新垣結衣×野木亜紀子タッグで高満足度間違いなし!? 秋ドラマ展望


●日テレに高満足度の脚本家集結
今週から秋ドラマが続々とスタート。従来のリアルタイム視聴率ではなく、視聴者の“満足度”を研究し、テレビドラマの脚本家や監督、音楽などの制作スタッフに精通している「テレビ視聴しつ」の室長が、そのスタッフが手掛けた過去作の“満足度”に焦点をあてながら、注目のドラマを紹介する。

○“逃げ恥”コンビと社会派監督の化学反応

秋ドラマで満足度の高い作品を多く手掛けてきた“高満足度脚本家”が勢ぞろいしているのが日本テレビの3作品。その中でも最注目作品と言えるのが、新垣結衣&松田龍平W主演『獣になれない私たち』(水曜22:00~)の脚本を手掛ける野木亜紀子氏だ。

新垣結衣×野木亜希子脚本作品といえば、社会現象を巻き起こした『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)以来2年ぶりで、『空飛ぶ広報室』(13年、TBS系)、『掟上今日子の備忘録』(15年、日テレ系)に続く4作目。「テレビウォッチャー」(データニュース社)の満足度調査によると、それぞれの満足度『逃げ恥』(4.24 ※5段階評価、以下同)、『空飛ぶ広報室』(3.85)、『掟上今日子の備忘録』(3.80)といずれも高満足度の基準3.7以上だ。

それ以外の野木作品を見ても、『重版出来!』(16年、TBS系、3.93)、『アンナチュラル』(18年、TBS系、4.05)と直近5作すべてが高満足度というハイアベレージ。昨年集計された高満足度脚本家ランキング(同じく「テレビウォッチャー」調べ)において、第2位をとなっている(※1位は『リーガルハイ』などの古沢良太氏)。

そして、主演の新垣も、『逃げ恥』後の作品で、昨年の『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』(フジ系)も3.98を記録しているので、このゴールデンコンビによって間違いなく満足度の高い作品へと導いてくれるだろう。

また、今作は“ラブかもしれないストーリー”というキャッチコピー掲げていることから、『逃げ恥』のようなこれまでにないちょっと変わったラブコメディーを想像するかもしれないが、監督を務めるのは日テレの水田伸生氏。『Mother』(10年)、『Woman』(13年)、『anone』(18年)という脚本家・坂元裕二氏とタッグを組んだ3作や、『ゆとりですがなにか』(16年)、『先に生まれただけの僕』(17年)など、美しい映像世界の中で紡がれる人間ドラマが特徴で社会派作品を得意としており、ただのライトなラブコメにはならない予感がある。今最も注目される主演と脚本のコンビが、“社会派”監督の手によってどのような化学反応を起こすのか、演出面でも期待が大きい作品だ。

ちなみに、野木脚本の作品は、10月20日と27日にNHKで前後編にわたって放送される北川景子主演『フェイクニュース』も控えているので、こちらの作品も楽しみにしたい。
○『コード・ブルー』脚本家が日テレGP帯初執筆

日テレの他の枠を見ると、『ドロ刑 -警視庁捜査三課-』(土曜22:00~)は、“中島健人が主演のアイドルドラマでしょ?”、“流行りの刑事ドラマに乗っかったの?”と侮るなかれ。脚本は山下智久主演『コード・ブルー』(第2期まで)や、坂口憲二主演『医龍』(第3期まで)、天海祐希主演『離婚弁護士』『BOSS』(いずれもフジ系)と、数々のヒットシリーズを手掛けてきた林宏司氏が担当する。

林氏は“医者”“弁護士”“刑事”など、先の作品を見てもわかるようにお仕事ドラマを得意としているのはもちろん、エンタメ度の高いストーリーと人情ドラマがうまい脚本家の1人。過去作を振り返ると、長瀬智也主演『ビッグマネー!~浮世の沙汰は株しだい~』(02年、フジ系)や、大森南朋主演『ハゲタカ』(07年、NHK)では“経済”という難しいジャンルで硬派な内容ながら、エンタテインメント性もしっかり担保する作品に仕上げ、観月ありさ主演の『夜のせんせい』(14年、TBS系)では、個性豊かな先生と生徒のキャラクター造形の巧さと、どの回も笑って泣ける極上の人情ドラマになっていたのが印象的だった。

直近作では、遠藤憲一主演『お義父さんと呼ばせて』(16年、カンテレ・フジ系)の満足度が3.93とクールトップだったほか、今年4月期の江口洋介主演『ヘッドハンター』(テレビ東京系)では “ヘッドハンティング”というこれまでになかった新たなお仕事ドラマに挑戦し、テレ東が新設した“ドラマBiz”第1作として爪痕を残した。林宏司×日テレはゴールデン・プライム帯ドラマ初となるが、きっとエンタメ度が高く、人情劇でほろりとさせられる作品になるだろう。
○福田雄一監督が“日曜22時半”に

