YouTubeを子どもに安心して見せられるように、UUUMが取り組んでいることとは

wezzy

2018/10/6 22:25


 スマートフォンの普及によって大人も子供も容易にネットにアクセス可能になった今、YouTube文化は花盛りだ。もちろんYouTubeに限らず“動画”は気軽に閲覧できるもので、撮影・編集だって素人でもできる。テレビを主戦場にしていたテレビタレントたちもYoutubeチャンネルを開設ししのぎを削っている。しかしテレビタレントよりも強いのは、この文化を盛り上げてきた動画クリエイターたちだ。

HIKAKIN(以下、ヒカキン)やはじめしゃちょーをはじめとした動画クリエイターのマネジメント・サポートを中心に事業を展開するUUUM株式会社(以下UUUM)の「U-FES.」とコラボレーションした、東京ドームシティアトラクションズのイベント「カモン!U-FES.遊園地!」が、9月29日から11月18日まで開催されている。これに先立ち東京ドームシティにて行われたメディア内覧会では、日本最大級の動画クリエイターイベント「U-FES.2018 プレミアムステージ」(11月11日開催)の前日に、TOKYO DOME CITY HALLにて前夜祭を開催することも明らかにされた。

内覧会に登場した超人気動画クリエイターのヒカキンは「フェス会場みたいになるんじゃないかな、と思ったりしてます」とコメント。新たな試みに期待を寄せている様子だった。期間中は東京ドームシティにて、UUUM所属の動画クリエイターらが考案したコラボメニューやラッピングアトラクション、人気クリエイター認定テストなどが楽しめる。

いまやユーチューバーは子供達に絶大な人気を誇り、小中学生の“なりたい職業ランキング”においてもユーチューバーが急上昇。その地位向上ぶりはすさまじい。実際、内覧会当日は、登壇したヒカキンを熱い眼差しで見つめる小学生らの姿が目立った。内覧会後に遊園地内を歩くヒカキンを見つけた小学生らは喜びの声をあげ、他のユーチューバーを探そうと走り回っていた。悲鳴が“スター”に遭遇したときのそれだ。

一方で、キッズたちがYouTubeにハマることを良しとしない保護者も少なくはないだろう。筆者自身、YouTubeを小さな子供に見せている親としては、複雑な心境だ。たとえば関連動画でさらに別の動画を視聴する際、それが“キッズにふさわしくない”内容の場合もある。

また、こうした人気動画の面白さが親としてさっぱりわからないという声もある。新商品を紹介するとか、オモチャで遊んでみるとか、ゲーム実況とかメントスコーラとか……始まりから終わりまで早送りなしで見ることすら苦痛……「何これ、面白いの?」と疑問に思っている親世代も、少なくないのでは。

そんなわけのわからない動画を子供が見ている、というか子供に自由に見せていることへの罪悪感も多少なりとも親側には発生する。ただでさえスマホなどの端末を子供に使わせることへのバッシング体制が世の中にはある。

今回の『カモン!U-FES.遊園地!』は、まさにキッズに向けたイベント。これを機に親側の抱くユーチューバー(動画クリエイター)への不信感を拭い去るべく、UUUM執行役員・笠原直人氏に、キッズに人気の理由や発信側の取り組みなどについて聞いた。
なぜキッズに人気なのか?
――UUUMにはヒカキン、はじめしゃちょー、セイキン、フィッシャーズ、水溜りボンドなど、子供達に人気のユーチューバーが数多く所属しています。「HikakinTV」やはじめしゃちょーのチャンネル登録者数は700万人に迫る勢いで、フィッシャーズはCDデビューまでしましたよね。いわゆるテレビタレントとは違う彼らの動画がなぜこんなに人気なのでしょうか。

笠原「全てがというわけではないのですが、クリエイターが、タレントやモデルに比べてちょっと身近な距離感というところが人気の大きな理由なんじゃないのかなと思っています。子供達の距離感も近いですよね」

――距離感の近さというのは、コメントのやりとりなどですか?

笠原「動画配信自体は一方的な表現ではありますが、ファンからの質問に答える動画が人気を集めたり、SNSでもコミュニケーションしたり、コメント欄でも想いを伝えられる。完璧な双方向ではないにしても、多少それがあるというところが、身近な距離を感じてもらえているというところなのかなと感じています。すごく遠い憧れの存在、というよりは、近くのお兄ちゃん、みたいな距離が保てているので身近な存在として興味を持ってくれているのではないでしょうか」

――先ほど遊園地内でヒカキンに遭遇したキッズたちの反応もそんな感じがありました。動画クリエイターのファンは全体的に小学生世代が多いのでしょうか?

笠原「クリエイターによってファン層は違います。本日内覧会に登場したヒカキンやボンボンTVは小学生のファンが多いですが、はじめしゃちょーやフィッシャーズの視聴者はもう少し年齢層が高く中高生の女の子、10代半ば~20代前半が中心です。もっと上のファン層もいますが」

コンプライアンス研修と動画チェックの重要性
――YouTubeは視聴しはじめると関連動画でどんどん別の動画に移っていくものですが、キッズが過激な動画にたどりついてしまう可能性もあることが心配な親もいると思います。会社としては所属クリエイターの動画にどのように気を配っていますか?

