしてくれ、食事や旅行の費用も彼が負担してくれた。

●カレの豹変

「ところが……」と彼女がマユをひそめて語る。

「彼は、私と結婚したいと言うのです」

それは、いい話ではないのか?

「うーん。ちょっと気になることがあって」

彼女は30代独身、彼は40代会社経営者の独身。いつもおごってくれる気前のいい人。それで、どこが気になるというのだろう。

「愚痴、というか、悪口が目立ってきたんです。仕事の愚痴ではなくて、以前別れた彼女たちの悪口です。『A子はすぐ感情的に怒っていたけど、どう思うか?』『B子は感謝を知らない女だったが、どう思うか?』と、セラピストの私を試しているのかもしれませんが、とにかく別れた女性たちの悪口を言い、自分のどこがいけなかったのかと」

なるほど。これは、彼女がセラピストだから起こるトラブルでもあるだろう。とにかく「僕の混乱している気持ちをなんとかしてほしい」と依頼心いっぱいの彼を負担に感じるようになったという。

「苦しくなって、『ちょっと距離を置きましょう』と別れ話を切り出したら……」

彼女のFacebookのコメント欄に、彼が書き込みを始めたという。彼女が「先日のセラピーでは~をしました」などという記事をアップすると、彼がコメント欄へ次のように書き込む。

「彼女はセラピーなどする資格はない。人の悩みにいいかげんな対応をする女だ」

慌てて彼女が、「誤解があるようですが、ここは公の場ですので書き込みの内容に気をつけてください」と書くと、彼は「ファンだったのに思ったほどの人物ではなかった」「悩みを訴えても、聞きたくないと無視する女だ」などと、彼の主観で次々コメントを書き込むため、彼をブロックせざるを得なかった。ところが、ブロックすると別のアカウントから書き込みがされ、今も続いているという。

「もう私、SNSをやめたくなりました」

卑怯な誹謗中傷を行う輩がいるからといって、SNSをやめる必要などないが、しばらくの間はSNSから離れておられるほうがいいでしょうとお伝えし、彼から今後ストーカー行為をされた際の対処方法をアドバイスして、初回の相談を終えた。

●「あなたのファンです」に要注意

こうした事例は、女性は特に気をつけたほうがいいことである。芸能人や著名人ではなくても、SNSは“狭い世界における有名人”をつくり上げることもあるし、通常では出会わない人と出会ったり、いきなり「友だち」になり、一気に距離が近くなることもある。

SNS有名人の女性には、さまざまな人がいろいろな思いを持って近づいてくる。安易に付き合って別れた後に悪口を書かれないよう、自己防衛しなければならないのは、やはり女性の側であるし、そもそも「別れた彼女」の悪口を言うのは“ダメな男性”だが、さらに付け加えると、『僕はあなたのファンです』と、よく知らないうちに軽々しく言う男性は、その後、『僕はあなたに幻滅した』と、彼の思い通りにならないことに対して一方的なダメ出しもしがちなのだ。

SNS有名人の女性は気をつけてくださいね。
(文=池内ひろ美/家族問題評論家、八洲学園大学教授)

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