12年連続の日本人によるイグ・ノーベル賞受賞 その発表会で大爆笑をとった医師の研究とは

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2018/9/27 18:49

ニッポン放送で「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。

今年のイグ・ノーベル賞は座って楽~に大腸をチェック!?

今年も『人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究』に贈られる『イグ・ノーベル賞(Ig Nobels Prize)』の発表が日本時間14日、アメリカのハーバード大学でありました。

スタートした1991年から28回目となる今年ですが、1997年には日本人の労働時間がこの飼育に費やされたとして『たまごっち』が経済学賞を受賞。2002年には犬の言葉を日本語に翻訳してくれる『バウリンガル』が平和賞を受賞。2005年にはドクター中松さんの36年にわたって自分の食べた食事を撮影しての『食べものが頭の働きや体調に与える影響の研究』が栄養学賞を受賞するなど、日本人の受賞も毎年話題となります。

そんな中で2018年は、長野県駒ケ根市の昭和伊南(いなん)総合病院の消化器病センター長・堀内朗(あきら)医師(57)の研究が医学教育賞を受賞。日本人の受賞は2007年から12年連続となりました。

今回受賞した研究は『座位で行う大腸内視鏡検査―自ら試してわかった教訓』というもの。通常大腸がん検診などで受ける検査では、横に寝た状態で内視鏡を挿入していくのですが、堀内さんは自らの経験から、痛みや不快感を減らす方法として、イスに腰掛けて少し股を開き、口径の小さな内視鏡を下からゆっくり入れてみることを提案。

この姿勢で内視鏡を挿入し検査することが「驚くほど容易にできた」ことから、これが大腸内視鏡検査にもっともよい方法だと確信したそうです。

ハーバード大学で行われた発表会では、堀内さんが左手でカメラのつまみをを動かし操作している様子がモニターに映し出され、自分の腸内を見つめる堀内さんの姿があまりにおかしくて会場内は大爆笑だったようです。

その発表の様子をご覧ください。(1:08:24 付近から)


残念ながらこうした姿勢での内視鏡検査は、実際の病院の現場では、まだ恥ずかしがる人が多いため採用はされていないそうです。でも内視鏡による大腸ポリープ検査は、大腸がんの発症を9割抑えられるということから、堀内さんは「これからも大腸内視鏡検査を受けるのは簡単だということをさまざまな形で広めていきたい」と語りました。

今回のイグ・ノーベル賞ではほかにもユニークな研究が続々受賞。アメリカチームによる『ジェットコースターに乗ることで腎臓結石を除去することができるという研究』は医学賞を受賞。

カナダ・中国・シンガポール・アメリカの混合チームによる『呪いの人形を使って上司に報復することに関する調査』は経済学賞を受賞しました。

ちなみに、イグ・ノーベル賞の受賞者には、今年も紙切れのような賞状と適当に作ったトロフィー、そして賞金として10兆ジンバブエドルが贈られたとのことです。10兆ジンバブエドルの価値が話題になりますが、さきほど通販サイトのアマゾンで確認したところ『化粧箱入りの10兆ジンバブエドル』が2800円で売られていました。

それぞれの研究内容は本家ノーベル賞に負けずとも劣らず素晴らしいものばかりのイグ・ノーベル賞ですが、どこまで行ってもパロディ精神は忘れてはいないようです。


[文・構成 土屋夏彦]

土屋夏彦


上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。

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