草笛光子・松岡昌宏『新・6週間のダンスレッスン』が開幕

SPICE

2018/9/30 22:20



草笛光子・松岡昌宏が出演する舞台『新・6週間のダンスレッスン』が、2018年9月29日(土)よみうり大手町ホールにて初日を迎えた。

この作品は2001年カリフォルニアでオープンし、2006年に日本で初演。美しいダンスとウィットに富んだ会話で好評を得、その後も再演を重ね、2014年閉幕時に通算194回を数えた。そして今回の公演中に上演回数200回に到達する。

今回は、演出、衣裳、舞台装置、全てを一新、また、物語を彩る音楽は、生演奏となった。演出には『ディファイルド』や『欲望という名の電車』、等、多くの翻訳劇演出を手掛け、『ウエアハウス』などのオリジナル作品も高く評価されている鈴木勝秀を迎えた。主演は、初演からリリー役を演じ、第14回読売演劇大賞優秀女優賞、第29回松尾芸能賞演劇大賞を受賞、自ら本作を“ライフワーク”と語る草笛光子。また、“ダンスパートナー”のマイケル役には、人気グループTOKIOとして、様々なドラマにも出演し演技力にも定評のある松岡昌宏が新たに参加した。以下に二人のコメントを紹介する。

草笛光子(リリー役)コメント

前回の公演から4年振り、そのうえ新演出にチャレンジしているので、女優として何十年もやってきましたが、今までにない道のりを歩いている気持ちです。今はどういう結果が出るのか、皆さんに喜んで頂けるものをお届け出来るのかわかりませんが、舞台に出て皆さんの前でうまく弾けたら嬉しいと思っております。この公演中に85歳になります。女優が歳をとってくるということをしみじみ感じています。でも歳をとったなりのことが出来たら嬉しいです。どうぞ観にいらしてください。
草笛光子
草笛光子

松岡昌宏(マイケル役)コメント

たくさん稽古を重ねてきて、新しいリリーとマイケルになっていると思います。今までご覧になった方もそうでない方も、また新しい気持ちで楽しんで頂けるのではないでしょうか。この役を頂いて、この役を演じることに幸せを感じています。皆さん、是非楽しんでください。
草笛光子・松岡昌宏
草笛光子・松岡昌宏

≪STORY≫
68歳の未亡人リリーと、ダンスインストラクターの45歳の青年マイケル。ダンスレッスンを通して、二人はお互いの心を通わせていく─。

フロリダの海辺に臨む高層マンションに住む68歳の未亡人リリー・ハリソン(草笛光子)と、ダンスインストラクターで45歳の青年マイケル・ミネッティ(松岡昌宏)。リリーの申し込んだ出張個人ダンスレッスン『6週間でマスターする6つのダンスレッスン』で二人は出会う。しかし、二人はレッスン初日から激しい喧嘩をしてしまう。年齢も生き方も違う二人は、互いをなかなか認める事が出来ないが……反発しあいながらも、レッスンを重ねるうちに次第に心を通わせていくリリーとマイケル。恋人でも、夫婦でも、家族でもない二人の間に芽生えた絆。二人のダンスレッスンの行方は……?

初日レポート

序盤は草笛演じるリリーと松岡演じるマイケルの腹の探り合いに何度となく笑わされ、やがて二人がダンスレッスンを重ねていくうちに、互いの本音、心の傷を少しずつさらけ出していく姿に思わず胸が締め付けられた。傷ついた経験のある人間だからこそ、相手の心の痛みを感じ、優しくなれる。リリーとマイケルの6週間は人間愛の素晴らしさ、そして何歳になっても生きる事の素晴らしさを感じさせた。

84歳、と強調すると叱られそうだが、草笛の演技、そしてダンスの身のこなしは驚くほど美しく、快活でキュート。本作に初めて出会ったとき、「リリーは私だ」と感じたと語るその言葉の通り、リリーなのか、草笛本人なのか、途中からわからなくなるくらい、自然な愛らしい老婦人を演じきっていた。
草笛光子
草笛光子

また、リリーと出会い、不思議な関係を築いていくマイケル役の松岡は、自身が持つ引き出しのすべてをこの芝居のためにさらけ出したような魅力溢れる姿を見せていた。観客を何度も笑わせ、そして泣かせる絶妙な場の空気の掴み方は脚本を飛び超え、リリーと、そして観客の心を掴む。松岡昌宏の代表作と呼べるマイケルが誕生した現場を目の当たりにしたのかもしれない。

そしてリリーとマイケルの心の動きを丁寧に紡いだ演出の鈴木勝秀の手腕は今回もまた見事だった。

ギターとピアノ、パーカッションの生演奏が作品にさらに彩りと体温を与える2時間。何度も劇場に足を運びたくなる名作だ。
草笛光子
草笛光子

取材・文=こむらさき

当記事はSPICEの提供記事です。

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