カルメン・マキ&OZ、『Flying KITTY Party 2018』で41年ぶりにステージに登場

OKMusic

2018/10/9 13:00

川崎クラブチッタの30周年記念イベント『Flying KITTY Party 2018』の最終日である10月7日(日)にカルメン・マキ&OZが出演した。同バンドは1977年10月18日の新宿厚生年金会館でのコンサートで解散して以来、41年ぶりの再結成となった。

この公演は川崎クラブチッタ30周年を記念して10月4日(木)から4日間に渡って開催された『Flying KITTY Party 2018』の一環。クラブチッタがキティグループのプロデュースで誕生した縁もあって、30周年記念イベントには同社ゆかりのアーティストが連日出演。最終日には1974年11月21日にポリドール/キティレーベルからデビューシングル「午前1時のスケッチ」をリリースした、日本のロックの黎明期を支えたカルメン・マキ&OZが登場した。

これまでもカルメン・マキのライブにOZのメンバーが参加した事はあったが、カルメン・マキ&OZの再結成単独公演は1977年の解散以来。そんな歴史的瞬間を見ようと、開場前から往年のファンが大挙して集結。溢れる場内ではグッズ売り場にも長い列が出来きるほどの大混乱。いかに彼らの再結成が待ち望まれていたかが窺える。そんな元・ロック少年たちが待ち望んだカルメン・マキ&OZが、いよいよ眼前に現れる。17時8分、客殿が落ち、アルバム「閉ざされた町」のオープニング・イントロダクションが流れる中、メンバーがゆっくりとステージに着く。スタンド・マイクにカルメン・マキが降臨するや、すべての楽器が火を噴く。なんという音量!なんという歌唱力!ただただ圧倒される。セカンド・アルバム収録の「崩壊の前日」で幕を開けたステージは、「六月の詩」、「Love Songを唄う前に」と立て続けに演奏。カルメン・マキの圧倒的な声量でひたすら客席を凌駕していく。

“次はカバーやります!ロックを演り始めた頃から歌っている曲で、今日はこのメンバーとやります”と歌ったのは「UNDERSTAND」。マキが竹田和夫率いるブルース・クリエイションと共に1971年に発表したアルバムに収められた曲だ。この選曲にオールド・ファンは湧く。続いては、本公演のためにギタリストの春日博文が作ったインストゥルメンタル・ナンバーの「タンジェ」。モロッコに実在する港町から取られたタイトルで、その名の通り、春日のギターは東洋のエキゾチックなムードを醸し出す。ここからの流れのまま、バンドは名曲「閉ざされた町」に突入。イントロが流れた瞬間、客席からは待ってました!とばかりに怒涛の歓声が上がった。この曲終わりで25分のインターミッションに入る。

緞帳が上がると、そこにはステージ前方横一線にメンバーが座る姿が。カルメン・マキ&OZのライブでは珍しい、アコースティック・セットで第2部が始まった。この編成で歌ったのは1stアルバムに収められた「きのう酒場で見た女」。ラグタイム風の楽曲で、マキのルーズ気味に歌うボーカルが心地よい。続いては春日にウクレレと、キーボードの厚見玲衣との3人での「街角」。パリのうらぶれた街角で流浪のミュージシャンたちが演奏しているような、物哀しいナンバー。この後は、ドラムの武田“チャッピー”治とベースの川上シゲ、リズム隊2人のコーナー。シゲのギターでチャッピーがボーカルを披露する。ここでメンバー5人は定位置に戻り、バンド編成に。曲はカルメン・マキが5X時代、沖縄を訪れ返還直後の彼の地の風景を綴った「B.C.STREET」。ブルージィなロック・ナンバーをラフに歌う。ここまでが肩慣らしとすると、ここからはいよいよカルメン・マキ&OZの真骨頂。デビューシングル「午前1時のスケッチ」で破壊力が凄まじいハード・ロックで会場を覚醒させる。

続いてのMCでは“平均年齢65歳...”と呟き客席の笑いを誘い、41年ぶりとなった再結成の経緯を話す。約半年前からこの話しがもたらされ、クラブチッタのスタッフは個々のメンバーと話し合いを重ねた。途中、何度か頓挫しかけたそうだ。マキは“今まで何回もお話しはあったんですが、ようやく41年ぶりに再結成出来ました。やっぱり、ここは家族みたいなものなんです”と話し、再結成が実現したことに“まぁ生きてて良かったです(笑)”と締め、かつてのコンサートでも滅多にやらなかったという「Image Song」に続く。“この日を迎えられて本当に良かったです!”とマキも感無量。そして“最後の曲です!”と邦楽ロック史上に燦然と輝く名曲「私は風」へ。70年代そのものの音を出す春日のギター。炸裂する厚見のキーボード。チャッピーとシゲの地を這うように唸るリズム隊に、マキの天井知らずのハイトーンと野太いソウルフルなボーカル。5つの音が幾重にも幾重にも被さっていく。メロディや曲調、テンポが曲中目まぐるしく変わり、「私は風」という曲が意識を持って自生しているよう。一本の映画のサウンド・トラックを丸ごと聴かされているような大抒情詩。正真正銘の本物のロック・バンドを前に会場の熱気も最高潮に。オーディエンスも茫然自失のまま、ステージの緞帳が下がり本編は終了した。

興奮冷めやらぬ客席のアンコールを求める声援が続く中、下げられたままの緞帳の奥から3rdアルバム収録の「昔」の演奏が始まる。1コーラスが終わるとゆっくりと幕が上がる。圧巻は20分超にも及んだエンディング・ループ。いつ終わることなく続く演奏で、メンバーと会場をトランス状態に。オーディエンス誰もがこのまま続いていくのを望む中、マキが両腕をゆっくりと上げたのを機に、長い長いエンディングが終了。3時間弱のカルメン・マキ&OZ復活のステージが終了。41年のブランクを全く感じさせない、最前線を突っ走る現役バンドと言うことを改めて認識させられた見事なパフォーマンスであった。

初日は小椋佳、2日目は高中正義に久保田利伸、来生たかおにAMAZONS。3日目はRCサクセション「ラプソディー」のトリビュートに、バービーボーイズの前期高齢者カバーと連日キティグループゆかりにアーティストが連日出演したクラブチッタ30周年記念『Flying KITTY Party 2018』の全日程が終了した。

Photo by 畔柳ユキ

<セットリスト>
■第1部
1.崩壊の前日
2.六月の詩
3.Love Songを唄う前に
4.UNDERSTAND~タンジェ
5.閉ざされた町
■第2部
6.きのう酒場で見た女
7.街角
8.武田“チャッピー”治+川上シゲ・コーナー
9.B.C.STREET
10.午前1時のスケッチ
11.Image Song
12.私は風
[アンコール]
13.昔

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