そして、賀来賢人主演『今日から俺は!!』(日曜22:30~)は、現在ヒット上映中の映画『銀魂』シリーズや、人気深夜ドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズ(テレ東系)の福田雄一氏が脚本・監督を務める。日テレで放送した前作『スーパーサラリーマン左江内氏』(17年)は満足度3.76という高数値を記録。ドラマとコントを融合させたような深夜作品と変わらない“ゆる~い雰囲気”をゴールデンタイムで放送しても通用すると証明した画期的な作品だった。

そして今回は、深夜とゴールデンタイムの中間“22時半”という絶妙な放送枠で、明日から仕事や学校が始まる…と憂鬱になる日曜日。“何も考えず気楽に笑って楽しめる”という福田氏の作風が大いに役立つに違いない。

●高満足度の“作品運”が強い高橋一生

キャスト陣の“満足度”実績に着目すると、秋ドラマで新垣結衣に並んで触れておきたいのは、『僕らは奇跡でできている』(カンテレ・フジ系、火曜21:00~)でGP帯連続ドラマ初主演を務める高橋一生だ。

彼の過去5年間に出演したドラマを振り返ってみると、『カルテット』(17年、TBS系)が満足度3.89で期間2位、『僕のヤバイ妻』(16年、カンテレ・フジ系)が4.04で期間1位、『民王』(15年、テレ朝系)が4.15で期間1位と、そのクールでトップクラスの高満足度を記録した作品ばかりで、“作品運”の強い俳優だ。

また、17年のNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』では、全50回中、最も満足度の高かった回が高橋演じる政次の最期を描き、世間でも大きな話題を集めた第33回「嫌われ政次の一生」で4.05(全50回の平均は3.75)。良い作品を引き当てる運の強さはもちろんだが、高橋自身の好演によって視聴者を高い満足度へと導いていることが分かる。

そして今作は、草なぎ剛主演の『僕の生きる道』(03年)、『僕と彼女と彼女の生きる道』(04年)、『僕の歩く道』(06年)の“僕シリーズ”を手掛けた橋部敦子氏が脚本を担当しており、制作も同様にカンテレ。タイトルに“僕”という文字もあり、新たな“僕シリーズ”誕生の予感だ。
○映画に続く有村架純×塚原あゆ子

監督という点で注目なのが、有村架純主演『中学聖日記』(TBS系、火曜22:00~)の塚原あゆ子監督。直近5作の満足度を振り返ると、『アンナチュラル』(18年、4.05)、『リバース』(17年、4.04)、『砂の塔~知りすぎた隣人』(16年、3.87)、『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』(16年、3.88)、『重版出来!』(16年、3.93)と、すべてが高満足度作品だ(いずれもTBS系)。

ほかにも『夜行観覧車』(13年、3.94)や『Nのために』(14年、4.02)と良作を次々生み出しており、今作と同じく有村主演の『コーヒーが冷めないうちに』(先月公開)では映画で初メガホンをとるなど、最近密かに注目度が高まっている監督の1人。特徴はスタイリッシュでスピード感あふれるシーンとみずみずしい映像世界で、今作は中学教師と生徒の禁断愛というかなり際どいテーマだが、塚原監督の手によってイロモノではなく、純粋な恋愛ドラマに仕立ててくれそうだ。
○『白い巨塔』以来の唐沢寿明×井上由美子

その他、『白い巨塔』(03年、フジ系)以来となる唐沢寿明主演×井上由美子脚本の『ハラスメントゲーム』(テレ東系、月曜22:00~)や、『東京ラブストーリー』(91年、フジ系)以来の織田裕二×鈴木保奈美という引きだけでなく、映画『アマルフィ 女神の報酬』から展開したドラマ『外交官 黒田康作』(11年、フジ系)でもタッグを組んだ織田×池上純哉氏脚本の月9『SUITS/スーツ』(フジ系、月曜21:00~)。

『Age,35 恋しくて』(96年、フジ系)、『ミセスシンデレラ』(97年、同)、『美しき罠~残花繚乱~』(15年、TBS系)など、多くの“不倫ドラマ”を手掛けてきた脚本家・浅野妙子氏と、『大奥』シリーズ(フジ系)でもタッグを組んだ林徹監督がコンビを組む、超濃厚な大人のドラマ間違いなしの『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』(フジ系、木曜22:00~)など、制作サイドに目を向けてもスタート前から話題が事欠かない秋ドラマ。豊作を期待したい。

●「テレビウォッチャー」満足度調査概要
・対象局:地上波(NHK総合、NHK Eテレ、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)
・サンプル数:関東1都6県、男性1,200+女性1,200=計2,400 ※回収数は毎日変動
・サンプル年齢構成:「20~34歳」「35~49歳」「50~79歳」各年代男女各400サンプル
・調査方法:毎日モニターにテレビ視聴に関するアンケートを同じアンケートモニターへ配信、データを回収するウェブ調査
・採点方法:最高点を「5」とし、「3.7」以上を高満足度に基準

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