笠原「前提としてUUUMとしては皆に楽しんでもらえるようにコンテンツを発信したいという思いがあります。ですので、子供向けかどうかを問わず、法令、公序良俗を守らなければいけないというのはすごく教育をしているところです」

――というと、具体的には?

笠原「絶対的に守らないといけないところに関しては、社内で複数回、専属クリエイターを呼び寄せて研修をし、教育をしています。こうしたコンプライアンス研修は2年ぐらい前から行っています」

――コンプライアンス研修は外部講師を招いているのですか?

笠原「実はUUUM社内には常に動画の内容をチェックしている部門が存在します。この法務部門の社員が講師となり、クリエイターらが動画を作る上で気をつけないといけないことなどを教えています。とはいえ、表現の面白さというところで、強烈に縛るのもまた違うと思っています」

――なるほど。UUUM所属のクリエイターではありませんが、YouTube上にはたとえば街角でナンパしている動画なんかもあり、けっこうえげつないなぁと思うんですよね……。とはいえ、テレビでやっていることとそう変わらないと言われればそれもそうですが。

笠原「テレビも一緒だと思うのですが、僕が子供の頃には『オレたちひょうきん族』や『8時だヨ!全員集合』などが放送されていました。これに顔をしかめる親もいたと思うのですが、僕としては、良い影響も受けていると思っています。必ずしも制限することだけが良いのか、ということについてはすごく難しいですね。ある程度許容される範囲での多様性はあっても良いのかなと思っています。今回のイベントでは、まさしくその親御さんだったり動画クリエイターをよくわからない新興集団として不信な目で見ている人にも、わかってもらう機会にできればという狙いがあります」

――というと?

笠原「まず園内装飾や企画は幅広い人が安心してもらえるように内容を詰めました。過激なことをやるわけではなく、遊園地という誰もが楽しめる場所で、お客さんがクリエイターと一緒に遊園地で遊んでいるようなこういう世界観を作れると良いなと。ファンとクリエイターがオフラインで接点を持つ。いままでのカタチ以外の接点の持ち方を作っていくのはUUUMの役割かなと思っています」
ユーチューバーという文化を当たり前にする
――会社として、ビジネスを長く続けるためのビジョンをどれくらい先まで見ていますか?

笠原「もちろん世の中から見たら動画クリエイターの歴史は浅いし、まだまだどうなるかわからない部分があります。だから、彼らみたいなインフルエンサー、動画クリエイターの存在が世の中で確立するような“文化”の基盤を作ることがUUUMの役目だと思っています」

――今はまだ子供が「ユーチューバーになりたい」と言うと、眉をひそめる親は圧倒的に多いんじゃないかと思いますが。

笠原「今はどちらかというと目新しいものだからそうですよね。でもUUUMの目指すところは、コミュニケーションの仕方として当たり前に動画クリエイターが存在する世界を作っていく、そんなイメージです」

――将来的に職業としてユーチューバーになりたいというより、今、自分の子供が他のキッズユーチューバーのように動画発信したい、と言い出したら、親としては「やめなさい」と止めるかもしれないです(苦笑)。

笠原「それは他の教育と同じように、基本的なことを親が教えていきながらサポートしていけばよいのではないかと考えています。個人情報の扱い方だったり、人を傷つけるような行為をしないとか……当たり前のことだと思います。動画を作って発信することで子供にとって新しい可能性が広がっていく場合もあるかもしれませんよ(笑)」

――なるほど。ちなみに笠原さんは、仕事以外でYouTubeをご覧になられますか?

笠原「お風呂で大体ずっと見ているんですよ。好きなのは……自分の会社のクリエイターはもちろんそうなんですが、僕はアウトドア、キャンプが好きなので、そういう動画を出しているクリエイターの作品をお風呂場でずっと見ていますね」

――確かに、子供や若者向けのハイテンションな動画ばかりではないですもんね。

笠原「『釣りよかでしょう。』という動画クリエイターはご存知ですか? 彼らのファンは中年世代の釣りファンです。釣りのイベントなどに彼らが登壇すると中年男性たちが集まってくるんです。ですので、一概に子供というわけではなくクリエイターの配信しているコンテンツによりファン層は変わってきています。ただ、全体で見たときはまだまだ若い層が多いのが事実です。取扱ジャンルが増えるに伴い、ファンの年齢層も多様化しはじめている印象があります」

――ゴルフレッスン動画やヨガ動画なんかもありますしね。偏見に捉われず、いろいろ見てみようと思います。
カモン!U-FES.遊園地!
開催期間:2018年9月29日~11月18日
時間:10:00~21:00(イベントの参加受付は20:00まで)
場所:東京ドームシティアトラクションズ

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