名バイプレイヤー・矢柴俊博がドギマギしちゃう女優と共演!

ザテレビジョン

2018/10/7 17:37

ときに癒やし系夫、ときに嫌味な上司、いい人そうに見えて実は悪い人、どんな役も見事にこなす、笑顔が魅力的な俳優・矢柴俊博が久しぶりに舞台出演、しかも翻訳劇ときた。

地人会新社第8回公演「金魚鉢のなかの少女」に出演中の矢柴に意気込みを語ってもらった。

――2015年の一人芝居から久しぶりの舞台出演ですね。今回の舞台への出演を決めたきっかけはなんでしょうか?

これまで舞台のお話を頂くこともあったのですが、なかなか踏ん切れませんでした。

1カ月から2カ月のほとんどの時間を捧げるわけですから、捧げ甲斐がある作品に出合いたいというこだわりが強かったんだと思います。

今回の決め手は、誘ってくれたのが真摯に芝居を作っていらっしゃる地人会新社さんだったことと、あとやはり台本です。

といっても、最初はとんでもなく難攻不落な台本に感じられて、心が決まるまで何度も読んで考えました。そして読むたびにハードルの高さにおののきました(笑)。

観た人を楽しませられる? その責任負える? 海外の設定だぜ? 文化の違いとか越えられる? とか。

でも、ある日再読した時、スポンとすべてが腑に落ちて、この戯曲の素晴らしさが懸念を上回る瞬間がありまして。“これをやらないと後悔する”と感じました。

――今作は翻訳劇です。普段矢柴さんが出演されているドラマなどでは翻訳劇のイメージは遠いような気もしますが、どうでしたか?

大学に在学中、加藤健一事務所さんの養成所に通っていた時期があったのですが、加藤事務所にはたくさんの現代翻訳劇が置かれていて、シェークスピアやギリシャ悲劇などの重厚な古典だけでなく、軽やかなコメディやウェルメイドなドラマが読める環境にありました。

その影響で、大学で旗揚げした自分のチームの1作目に、海外戯曲の二人芝居を上演したりという経験はあります。

その作品でも今回でもそうなんですけど、とにかくあちらの戯曲は自分の主張をぶつけ合いますよね。

この作品では、我が家に訪れた異邦者が原因となって、僕と中嶋朋子さん演じる夫婦が口論になるシーンがありまして。お互いが自分の意見を徹底して主張するんですね。

日本の作品だと、夫婦喧嘩と言えども、ある程度心情を相手が察してくれるという前提が基本的にあって、口論の中にも時折婉曲した言い方をしたり、言葉より態度で示そうとしたりする瞬間があると思うんです。

でもあちらの戯曲では、主張は察してもらうものでなく戦わせるものだという前提がある気がします。

役者としては、ある程度言い合うシーンがあると、どこかで引いた言い方をしたくなるのですが、そこは引かずに主張がへし折られるところまで押し出していかないといけない。

察してもらって同情を買う、という男のしょーもない得意技はまず期待できない。特に僕なんかすぐ同情を買おうするので、エネルギー使います(笑)。

――大学時代の経験が今につながっているんですね。夫婦喧嘩のシーンも気になります。矢柴さんの役どころを教えてください。

自分の役どころは「親から引き継いだ片田舎の家に閉じこもり、現実世界から逃げ、パリの幾何学的な街路に憧れて夢想ばかりしている男」といったところでしょうか。まぁ実に残念な人なんです。

懐狭くて嫉妬はするし、子供になめられているし、失敗ばかりで何も続かないし、自分の思いに浸っちゃって閉じこもっているし…。

魅力的な男性像と真逆な、残念な人物です。でも、自分と重なる部分が大いにあるのを否定できない(笑)。雰囲気はウディ・アレンっぽいかも。

この作品は、あえてジャンル分けするなら不条理喜劇となるのかもしれませんが、いざ肉体化してみると、それを超えて、ヒューマンドラマとしても傑作だと思います。

クライマックスに向けて一気に飛躍していく爆発力もありますし、相当の作品だなと感じています。 想像力をかなり刺激されるのではないでしょうか。

――共演者も魅力的な方ばかりですね!

主役の堺小春さんは、やっぱりあの堺正章さんの血が流れていらっしゃるんでしょうね。あまりに膨大なセリフ量をどうするのかと心配してましたが、いったん役をつかんだら、怒涛のように芝居のすき間を埋めていって、遥か先に行っちゃいました(笑)。

お父様からは、バーンと差し入れを届けていただいたりしています。先日はおいしいおいしいおいなりさんと太巻きが知らないうちに並んでました。ありがとうございます。最高でした!(笑)

僕の奥様役は中嶋朋子さんです。僕が役者を志すきっかけになったのは、まさに「北の国から」ですから、ご一緒しているのが本当に不思議な感覚です。最初は、向き合うのが恥ずかしくて内心ドギマギしていました。接近するたびに、うわーってなっちゃって(笑)。

芝居をキチンと捉えて的確な表現をなさる、頼り甲斐のある方です。ブレない。かなり頼りにしちゃっています。広岡さんからは、的確なアドバイスを頂いてます。さすが目が肥えている。すごいです。

あ、でも僕、広岡さんとの絡みのシーンの時かなりの確率で出トチリしてしまって、広岡さんを宙ぶらりんにさせちゃうことが稽古場で頻発していまして…迷惑かけてます。「ホントお願いよ!」って叱られています(笑)。

映像だとワンテイクごとに時間が途切れてそのたびに演技を振り返れますが、その癖で、ついつい袖にハケるごとに芝居を振り返っちゃうんです。で、気づいたら出番がやってきてしまって…。本番は気を付けます!

――観劇にくる方々にメッセージをお願いします。

こんな役に出合えるのは役者やっていてもなかなかないだろうなと感じてます。これほどまでの役割を負わせてもらって、カタルシスを組み立てていく作業に加担させてもらえる経験は、そうないだろうと。

その分、稽古場にて絶賛壁にぶち当たり中です。ありがたいことにおかげで基本をズシーンと学ばせてもらっていますね。そんな矢柴の、のたうつ姿、必死になってゲッソリしてる姿を楽しんでもらうのも一興かも(笑)。

カナダの劇作家・モーリス・パニッチ作の舞台「金魚鉢のなかの少女」は赤坂レッドシアターにて10月14日(日)まで上演中。

矢柴は10月12日(金)スタートの金曜ナイトドラマ「僕とシッポと神楽坂」(テレビ朝日系)では神主役で出演。

ほか、「駐在刑事」(テレビ東京系ほか)、「PRINCE OF LEGEND」(日本テレビ)や映画「覚悟はいいかそこの女子。」(10月12日[金]公開)、「新宿パンチ」(12月1日[土]公開)などあらゆる作品で名バイプレイヤーぶりを発揮!(ザテレビジョン)

https://news.walkerplus.com/article/164785/

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