「まんぷく」6話、第1週は申し分ない仕上がり、第2週も期待できる

エキレビ!

2018/10/8 08:30

第1週「結婚はまだまだ先!」第6回10月6日(土)放送より
脚本:福田 靖 
演出:渡邉良雄
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
     桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎


連続テレビ小説 まんぷく Part1

6話のあらすじ
福子(安藤サクラ)の姉・咲(内田有紀)が体調を崩す。
お見舞いに行った福子は、咲と夫・真一(大谷亮平)と咲の仲睦まじさを見て、こんな夫婦もええなあと思っていると、ある時、街で偶然、萬平(長谷川博己)と出会い、ラーメンを食べに行く。

1週間のまとめ
朝ドラ99作目「まんぷく」がはじまって1週間(6話)が終わった。
簡単にふりかえっておきたいと思う。
じつに手堅い。
インスタントラーメンの創始者・安藤百福と妻・仁子をモデルにした夫唱婦随の物語ということで、
第1週では、百福がモデルの萬平(長谷川博己)と仁子がモデルの福子(安藤サクラ)が運命的な出会いをして、初デート、「つきあってください」とトントン拍子に話が進む。
ふたりの恋愛線と平行して、萬平の発明家としてのビジネス線も描かれ、軍需景気で盛り上がる大阪の商いの世界で、萬平とその仲間が奮闘していく流れもしっかり描く。
機械、工場と機能美にあふれた装置の数々と、福子の就職先・大阪東洋ホテルのライト式建築の有機的建築、一見、対称的な観念が並んで進行していく調和的な画面に哲学が宿る。
考え抜かれた舞台で、安藤サクラ、長谷川博己ほか、しっかりした演技がなされ、感情をナレーションで説明するようなことも少なく、落ち着いてドラマを味わえる。
恋も仕事も。
これからが楽しみになる第1週であった。

土曜日のTwitterトレンドに「萬平さん」「ハマケン」「野呂さん」と3人登場人物(ハマケンは俳優名)が入っていたことからも注目度を感じる。
ちなみに「野呂さん」のことは5週のレビューで紹介しているのでご興味ある方はご覧ください。

いきなりホテルのロビーで告白
ここから6話を振り返ります。

「そっか・・・じゃあ、お姉さんの結婚式より前に僕たちはおしゃべりしてたんだ」
「こういうのを・・・縁っていうんですかね」

福子が好きな屋台ラーメンを食べながら語り合ううちに、3年前、福子が萬平の電話を間違って取り継いでいたことを知る。
時間が経ってすっかり笑い話にできること。むしろ、萬平は福子によけいに縁を感じてときめいている様子だ。

萬平は不器用キャラのようでいて、恋に関しては手慣れないながらグイグイ行く。
まず、お茶に誘い、それからホテルのロビーで「ぼくとつきあってくれませんか」と告白。かなり短期間でことを進めていく。計算ではなく感情の赴くままにというところが微笑ましい。

12月、日本が大きな戦争に突入した新聞記事を読みながら車に乗っていた萬平は、ふいに大阪東洋ホテルの前で降り、ホテルのロビーで働く福子に、いろんな人が見ている前での告白。

「アメリカと戦争がはじまってしまいましたね。でもでも僕とつきあってくれませんか」

なかなか劇的だ。

脚本がうまいなあと思ったのは、ロビーでの告白だけだと大仰で浮いてしまいそうなところを、事前に、歯科医・牧善之助(ハマケンこと浜野謙太)が馬に乗って現れる場面を出していること(4話にも登場している)。
このドラマは大げさな表現のある世界なんですよー、という下地ができているうえでの、ロビー告白。
しかも、ちゃちくないのがいい。
明治村に残されているフランク・ロイド・ライトの名建築・旧帝国ホテルの優美なロビーを使った(外観は武庫川女子大の旧甲子園ホテル)本格的な場面。じつにゴージャスだ。
長谷川博己がかつて出演した、名画「マイ・フェア・レディ」のオマージュ作「舞妓はレディ」(周防正行監督)のようなシアトリカルな雰囲気の出た名場面になった。
「アメリカと戦争がはじまってしまいましたね。でもでも僕とつきあってくれませんか」という台詞も名台詞だ。

福田靖は、絶好調時の月9「HERO」や、映画「海猿」などスケールの大きな作品の脚本に携わっているから、
どういう場所でどういう状況を描くと効果的か熟知している。きちんと打ち合わせして、うまいことロケ地を選定できたスタッフワークの賜物であろう。


片岡愛之助、桐谷健太の関西弁が安心
萬平の作為ないフレンドリーさ(長谷川博己はこういう表現がうまい)は、このせちがらい世の中でホッとするが、ビジネスの世界ではマイナスにもなる。
萬平の新作・根菜裁断機に興味をもった世良(桐谷健太)がすり寄って来て、萬平が工場見学を許可するも、
加地谷(片岡愛之助)が世良の思惑を見破って早々に追い出す。
大阪出身の片岡、桐谷が自然な言葉でよどみなく話すので説得力も大きい。

加地谷「うちの技術盗む気か」 不穏な劇伴がかかってたちまち緊張感漂う。

目下、営業職である加地谷と世良は萬平(の発明)を巡ってライバル的な関係。どちらが萬平の商品を手がけることができるか。
恋愛面に関して、萬平と福子にライバルが出てこない分、こっちで取り合いが描かれそうで面白い。

世良「は~」(切断機をいじる)
萬平「危ないですよ」
こういう細かさも良い

「おまえは人を見る目がない」と加地谷にきつく言われたあとの、福子への告白というのも面白い。
萬平さんは、人を見る目はきっとある。

第2週は、告白はされたものの、簡単にはことは進まないようで・・・。
(イラストと文/木俣冬)

連続テレビ小説「まんぷく」
NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~

「まんぷく」の大阪の風景のなかに映っている「大急百貨店」が出てくる朝ドラ「べっぴんさん」もBS プレミアムで月~土、朝7時15分から再放送開始!  
ちなみに「べっぴんさん」で大急が話に絡んでくるのは49話あたりから。

第5話レビューはコチラ

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